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2024年「世界の持続可能な観光地トップ100」発表。7年連続の釜石含む5地域入選、3地域がシルバーアワード受賞

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国際認証団体グリーン・デスティネーションズ(Green Destinations)は、「世界の持続可能な観光地トップ100選2024」を発表した。2014年から毎年開催されており、今年で10回目を迎える。

日本からは長野県千曲市、京都府宮津市、岩手県遠野市、山形県鶴岡市 手向(とうげ)地区、岩手県釜石市の5地域が選出された。宮津市は2年連続、釜石市は7年連続の選出となる。

2024年、新たに選出となったのは3地域。長野県千曲市では、「NEOネオン」プロジェクトが「活気ある地域社会」部門で選出された。同プロジェクトでは、千曲市の戸倉上山田温泉で営業する70軒以上のスナックとレトロなネオン看板を活用し、温泉街のアイデンティティ確立と地域コミュニティの維持を目指している。

遠野市は、独自の「遠野遺産認定制度」の取り組みが、「文化と伝統」部門で入選。同制度は、市民の申請に基づき、地域資源を認定し、保護と活用を推進するもの。現在までに169件が認定されている。

鶴岡市手向(とうげ)地区は、山岳信仰の地として知られる出羽三山神社がある羽黒山などの調査研究とまちづくりが評価され、「文化・伝統」部門に入選した。

国内3地域がシルバーアワードを受賞

また、香川県の小豆島(土庄町、小豆島町)、愛媛県大洲市、岐阜県高山市の3地域が、トップ100選の上位ランクとなるシルバーアワードを受賞した。トップ100選の審査では、観光地管理、自然と景観、文化と伝統等に関する基準の中から1年目に15項目、2年目では30項目を満たす必要がある。一方シルバーアワードでは、持続可能な観光に関する84項目の国際基準のうち、70%以上の取得が必要となる。

2024年にシルバーアワードを受賞した小豆島は「文化・伝統」と「社会福祉」の分野で高評価を受けた。小豆島のように土庄町と小豆島町、2つの自治体にまたがっての受賞は日本で初となる。大洲市では、以前から評価を受けている城下町の町並みや古民家を活用した滞在型観光への取り組みに加え、再生エネルギーや新たなモビリティーなどが評価を受けた。

2024年の「世界の持続可能な観光地トップ100選」には45か国から170件以上の応募があり、その中から32カ国の100地域が選ばれた。12月にはチリで授賞式が開催れる。また、2025年3月に開催されるITBベルリンで、トップ100選の中から、「グリーン・デスティネーションズ・ストーリー・アワード」が選出される予定だ。

 

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