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京都の「おもてなし」について今後の方向性を共有するセミナーが東京で開催された

2015.02.03

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出典:やまとごころ.jp

昨年7月,世界で最も影響力を持つ旅行雑誌の一つである「Travel + Leisure(トラベル・アンド・レジャー)」誌の「ワールドベストアワード2014」において,京都市が世界一の観光都市に選ばれた。

2012年が9位、2013年が5位、そして2014年がついに1位となったのだ。

京都市では、Travel + Leisure受賞を契機に、全国の地方自治体や観光関係者の方々と訪日外国人旅行者に対する「おもてなし」について今後の方向性を共有するという。その第1弾として、シンポジウムを1月31日に、東京のイイノホールで開催。多くの業界関係者が参加した。

主賓として観光庁長官の久保成人氏もかけつけ、インバウンドの現状についてスピーチ。

また「我が国のインバウンド政策において京都が果たす役割」と題して、京都市長の門川大作氏が講演した。
門川市長は、役職に女性を積極的に登用するなど、先進的な政策をされる。観光の政策プランとして、100を超える企画を決定した。一方、社会全体が規制緩和に動くなか、屋外広告の規制など、守るべきことにも取り組む。

京都には、モノづくり(物質文化)がある。伝統工芸、京料理から最先端技術まで。
そして、ものがたり(精神文化)がある。源氏物語や京都を舞台にしたもの。
相互に刺激を与え、高めあい、感性や匠の技等が継承される。そこに人づくりがあり、大学がある。
またそれらが、融合、深化して「まちづくり」がある。

そのように、小さな京都盆地を中心に1000年を超えて継続・発展して、現在がると強調。

1999年に京都市基本構想が策定された。
大量生産、大量消費、大量廃棄型の都市文明のあり方に対して、閑居言うとの調和を目指す持続可能な社会をつくっていく。
産業や観光の伸び悩み、工場や大学の市外進出、文化の創造力と発信力の低下、都心の空洞化、風情のある街並みの消失。
こういった課題に対して、
世界があこがれる観光都市を目指す観光政策、京都議定書誕生の地としての環境政策、世界1美しいまちへ、まちの美化総行動(門掃きの復活、年間20万人を超えるボランティア)、全国に類をみない「新景観政策」、大学政策、京都の強みを生かした産業政策。
日本、世界をリードする取り組みを様々に推進。

しかし、観光産業を取り巻く課題もあると指摘。非正規雇用率が高く、75%となる。おもてなしを受け継ぐには、これでは心もとない。このままで大丈夫なのかと懸念。

第2部では、「訪日外国人旅行者2000万人時代の日本のおもてなし」と題してパネルディスカッションがあり、星野リゾート代表の星野佳路氏も議論に加わり、現状を報告。

 

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