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コロナ後のビジネストラベル、レジャーに後れも回復見せる。2023年の動向は?

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コロナ後の世界では、景気後退にもかかわらず、ビジネストラベルの回復が続いている。スペインの旅行調査会社フォワードキーズ(ForwardKeys)が最新の航空券発券データをもとに発表した。また、航空会社や空港がアジアとの航空路線の立て直しに躍起になる中、東欧のある空港が欧州や北米へのゲートウェイとしての地位を確立していると伝えている。
(図版出典:ForwardKeys)

 

2023年、ビジネストラベルは回復力を示す

コロナ禍で先行きが不透明だったビジネストラベルだが、下の図にあるように、レジャートラベルより多少遅れ気味ではあるものの順調に回復を続けていることがわかった。これは空港の小売店、免税店、ブランドにとって朗報と言えるだろう。なぜなら、ビジネスの旅行者は空港で高級品を購入する重要な客層だからだ。

▶︎ビジネストラベルとレジャートラベルの回復状況(2022年1月〜2023年3月:2019年比)
 ビジネストラベル=オレンジ レジャートラベル=ブルー

ヨーロッパの域内でのビジネストラベルはすでに2022年に復活しており、次はアジア太平洋地域からのビジネストラベルが回復する番だと言われている。とくにアジアの中でも日本は、レジャーと比較してもビジネストラベルの方が回復力があるという。データによると、日本からのビジネス客を惹きつけるヨーロッパの空港はフランクフルト、パリ、ロンドン、イスタンブールだが、イスタンブール空港では2023年第1四半期は13%増と好調を示した。予約の90%以上は、日本からイタリア、ドイツ、フランス、スペインへの乗り継ぎだった。

「イスタンブールが注目される点は2つある。1つは座席数が2019年のレベルの74%を超えるまでに回復していること、もう1つは日本からドイツやフランスへの直行便と比較した場合、航空運賃が安い点だ」と、ForwardKeysのインサイト部門長のオリビエ・ポンティ氏は説明する。

また、中国の旅行制限が緩和されたことで、こちらもビジネス客の回復が期待できる。第1四半期の旅行予約によると、海外旅行をする中国人の一人旅のシェアは2019年の25%から40%に増加しており、プレミアムクラスを利用する乗客のシェアは10%から17%に増えているという。

 

コロナ後の旅行動向、長距離旅行、滞在期間が延びる傾向

コロナ禍を経て、旅行者の行動は変化した。これから示すアメリカからヨーロッパへの旅行やインドからのアウトバウンドの例でわかるように、空港での乗り継ぎにもこれまでにない動きが見られる。

第1四半期、アメリカの旅行者はリスボン(対2019年比106%増)、コペンハーゲン(同68%増)、イスタンブール(同62%増)へのフライトを多く利用した。さらに、1回の旅行での滞在時間が長くなり、複数都市を周遊する休暇も増えている。アメリカからの目的地ペアのトップは、イギリスとフランス、フランスとイタリアで、これまでと変わらないものの、デンマークとスウェーデン(同127%増)、ポルトガルとスペイン(同116%増)、トルコとギリシャ(同32%増)といった新しい組み合わせも生まれている。

また、長距離旅行の回復が進むインドでは、旅行者がこれまでとは異なる、新しい旅程を試そうとしている。例えば、インドとポーランドのワルシャワ空港を結ぶ新しい航空路が整備されたことで、ワルシャワ空港では、パンデミック前と比較してアメリカやヨーロッパの主要都市を目指すインド人旅行者が前例のない3桁の伸びを記録しているのだ。

 

空港での滞在長期化により、ショップでの消費の伸びにも期待

ビジネストラベルの増加で免税店などが恩恵を被るという話は前述したが、2023年が空港の小売業者やブランドにとって大きな利益を生む年になるかもしれないもっと単純な理由もある。それは人々が空港で過ごす時間が長くなるからだ。

2時間以内の短時間の乗り継ぎのシェアは、2019年の44%から2023年には37%に減少する。つまり、空港での滞在時間が以前と比べて伸びるわけだ。また、旅行者の多くは、予期せぬアクシデントを避けるために、空港で過ごす時間を長めに取る傾向にある。つまり、いずれの場合も空港の設備やショップを楽しむ時間が増え、そうなればお金を使う機会も増えるだろう。

▶︎空港滞在時間が伸びると空港内のショップは儲かる?

 

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