データインバウンド
航空運賃高止まりでもアジア人気続く、アメリカからのトレンド旅行先トップ2上海と大阪ー北米OTA Hopper調査
2024.08.27
やまとごころ編集部OTAのHopperが2024年第3四半期の消費者旅行指数を発表した。今後数カ月の航空運賃、ホテル、レンタカーの見通しをレポートしている。ここでは海外旅行需要の状況についてお伝えする。
Hopperは、2007年にカナダ・モントリオールで創業したOTAで、「プライス・フリーズ/価格凍結」という革新的なサービスで注目を集めた。このサービスでは、ホテルや航空券の価格を最大21日間凍結できる仕組みで、ユーザーは価格上昇のリスクを回避しつつ、下がった場合は安価で予約が可能となる。Hopperはこの柔軟な価格保証によって、特にミレニアル世代やZ世代から支持を受け、アメリカでのダウンロード数は1億2000万件を超えた。2023年上半期には米国のOTA市場で13%のシェアを占め、ExpediaやPricelineに次ぐ第3位のポジションを確立している。
2024年後半も旅行意欲は旺盛
さて、この夏、アメリカでは旅行需要が記録的な高まりを見せたが、夏休みが終わり人々が学校や職場に戻ると、旅行はショルダーシーズンを迎える。夏のピーク時と年末年始の旅行繁忙期の間に位置するこの時期、予約は低調であるため、スケジュール的に柔軟性のある旅行者は、より低価格でよりお得なプランを選ぶことができそうだ。
データによると、Hopperユーザーの93%が今後6カ月以内に旅行を計画しており、約半数はバケーションへ、さらに27%は友人や親戚を訪ねる予定だと答えている。 景気後退の懸念が渦巻く中でも、Hopperユーザーは2024年下半期も旅行への出費を続ける予定だという。 半年以内に旅行を計画しているHopperユーザーの86%が、昨年と同じ(31.2%)かそれ以上(54.5%)の旅行費用をかけると答えている点に注目したい。
アジア方面は航空運賃高止まりも人気高く
国際線運賃は、コロナ禍後の需要の急速な回復、燃料価格の高騰、供給の制約により、2年間にわたり高騰していたが、ここに来て改善してきている。アメリカから、 カナダ、アンティル諸島(カリブ海)、ヨーロッパ、南米、オセアニアへのこの秋の運賃は、需給のバランスが回復したため、すべて2019年の水準を下回った。一方、 アジアへの運賃は、コロナ禍後に需要が供給を上回る状況が続いているため、2019年比36%増の平均1166ドル(約16万9000円)で、依然として高止まりしている。
また、宿泊需要に関しては、この時期に人気の高いヨーロッパの都市に集中しており、特に、ロンドン、パリ、マドリード、ローマ、バルセロナの人気が高い。
トレンドの旅行先はアジアとヨーロッパ
アメリカ人旅行者にとっては、アジアは依然として最も注目の地域だ。現時点では、航空運賃が上海で1364ドル(約19万8000円)、大阪で1145ドル(約16万6000円)と高額にもかかわらず、 この2都市が海外旅行先のトレンドのトップ2となっている。大阪を目指す訪日客は多く、2024年上半期の関西国際空港の国際線外国人旅客数は910万人(2023年同期比70%増)で、2019年の873万人を抜いて過去最高となった。
その他の海外旅行先としては、ニース、ミュンヘン、チューリッヒ、ウィーン、ベネチア、マドリードといったヨーロッパの定番都市が注目されている。
下の表には各都市の平均宿泊費も掲載されているが、アジアへの航空運賃はヨーロッパと比べると1.5〜2倍近くするものの、宿泊費はアジアの方が比較的安く、予算が同じであればアジアの方が長期旅行に向いているともいえるのも、人気の要因の1つではないだろうか。
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