インバウンドニュース

越境EC利用者への日本のソフトパワー意識調査、「アニメ・マンガ・ゲーム」の根強い人気が明らかに

印刷用ページを表示する


越境EC事業を手掛けるBEENOS株式会社が、同社の海外向け購入サポートサービスBuyeeの利用者を対象に、「日本のソフトパワーに関する意識調査」を実施し、その結果を発表した。回答者数は1345名で、表示言語での内訳は英語728名、繁体字454名、韓国語163名。アンケート実施期間は2024年11月19〜25日だった。

 

日本への興味、トップは「アニメ・マンガ・ゲーム」

自国に最も影響を与える日本の産業・文化のジャンルについて聞くと、「アニメ・マンガ・ゲーム」と答えた人が84.4%と一番多く、次いで「日本食」が70.8%、「日本製品(自動車、電化製品など)」が62.6%と続き、上位3つのジャンルが他の選択肢を大きく引き離す結果となった。

日本文化のイメージは、と聞くと上位3つは「アニメ・マンガ・ゲーム等、ポップカルチャーの質が高い」(84.5%)、「伝統と現代の融合」(65.3%)、「街の清潔さ」(64.1%)だった。ソフトパワー分野だけでなく、治安や衛生面、食事、自然環境などさまざまな部分で日本に対してプラスの印象を抱いていることがわかる。

日本の魅力的な点について尋ねたところ、1位は「アニメ・マンガ・ゲームなどのポップカルチャーの質が高い」で75.7%だった。全体として、上記の「日本文化に対するイメージ」に関する質問の結果と同様の傾向が示されているが、「音楽、観劇、アニメなどのエンターテインメントの品質が高い」(57.9%)が2位に入っている。また、「自然が豊かで四季を楽しめる」(48.4%)もランクアップしており、エンタメコンテンツの利用、訪日体験がきっかけで日本の魅力を感じている人が多いことがうかがえる。

 

海外消費者の趣味消費が目立つ、推し活も盛ん

2024年に初めて越境ECを利用した海外の消費者に、購入した商品を聞いたところ、「アニメなどのキャラクターグッズ」がトップで30.5%となり、次いで「おもちゃ・ホビー用品」17.3%、「フィギュア・ぬいぐるみ」16.6%だった。日本へのイメージに関する調査では、「アニメ・マンガ・ゲーム」への回答が大多数だったが、実際に購入する商品分野では、アニメやマンガ、ゲーム関連商品だけでなく、幅広い分野に分散していることが明らかになった。

日本で体験したいアクティビティについて質問すると、1位は「ホビー専門店、キャラクターショップなどの趣味分野のショッピング」で77.2%、「日本の地方都市の観光」が2位で71.7%、「テーマパーク、ゲームセンターなどのエンタメアクティビティ」は60.6%という結果に。全体的に、趣味関連のショッピングを楽しみたいという傾向が強いことがわかる。また食体験では「大衆的な料理店での食事」(57.2%)が「高級なレストランでの食事」(37.4%)を上回る結果となり、気軽に楽しめる食事を求めている様子がうかがえる。

また、推し活対象の有無について自由形式で答えてもらったところ、対象名を挙げたのは475件に上った。人気が集まったのは女性Vtuberグループ「ホロライブ」、アーティスト名では「星街すいせい」であった。ゴジラやガンダムなどのキャラクター、AKB48などのアイドルグループも強い支持を集めている。数は少ないが、ファッションブランドのヨウジヤマモトやホビーメーカーのタミヤ、木版印刷といったニッチな分野まで、幅広い推し活が見られた。

海外の消費者は、自国のECや店舗で購入できない商品を越境ECで探している。越境ECでの購入商品から、思い入れの深い商品を自由回答で募ったところ、898件の回答があった。「全日空/ANAグッズ(大好きな航空会社だから)」というカナダ10代男性、「Fan東方ミュージックのCD(クリエイターを支援したい)」というエストニア20代男性、「栗の甘露煮(一度食べたら忘れられない味)」という台湾50代女性など、思い入れのあるさまざまな回答が寄せられたという。

 

関連インバウンドニュース