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韓国人の海外旅行動向、2年以内に7割が海外旅行。訪日率は約半数、情報収集は世代間で差
2025.06.10
やまとごころ編集部韓国からの訪日観光客が増加する中、株式会社アスマークは韓国人の海外旅行および訪日動向に関する調査結果を発表した。調査は2025年3月24日〜4月4日、韓国在住で過去2年以内に海外旅行経験のある20〜50代男女400名を対象に、Webアンケート形式で実施された。
韓国人の海外旅行、7割が複数回渡航 人気はアジア圏に集中
過去2年以内に海外旅行をした韓国人のうち、約7割が複数回(平均2.8回)渡航しており、旅行形態では「家族旅行」が最も多かった。旅行回数や支出額は月収に比例して増加する傾向が見られたが、性別や年代による大きな差はなかった。
訪問先はアジア圏が全体の約9割を占め、日本、ベトナム、タイが人気上位に挙げられた。距離の近さや旅行コストの低さが主な理由とされる。一方、欧米は高所得層に一定の支持があり、依然として根強い人気を持つ。
旅行先選定の理由としては「食べ物・飲食店」が最多で、渡航前後で印象の差が少ないことから、期待通りの体験が得られていることがうかがえる。
直近2年の訪日動向、日本が約5割で訪問率トップ
アジア圏旅行経験者のうち、日本を訪れた人は49.0%となり、その後、ベトナム、タイ、香港が続いた。訪日に関しては、特に20代と50代の男性で訪問経験が高く、日本は韓国人にとって安定して訪れる旅行先であることが示された。
▶2年以内に海外旅行で訪れた場所
訪日の理由では「食べ物・飲食店」が最多(72.4%)で、韓国人にとって日本旅行の最大の魅力となっている。次いで「自然や風景」(56.9%)、「安全性」(53.9%)が続き、安心感や快適性も訪日の後押し要因であることがうかがえる。
訪日理由、男性は文化体験 女性は安全性や利便性を重視
性別・年代別に見ると、男性は「伝統的な生活や習慣」「アニメや漫画の聖地」など、日本特有の文化体験への関心が高い傾向があり、特に20代男性では「アニメ聖地巡礼」の割合が62.5%に上った。
一方、女性は「安全性」や「交通の便」「SNS映え」など、旅行の快適さや見た目の印象を重視する傾向が見られた。30代女性では「安全性」を重視する割合が高く、50代女性では「自然や風景」への関心が最も高かった。
▶海外旅行先として日本を選んだ理由
旅行情報収集、検索エンジンが最多
旅行の情報収集手段として最も多く利用されていたのは「検索エンジン」(65.0%)で、次いで「SNS」(47.3%)、「旅行情報サイト」(45.0%)が続いた。属性による差も見られ、検索エンジンの利用は男性50代(76.0%)や高年収層(1000万ウォン以上:74.4%)で特に高かった。SNSは20~30代など若い層ほどよく利用されている。
「旅行情報サイト」は中高年層での利用が目立ち、女性40代(60.0%)、男女50代(男性:54.0%、女性:62.0%)で高かった。これらの層では、網羅性や信頼性を重視する傾向があると考えられる。
高所得層の旅行情報収集、サイト・口コミ・紙媒体まで幅広く活用
年収が上がるほど情報収集手段の利用率は全体的に高まり、特に高所得層では複数の媒体を併用する傾向が顕著だった。月収1000万ウォン以上の層では、旅行情報サイト(69.2%)、知人・友人(53.8%)、アプリ(30.8%)、旅行雑誌・ガイドブック(33.3%)、観光パンフレット(28.2%)といった項目で、いずれも全体平均を大きく上回った。
出典:株式会社アスマーク調べ「韓国から見た『海外旅行先』で人気のエリアを調査」
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