データインバウンド
中国人に聞く行きたい旅行先1位は日本、ショッピングのニーズ大。買いたい商品ナンバーワンは?
2023.04.10
やまとごころ編集部出遅れていた中国からの訪日客が徐々に増えそうだ。JALやANAが夏ダイヤでの中国路線再開や増便を発表。さらに、4月5日からは中国から入国する者にそれまで義務付けられていた出国前72時間以内の陰性証明が不要となり、新型コロナのワクチン接種3回以上のみと条件が緩和された。
ところで、この3年間で中国人の旅行意識は変わったのだろうか。中国へのマーケティング支援を行う株式会社ENJOY JAPANが中国在住の中国人に対して、3月13日~19日まで行ったWEB調査の結果を発表した。有効回答数1140名で、年齢は18~49歳となっている。
人気の旅行先トップは日本、コロナ禍で訪日意欲高まる
まず、海外旅行で行きたい国を尋ねたところ、76%が日本を挙げた。ついで人気なのはシンガポール、カンボジア、マレーシアなど東南アジア諸国だった。2019年の調査(JNTO訪日旅行誘致ハンドブック2022による)ではタイが一番で日本が2位だったことを考えると、この3年間で日本旅行への渇望があったことがよく伺える。
▶︎どの国に旅行したいですか? ※複数回答可、N=1140
▶︎(参考)2019年JNTO調査(2019年中国人出境旅行先、JNTO訪日旅行誘致ハンドブック2022)
旅行目的はショッピング、日本の化粧品が人気
次に、日本へ行きたいと答えた人に旅行目的を聞いたところ、買い物が過半数を占め、日本でのショッピングは相変わらず魅力があることがわかる。グラフの2017年調査(JETRO調査)と比べて見ると、歴史・伝統、自然への興味関心が高まり、テーマパークが減少している。
▶︎日本への旅行目的に関する今回調査(N=871)と、2017年JETRO調査(N=1044)との比較
日本で買い物をしたいと答えた人に、購入したい商品について尋ねたところ、化粧品・香水が1位(49.8%)、次いで菓子類(44.8%)、健康グッズ・トイレタリー(25%)となった。2019年の観光庁の訪日旅行の消費動向調査で購入したものの1位、2位も今回の調査と同じだった。引き続き人気のある商品であることがわかる。
▶︎購入したい商品は何ですか? ※複数回答可、N=871
また、買いたいと思う化粧品のブランドについて尋ねると、資生堂商品の購買意向が54.1%と最も高い結果となった。次いで、コーセー(39%)、花王(37.2%)となっている。欧米の有名ブランドの名前も挙がっているが、日本のブランドに比べると少ない。また、コロナ前に比べると、越境ECの台頭で自国にいながらも海外製品を購入できる環境は整ってきているものの、訪日するからには日本のブランドを購入したいという意向があると見て取れる。
▶︎購入したい商品の企業名・ブランド名 ※複数回答可
今回の調査結果から、コロナ禍を経てもなお、中国人の日本旅行熱の高まりと、ショッピングへのニーズが高いことが分かった。現時点では、中国からの観光目的での訪日ビザ発給に制限があるため、訪日したくてもできていない層が多数いる。ビザ発給の本格再開が進めば再び多くの中国人観光客が日本を訪れるだろう。
最新のデータインバウンド
アジア太平洋の航空旅行、日本発着路線が旺盛。2025年は韓国ーベトナム、インドーUAEが急成長 (2024.12.23)
【訪日外国人数】2024年11月訪日客数318万7000人、累計数3337万人で年間過去最高を更新 (2024.12.19)
2024年アジア太平洋地域の消費トレンド、クレカ支出の3割超が旅行費用に。ミレニアル世代の支出旺盛 (2024.12.17)
世界のトップ100都市デスティネーション・インデックス2024発表、1位はパリ。3位にランクインした東京の評価ポイントは? (2024.12.12)
2024年1-9月の国際観光客数11億人突破、観光収入も大幅増。欧州などで2ケタ成長ーUN Tourism (2024.12.09)
観光立国タイの新たな一歩、同性婚法制化が年3000億円の観光収入増と予測。雇用増への影響は? (2024.12.05)
【宿泊統計】2024年9月外国人延べ宿泊者数2019年比49.8%増の1238万人泊。金沢への注目高まる石川県が伸長 (2024.12.02)
障がいを持つ人の訪日旅行に対する期待と現実の差が明らかに、正確な情報発信も課題に ーアクセシブルツーリズム調査 (2024.11.29)
航空機利用の旅行者が求める空港体験の効率化、生体認証も5割が経験ー2024年 IATA旅行者調査 (2024.11.25)