インバウンドコラム

【世界の動きまとめ】政府、4カ国タイ・ベトナム・豪・NZへの入国規制緩和を検討へ。アフターコロナに行きたい国「日本」

2020.05.31

印刷用ページを表示する



日本政府が入国規制緩和の検討に入ったことが明らかになった。中国と韓国は今回の緩和には含まれない見込みだが、そんな中国で現在話題となっている「リベンジ消費」の傾向は、旅行にも現れている。「新型コロナウイルスが収束した時、行きたい国は?」の調査結果などと共にお伝えしていく。

 

入国規制緩和、まずは4カ国からスタート

日本政府は現在、111カ国からの入国を拒否、その他の国と地域からの入国者に対しては日本への入国後の14日間の行動制限を求め、全世界を対象とした入国制限の措置をとっている。往来再開を望む声が企業関係者から高まる中、タイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国を入国規制緩和の第1弾とする方向で検討に入ったことが明らかになった。これらの4カ国はいずれも感染が落ち着きを見せている。

緩和の時期については、まだ明らになっていないが、まずはビジネスでの往来から再開される見通し。自国を出国前にPCR検査を実施して得た陰性証明書の提出と、日本に到着後にも再度検査を実施し、陰性を確認した上での入国を認める仕組みを想定しているという。一方、すでに日本に緩和を打診していると報じられている中国や韓国は、第2弾以降になると見られる。

 

日本人137人がチャーター便で武漢へ戻り、職場復帰

新型コロナウイルス感染症患者が最初に数多く確認された中国湖北省武漢市では、厳しい都市封鎖(ロックダウン)が1月23日より4月8日まで実施されていたが、現在は状況が落ち着き生産活動も本格化している。現在、日本-中国間の往来は許可されていないが、27日、一時帰国していた日本人駐在員ら137人がチャーター便で武漢へ戻った。現地日系企業が現地当局と交渉し、経済活動の再開を加速させたい中国側も入国を認めた。

 

自粛の反動から「リベンジ消費」に湧く、中国

一足先に新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いた中国では、外出制限から解き放たれた反動で購買意欲が高まる「報復性消費リベンジ消費」が話題となっている。

メーデー連休期間中、上海市では政府の呼びかけでショッピング祭が開催され、販促イベントを実施した上海新世界大丸百貨店は前年比 65.51%増の6069.5万元(約9.1億円)を売り上げるなど、消費も好調だ。

国内旅行に出かける人も多く、労働節に伴う5月1~5日の連休期間中に延べ1億1500万人が国内を旅行したことは、すでに当コラムでも紹介。中国メディアの頭条新聞は、微博(ウェイボー)の投票機能を使い、連休期間中のリベンジ消費額についてアンケートを実施。この期間の国内観光旅行収入が475億6000万元(約7115億円)だったと伝えている。

また、この時期の国内観光旅行の特徴として、高級ホテルから先に予約が埋まったことを伝えた、中国オンライン旅行最大手のトリップ・ドットコム・グループ(携程集団・Trip.com Group)は、コロナ自粛で抑えられていた旅行意欲の反動ではないかと分析している。

 

中国のトリップ・ドットコムが、ヨーロッパの有力OTAを買収

トリップ・ドットコム・グループが、ヨーロッパの有力OTAである「Travix」を買収したことが明らかになった。オランダ発のTravixは、オーストラリア、ドイツ、シンガポール、英国、米国など39カ国で事業を展開しており、航空券やレンタカーの格安予約サイト「Vayama」「Vliegwinkel」、「CheapTickets.nl」など5つのブランドと43のウェブサイトを傘下に持っている。今回の買収により、これまで中国を中心に活動してきた同グループが旅行業界において存在感を増すのは間違いない。

そんなトリップ・ドットコム・グループのCEOの孫潔氏は、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)の副会長も務めており、現在WTTCが新しい旅の基準として作成している「旅のニューノーマル(Travel in the New Normal)」の実行計画に、同グループも参加することを発表している。

 

「アフターコロナに行きたい国はどこ?」でダントツ人気の日本

ペイサー株式会社が中華圏を対象に実施したアンケートによると、感染症が終息したら「日本に旅行したいか?」の問いに対して、中国人95.5%、台湾人88.8%が「行きたい」と答えている。

日本インバウンド・メディア・コンソーシアム(JIMC)では、新型コロナウイルスによるインバウンド市場への影響を把握するため、中国や台湾、香港で訪日旅行に関する緊急意識調査を実施している。「新型コロナウイルスの収束後に行きたい国は?」という質問に対して、中国で「日本」と答えた人の割合は44%でトップで、2位の「タイ」(12%)を大きく引き離している(WeChatユーザーを対象に実施した145名にアンケート)。

台湾でも、「日本」を選んだ人が64%で、ヨーロッパや韓国、タイを大きく引き離してトップ(台湾のインターネットユーザー450名にアンケート)。香港での調査結果も「日本」と答えた人は692票と、2位の「台湾」(207票)を大きく引き離してトップとなっている(SNSユーザーと旅行関係者中心とした872名にアンケート)。

タイでも、薬局チェーンのワトソンズがタイ国内に住む4,000人の女性を対象に実施した「新型コロナウイルス感染症の収束後にしてみたいこと」に関する調査によると、「新型コロナ感染症の収束後にしてみたいこと」では、「国内旅行」が1位で、「買い物」「外食」「海外旅行」の順になっている。行きたい海外旅行先としては、日本が53%で圧倒的な1位で、2位の韓国(15%)と3位の英国(9%)との結果に。これらの調査からは、中国、台湾、香港、タイの人々の依然と変わらぬ訪日旅行への意欲の高さが見て取れる。

 

やまとごころでは、重点20市場における入国規制の状況を一覧にまとめています。
詳細はダウンロードしてご覧ください。

各国・地域の入国規制まとめ

 

※最新版も更新されました
7/7 更新【新型コロナ:各国入国規制まとめ 】

 

 

 

最新記事