インバウンドニュース
訪日客1500人に聞いた大阪・関西万博への本音、認知度7割も「混雑・費用」がネックに
2025.04.15
やまとごころ編集部大阪・関西万博が4月13日に開幕した。インバウンド向けショッピングアプリ「Payke」が実施した意識調査によると、訪日外国人の7割以上が「大阪・関西万博」の存在を認知している一方で、実際に「行く予定がある」と答えたのは2割以下にとどまった。調査は2025年3月27日〜4月1日にかけて、訪日外国人向けショッピングサポートアプリ「Payke」内で、ユーザー1539人を対象に行い、Webアンケート形式で回答を得た。韓国語・英語・中国語(繁体字)の言語別で回答を収集。万博に対する関心の現状と課題が浮き彫りになっている。
万博の認知率は7割超、繁体字話者で突出 英語・韓国語圏では情報断片化も
調査結果によれば、全体の7割以上が「大阪・関西万博を知っている」と回答。
中でも、繁体字中国語話者(台湾・香港)では8割超の認知率を示しており、高い浸透度がうかがえた。
一方で、英語話者(アメリカ・フィリピンなど)では認知率が相対的に低く、「知らなかった」との回答も目立つ。また、韓国語話者では「聞いたことがあるが詳細は知らない」という層が多く、情報が断片的に伝わっている傾向が見られた。
情報提供で「行かない」から「検討中」へ、韓国語圏で変化大きく
今回の調査では、回答の途中で450字ほどの大阪・関西万博に関する説明文を挿入。その前後で参加意向がどう変化するかを測定したところ、「行く予定はない」と答えた割合が39.44%から30.67%へと減少した。一方で、「検討中」は43.60%から50.55%へと大きく増加した。
回答結果を言語別にみると、この傾向は韓国語話者で特に顕著で、「行かない」が41.64%から24.92%に大幅に減少、「検討中」は50.79%から66.56%へと急増した。これは、「興味がない」というよりも、「判断に必要な情報が不足していた」ことが参加意向を妨げていたことが考えられる。
行かない理由は「混雑」「費用」、解決策提示で参加促進の可能性も
万博への参加を見送る理由として最も多かったのは、「混雑しそうで不安」(55.10%)。「人が多すぎて楽しめない」といったイメージが背景にある。動線設計や来場分散化、混雑状況の可視化といった取り組みを情報発信していくことが求められる。
次いで多かったのが「費用の高さ」(45.74%)。チケット代だけでなく、宿泊費や交通費といった関連コストがハードルとなっており、割引パッケージやキャンペーン情報の発信によって、参加意向を後押しできる余地がある。
分析と提言:理解のギャップを埋める情報提供がカギ
全体の7割が「知っている」と答えながらも、説明後に意向が変化したことは、単なる認知と深い理解との間にギャップがあることを示している。特に「知っているつもりだったが、実はよく知らなかった」層に対して、簡潔かつ整理された情報の提供が有効だと考えられる。
今後のプロモーション戦略では、「すでに知っているはず」と想定せず、一歩踏み込んだ構成やストーリーで再認識を促す工夫が求められる。言語圏ごとの傾向に応じた訴求も、来訪意欲の喚起において重要なポイントとなることが予測される。
(出典:株式会社payke 2025大阪万博についての調査)
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