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大阪・関西万博、奈良公園が訪日客の滞在先1位に 関西周遊傾向強まる
2025.06.16
やまとごころ編集部訪日外国人観光客向けナビゲーションアプリ「Japan Travel by NAVITIME」の利用データをもとに、株式会社ナビタイムジャパンが大阪・関西万博開幕から1ヶ月間(2025年4月13日〜5月12日)の訪日外国人旅行者の滞在・来訪状況を分析し、その結果を発表した。なお、万博会場の敷地内で、30分以上連続してGPSデータを測位した旅行者を滞在者として集計。
調査から、滞在時間帯やパビリオン訪問傾向、市区町村別の周遊状況や、万博とあわせて訪れている人気スポットなどが明らかになった。
万博滞在は11時~14時が中心、国籍別にピーク時間帯に違い
万博会場への滞在は、開場時間である9時から22時の間に集中し、特に11時台から14時台、17時台に滞在者数が増加する傾向が確認された。17時以降の滞在者数も一定数存在し、16時以降に入場できる夜間券を利用する人の存在が推察できる。
地域別に見ると、アジアからの旅行者は、11時〜17時台は滞在数が横ばいで、なかでも、14時台、17時台がピークであった。アメリカからの来場者は12時〜16時台に滞在が集中し、17時以降は大きく減少する傾向が見られ、欧州からの来場者は12時台にピークがあり、以降はゆるやかに減少した。
なお、会場への移動手段では、行き帰りともに80%以上の訪日外国人旅行者が鉄道を利用していた。特に帰路では鉄道利用者の割合が高く、東ゲートからの利用が多いと推察される。
タイ・フランスは自国館重視、米国は回遊型で施設滞在
訪日客のパビリオン来訪状況については、タイ、米国、フランスの3カ国を対象に分析が行われた。
タイからの旅行者は、自国のタイパビリオンへの滞在が最も多く、次いで「よしもと waraii myraii館」「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」「日本館」「リングサイドマーケットプレイス西」なども訪れていた。
フランスからの旅行者も、自国のフランスパビリオンに加え、これらと同様の施設を訪れる傾向が見られた。
米国からの旅行者は、会場内を幅広く回遊しており、特にコモンズ-A館やUAEパビリオンへの滞在が目立った。
アジアは関西の短距離中心、欧米は広域で地方へも周遊
訪日外国人旅行者の周遊状況を地域別に分析したところ、アジアからの旅行者は関西圏を中心に周遊し、大阪市と京都市間での移動が多かった。
米国からの旅行者は東京23区、京都市、大阪市を巡るゴールデンルートを周遊する人が多かったが、欧州からの旅行者はゴールデンルートに加え、広島や金沢市、高山市などへの滞在も見られた。
万博とセットで奈良・京都へ 奈良公園が滞在先1位
万博とあわせて訪日外国人旅行者が滞在したスポットのランキングでは、奈良公園が1位となった。大阪市や京都市の主要な観光・商業施設も複数ランクインし、万博のみならず、関西圏での周遊傾向が強いことが示された。
万博が訪日客の滞在を一極にとどめるのではなく、関西各地への周遊を促していることが示された。自治体や観光事業者にとっては、万博を契機とした広域周遊ルートの提案や、万博とのセット訴求を強化する好機となる。
出典:株式会社ナビタイムジャパン「訪日外国人旅行者の大阪・関西万博の滞在・来訪動向を分析」
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