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多様性とインクルージョンを軸に「感動地」を表彰、ジャパントラベルアワード受賞者を発表

2022.03.22

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日本の新しい「感動の地」を発見し、発信していくことを目的に行われた「JAPAN TRAVEL AWARDS(ジャパントラベルアワード)」の2022年受賞者が発表された。このアワードは、「観光×ダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(受け入れられ、認められる)」を軸に、ポストコロナにおける観光業を担う取り組みを行っている自治体や観光団体、企業、個人に授与されるもので今回が第1回目。「観光地よりも、感動地」と謳い、世界的な視野を持つ各界のエキスパートを審査員に迎え、グランプリその他のカテゴリーの受賞者を決定した。アワードを主催したのは、株式会社しいたけクリエイティブ。同社は「クリエイティブの力で、世界と日本をつなげる」を軸に、主に欧米豪圏を対象に海外向けの記事や動画、ウェブサイトなどの企画制作などを手掛けている。

福島市でバリアフリー観光に取組む団体が満場一致でグランプリ

グランプリは、「アクセシブル(アクセス可能)部門」で選出された、福島県福島市のふくしまバリアフリーツアーセンターが受賞した。ジャパントラベルアワードが求める「社会を変えたいという情熱」「既成概念にとらわれない勇気」「改革の実現に向けて困難に立ち向かう覚悟」「常に改善し続けようとする意欲」の4点を全てクリアしているとして、満場一致で決定した。「インクルーシブな社会で、世界をより良い場所にしようという意志を感じた」などの、審査員のコメントが寄せられている。なお、アクセシブル観光の情報は全国でまだ整っておらず、受賞者の情報発信力と不安を感じる人へのサービスなどが素晴らしいという理由で、アクセシブル部門でも受賞した。

LGBTQ+部門は大阪のホテルが受賞

「LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クィアー+)+部門」では、大阪市でマリオット・インターナショナルが手がけるホテル W大阪 が受賞した。LGBTQ+の人々が実際に何を求めているかをスタッフ同士で話し合い、サービス全体の向上のための“Queer Me Out”という企画などの取り組みなどが評価された。

他の部門の受賞者は以下の通り。

サステナブル部門(2社受賞)
・HOTEL WHY(徳島県上勝町)
廃材を創造的な形で再利用し活用しているホテル。

・にし阿波〜剣山・吉野川観光圏(徳島県)
地域の事業と密に連携し、地域全体を魅力的なデスティネーションとして発信。

ホスピタリティ部門
・ふふ河口湖(山梨県富士河口湖町)
様々な背景を持つ訪問者を受け入れる姿勢、アクセシビリティにも優れた施設。

ファミリー部門
・ハッピーラフト(高知県大豊町)
3歳から参加可能なツアーから世界トップレベルのラフティング体験まで多言語で催行。

ラグジュアリー部門
<施設・サービス>
・星のや沖縄(沖縄県読谷村)
現代のラグジュアリー旅行者が求める条件をすべて満たすホテル。

<体験>
・石見神楽出張公演(島根県津和野町)
伝統芸能を地域一体となって守り、その喜びを旅行者にも体験してもらう。

審査員特別賞
コミュニティ部門
・仁淀ペンギンズ(高知県いの町)

ディスカバリー部門
・和装カジウラ(愛知県名古屋市)
・自由丁(東京都台東区)

メディア部門 
<Accessible Japan 賞>
・ふくしまバリアフリーツアーセンター

<Wanderlust 賞>
・仁淀ペンギンズ(高知県いの町)

<Japan Wonder Travel 賞>
・特急 あそぼーい!(熊本県・大分県)

なお、ジャパントラベルアワード設立の経緯については以下の記事に詳しいのでぜひご覧ください。
観光プロモーションの新しい在り方を提案、欧米豪市場へは「多様性」の訴求がカギ。ジャパントラベルアワード2022

 

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