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外国人労働者初の200万人超え、飲食、宿泊業などで高い雇用意欲。課題は語学やコミュニケーション

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帝国データバンクがこのほど、外国人労働者の雇用・採用動向についての調査結果を発表した。

人手不足の長期化が深刻になるなか、政府は3月15日、技能実習制度の見直しや育成就労制度の新設などを閣議決定。特定技能制度への移行により共生社会を目指す。2023年10月時点で、外国人労働者は200万人、雇用事業所数は30万カ所を超えている。

今回の調査では、外国人採用意欲の高い業種や、雇用・採用における課題などが明らかになった。現在、外国人労働者を「雇用している」企業は23.7%だが、「雇用していない」は59.2%と6割近い。現在の雇用の有無にかかわらず「採用を拡大する」とした企業は16.7%となった。

外国人労働者の採用を「拡大する」と回答した上位3業種を見ると、「飲食店」がトップで44%、次いで「旅館・ホテル」の35.8%、「人材派遣・紹介」33.8%の順になった。外国人の人材活用の強みを聞くと、「リテール事業での観光客との円滑なコミュニケーション」や「輸出を検討する場合の、輸出国の技術者の採用」などの理由が挙げられた。なお、上位10業種で特定技能分野に指定されているのは、「飲食店」「旅館・ホテル」「農・林・水産」「メンテナンス・警備・検査」だ。

多様な人材確保についても尋ねると、管理職登用の動向が注目される「女性」を雇用している企業は77.9%と8割近くになり、「今後採用を拡大」という方針の企業も19.4%に登った。定年制の見直しにも動きがあるが、「シニア採用拡大」は10.9%に止まった。「障害者採用拡大」は13.8%だった。

外国人労働者の雇用課題について尋ねると、「スキルや語学などの教育」「コミュニケーション」の2つがそれぞれ約55%と、突出している。「採用前の段階で、ある程度の語学スキルがないと採用しにくい。小規模事業者には教育できる人的資源やノウハウがなく、語学習得に関する公的な支援施設がない」など、すぐに解消できない課題が雇用を妨げている状況がわかる。

今回の調査では採用拡大の意向がある企業は全体の2割弱にとどまったものの、消費者向けのサービス業での意欲的な姿勢が伺えた。今回打ち出された政府による育成就労制度では、これまで技能実習制度で原則禁止されていた他企業への転籍が可能となる。しかし、今回の調査で明らかになった教育・コミュニケーションの課題解消には、日本語能力向上プログラムの抜本的な改善が必要との声が多い。地域やサプライチェーンを含めた就労サポートなど横のつながり強化に向けた連携も重要となってくる。

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