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2025年夏の旅行動向、旅行者の8割が“体験”重視。支出も増加傾向 ートリップアドバイザー

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トリップアドバイザーは、世界6カ国の旅行者を対象に実施した調査結果と、サイト内検索データをもとに、2025年夏の旅行動向を発表した。調査は、2025年3月26日~4月8日にかけて、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、シンガポール、日本の6カ国の旅行者2800名以上を対象に、オンラインで実施された。

また、2025年6月1日~8月31日を旅行期間として取得したトリップアドバイザー上の行動データも併用して分析が行われた。

 

世界の旅行者の動向、半数が旅行支出額増加傾向に

トリップアドバイザーの調査によると、回答者全体の77%が2025年夏の旅行を計画しており、そのうち国内旅行は48%、海外旅行は30%、両方を予定している層が22%を占めた。特にZ世代では、「国内外の両方へ旅行する」との回答が他世代より38%高く、旅行スタイルの多様化が進んでいることがうかがえる。

また、旅行への支出意識にも変化が見られる。2024年夏と比べて「とても多い」が16%、「少し多い」が35%、「同じ」が42%、「少ない」が7%、「とても少ない」は1%となり、全体として支出増加傾向が強まっている。

旅行中の過ごし方では、「アクティビティや体験を優先する」との回答が81%に達した。特に人気が高かったのは、文化ツアーや歴史的名所を巡る体験、屋外アクティビティ、アミューズメントパーク訪問などで、旅行先での体験価値を重視する姿勢がより顕著になっている。

 

訪日客に人気の観光地、銀座・歌舞伎町・箱根が上位

調査に基づき、2025年夏に海外からの旅行者から最も検索された日本国内の観光地トップ10は以下の通りとなった。

▶︎訪日客からの旅行者に人気の観光地トップ10(2025年 夏)

1 銀座(東京都)
2 歌舞伎町(東京都)
3 西新宿(東京都)
4 箱根町(神奈川県)
5 那覇市(沖縄県)
6 浅草(東京都)
7 富士河口湖町(山梨県)
8 恩納村(沖縄県)
9 代々木(東京都)
10 博多駅前(福岡県)

上位に都内中心部の商業・ナイトライフエリアが並ぶ一方で、温泉地である箱根や自然景勝地の富士河口湖なども含まれ、都市観光と自然体験のバランスの取れた興味関心がうかがえる。

 

人気上昇中の観光地、地方都市や下町が注目集める

前年同期比で人気が急上昇した観光地として、以下の10地域が紹介された。

▶︎訪日客による人気上昇傾向が強い観光地トップ10(2025年 夏)

1 日本橋(東京都)
2 松山市(愛媛県)
3 倉敷市(岡山県)
4 美瑛町(北海道)
5 十和田市(青森県)
6 青森市(青森県)
7 中洲(福岡県)
8 千駄木(東京都)
9 押上(東京都)
10 千日前(大阪府)

松山や倉敷、美瑛、十和田といった地方都市・町のランクインは、訪日客が都市部を離れ、歴史文化や自然を体験できる地域への関心を強めていることを示唆している。また、千駄木や日本橋など、都市部の下町や再開発エリアの注目度上昇も特徴的だ。

 

訪日旅行は“体験”が主役に、多様なニーズに応える整備が重要

訪日外国人が日本で体験したい活動としては、都市観光に加え、温泉入浴、富士山観光、地方文化の体験などが引き続き人気だ。検索上位地域の傾向からわかる通り、多様な観光ニーズに対応する観光地の整備や情報発信が求められる。

また、アクティビティや体験を旅行計画の中心に据える傾向は強まっており、検索傾向にもその影響が表れているとみられる。体験コンテンツの可視化や多言語対応、事前予約のしやすさなど、旅行者の意思決定を後押しする環境整備が今後一層重要となるだろう。

 

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