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日本の飲食店の2024年予約動向、インバウンド予約数は過去最多。「Googleで予約」が大幅増

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日本の飲食業界全体がインバウンド需要の好影響を受けている中、株式会社エビソルが最新の国内飲食店予約動向を発表した。大手居酒屋チェーンからホテル・レストランなど、国内1万5000店舗が導入しているエビソル運営の飲食店向け予約管理システム「ebica」と「グルメサイトコントローラー」のデータから予約動向を分析した。調査期間は2024年1月から12月となっている。

2024年は2023年比で、飲食店来店数は5%増となった。電話予約は同7%減となったが、ネット予約は13%増と伸長し、効率的なネット予約への移行が見られる。客単価は物価高騰の影響もあり、前年比9%増、予約経由の客単価は14%増と大きく伸びた。ネット予約の利用者が、比較的高単価のメニューやコースを選んでいることが推察される。

 

OTA経由の予約も急増!多様なニーズに応えるインバウンド戦略が鍵

インバウンド予約は前年比18%増と躍進し、過去最高の予約数を記録した。訪日外国人数、旅行消費額とも過去最高となった2024年は、飲食店予約についても活況の年となった。ネット予約の詳細を見ると、訪日外国人にとって日常的なインフラであるGoogleを使った「Google で予約」が前年比136%と大幅に増加している。

予約経路別に見ると、件数としては少ないものの、「OTA(オンライン旅行予約サイト)から予約」が前年比100%増となっているのも興味深い。OTAではインバウンド向けの特別コースが掲載されることが多く、より日本を堪能できる特別なコースへのニーズが読み取れる。

2024年にインバウンド予約が大きく増えた背景には、日本の予約管理システムがコロナ禍前から初期にかけてGoogleと連携し、Google上で日本の飲食店の空席情報をリアルタイムで検索・予約できる「Googleで予約」機能が実現したことが挙げられる。これにより、2022年秋以降の国境を越えた旅行の本格再開に伴う訪日需要の急増とともに、同サービスの利用が拡大した。

同社は、2025年は外食産業における集客や予約管理の「インバウンドシフト」が本格化すると予測。今後、飲食店ではインバウンド需要の取り込みに向けて、食習慣に対応したメニューの導入や多言語対応、決済システムの多様化など、積極的なアプローチが求められるという。

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