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コロナ感染症防止の徹底的対策と共に各業界で営業再開が進む、リアルとバーチャル融合店舗などの動きも

2020.06.05

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首都圏では6月1日に営業を再開する施設も多く、全国的に、withコロナの経済活動が動き始めた。今週のニュースから各業界の動きを追った。

施設の時間貸しに活路を見出す宿泊業

1時間単位からスペースの貸し借りが可能なプラットフォーム「スペースマーケット」によると、時間貸しに活路を見出す宿泊施設が増えているという。6月1日には、星野リゾートと投資銀行ビジネス企業リサ・パートナーズが、宿泊施設の事業継続をサポートし、産業の早期回復を目指す「ホテル旅館ファンド(仮称)」を組成する計画を発表した。

営業再開が始まる小売業、リアルとバーチャル融合店舗へも期待

三越や高島屋など主要百貨店5社が6月1日に発表した5月の売上速報によると、5月中旬からの段階的営業再開を受け、全社共通して回復傾向にあった。フェイスシールド越しの接客や、店内で過ごす時間をできるだけ短縮するための工夫など、百貨店の新たな挑戦が始まっている。6月5日には「ユニクロ 原宿店」がオープンし、休業の影響で実店舗での売上が減りつつも、EC販売を大幅に伸ばしているユニクロの、「リアルとバーチャル」の融合をテーマとした新店舗に期待が集まる。

飲食業に追い風、緊急事態宣言解除後のやりたいこと1位は「外食」

訪日客の減少により、高級食材の需要の落ち込みは続いている。鹿児島県では小中学校の給食で、県産和牛の提供が始まった。逆境にアイディアで立ち向かう動きは止まってはいない。富士五湖駅近くの「らーめん金行」では、コーヒー用カップでテイクアウトできる「ふるふるラーメン」が話題を読んでいる。飲食業界にとって明るいニュースは、主婦に特化した人材サービス『しゅふJOB』のアンケート調査によると、主婦が緊急事態宣言解除後にやりたいことの1位は「外食しに出かけたい」だった。

感染症予防策を徹底したうえで運行を開始させる交通業

緊急事態宣言の全面解除を受け、交通業界は感染予防策を徹底し、乗客を迎える。高松エクスプレスが運行する高速バスでは、業界初のQRコードによる感染者追跡システムが導入されている。感染者が出た場合、同乗者に報告される仕組みだ。千葉県の東関交通は、3蜜を避けるため、少人数で大きなバスを利用するバスツアーを企画した。平成エンタープライズは、2階建オープントップバスの2階席を利用した「首都高スリル体験ツアー」を発表。屋根がないので風通しが良いのが売りだ。

夏シーズンに向け、海や山のレジャーもが本格化

5月25日に発表された山岳四団体による山岳スポーツ再開に向けてガイドラインに基づき、夏のシーズンに向けて山のレジャーが本格的に再始動している。6月3日には観光庁が「訪日外国人等に対する体験ダイビング及びスノーケリングの提供に関するガイドライン」を公表し、感染リスクの少ない屋外で楽しめる、登山やマリンスポーツの存在感が増している。

域内観光促進に向け、自治体主導の施策も

自治体の観光業への支援が始まった。沖縄県は、県民のみが指定事業者を通じて購入でき、最大1万5千円の補助が受けられる「おきなわ彩発見キャンペーン」を実施する。倉敷市は、販売価格の40%以上の特典がついた、前売り宿泊プラン販売『ぼっけぇお得な「倉敷みらい旅」』を開始した。中でも観光に力を入れる自治体が大阪だ。6月1日、観光需要回復に向けたロードマップを示し、大阪観光局とJTBがゴールドバートナー契約を締結した。同観光局は3日、MICE再開に向けたガイドラインも発表した。府内の宿泊施設を利用した場合宿泊費の一部を大阪府と大阪市が負担するキャンペーンも実施される。

なお、海外メディアでは、プール付きの民泊を紹介する記事や、アメリカ国内を車で行く旅の提案をする米雑誌など、よりプライベートに過ごせる夏の休暇のアイディアを示す内容が目についた。

(やまとごころ編集部)

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