データインバウンド

2026年1月の訪日客数359万人、4年ぶりにマイナス。韓国で初の単月110万人超え、中国は6割減

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日本政府観光局(JNTO)が発表した2026年1月の訪日外国人旅行者数(推計値)は359万7500人で、前年同月(2025年1月)比4.9%減だった。単月で前年同月比がマイナスとなるのは、2022年1月以来。中国の大幅な減少に加え、2025年は1月下旬から始まった旧正月(春節)休暇が、2026年は2月にずれたことが影響したとみられる。

訪日客数26年1月(25年比)

訪日外客数月別推移(26年1月)

 

スノー需要の高まりが見られる2026年1月、韓国・台湾・豪州で単月最高を更新

1月は、多くの市場でスノーシーズン需要の高まりが見られ、東アジアでは韓国と台湾、東南アジアではタイとインドネシア、欧米豪ではアメリカとオーストラリアを中心に増加が見られた。

また、韓国、台湾、オーストラリアでは単月として過去最高を更新。さらに、17市場(タイ、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、米国、カナダ、メキシコ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ロシア、北欧地域、中東地域)で1月として過去最高を記録した。

 

市場別動向、韓国117万人で初の単月110万人超。中国は60%減

市場別に見ると、東アジアでは韓国が最多で117万6000人(前年同月比21.6%増)となった。スクールホリデーの影響や、釜山~福岡線の増便をはじめとする航空座席数の増加などにより、単月として過去最高を記録した。なお、全市場を通じて単月で110万人を超えたのは初めてのこと。

次いで台湾は69万4500人(同17.0%増)となった。韓国と同様に、スクールホリデーや航空座席数の増加が寄与し、単月として過去最高を更新した。

一方、中国は同60.7%減の38万5300人だった。2025年11月以降続く日本渡航に対する注意喚起の影響(2025年12月の訪日客数は前年同月比45.4%減の33万400人)に加え、前年は1月下旬から始まった旧正月が2026年は2月中旬となったことも影響したとみられる。

香港も中国同様、旧正月の時期がずれた影響に加え、前年同月と比べて航空座席数が減少したことを受け、同17.9%減の20万人となった。

26年1月訪日客数(市場別)

東南アジアでは、タイが11万5100人(前年同月比18.9%増)、インドネシアが7万4000人(同17.0%増)と好調で、いずれも1月として過去最高を記録した。タイは冬季の日本人気に加え、2025年12月のバンコクー仙台線の復便や、新千歳、成田、関西空港線の増便が影響したとみられる。インドネシアでも冬季の日本人気に加え、イスラム教の断食期間前の旅行需要の高まりが寄与した。そのほか、インドも同14.3%増の1万8500人と順調に推移し、1月として過去最高を記録した。

一方、マレーシアは同3.3%減の7万2500人。旧正月やスクールホリデーの時期がずれ込んだことに加え、査証免除措置を背景とした訪中旅行の人気が影響したとみられる。

欧米豪では、アメリカをはじめ多くの市場で1月として過去最高を更新した。アメリカは、1月は訪日需要が落ち着く傾向にあるものの、前年同月比13.8%増の20万7800人となった。ウィンタースポーツ目的の訪日需要の高まりや祝日の影響があったとみられる。

オーストラリアも、ウィンタースポーツ目的の訪日需要の高まりや、12月下旬から始まったスクールホリデーの影響などにより、同14.6%増の16万700人と順調に推移し、単月として過去最高を記録した。

伸び率では、ロシア(9800人、同98.7%増)、メキシコ(1万5300人、同64.0%増)、ドイツ(1万8300人、同43.7%増)が目立った。

このほか、北欧地域は1万1800人(同28.5%増)、中東地域は1万7500人(同47.4%増)で推移し、いずれも1月として過去最高を記録した。

 

日本人出国者数107万人、前年同月比17.6%増と堅調

2026年1月の日本人出国者数は107万2600人で、前年同月比17.6%増となった。2025年は毎月前年同月比を上回って推移しており、2026年1月もその伸びをさらに上回る結果となるなど、堅調さが続いている。今後もこの傾向が続くかが注目される。

 

【編集部コメント】

前年比減少でも悲観は早計、訪日需要の構造変化に着目

2026年1月の訪日客数は前年比4.9%減という結果であるが、背景の一つには旧正月の時期ずれがある。その一方で、韓国の単月110万人超、台湾やオーストラリアの単月最高更新、欧米・中東市場の伸長など、訪日需要の裾野は確実に広がっている。中国の60%減は変動リスクを改めて浮き彫りにしたが、それは同時に市場多角化の進展を示す材料でもある。伸びている市場の共通項は何か。自社・自地域の強みが響く層はどこにいるのか。数字の背後にある旅行動機まで踏み込み、戦略の解像度を高めていきたい。

*JNTOによる訪日外国人とは、法務省集計による外国人正規入国者から、日本を主たる居住国とする永住者等の外国人を除き、これに外国人一時上陸客等を加えた入国外国人旅行者を指す。駐在員やその家族、留学生等の入国者・再入国者は訪日外国人数に含まれるが、乗員上陸数は含まれない

(出典:日本政府観光局 訪日外客数2026年1月推計値

 

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