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免税制度見直しを控え、中国人旅行者の免税店での買い物動向調査。レジに並ぶ時間の限界は?

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インタセクト・コミュニケーションズが、中国10都市在住の中国人600人を対象に「訪日旅行時の免税購入に関する調査」を実施し、その結果を発表した。日本政府が外国人旅行者向け免税制度の抜本的な見直しを検討していることを背景に、免税購入を頻繁に行う中国人インバウンドの最新動向を把握することを目的として行ったもの。調査期間は2024年10月9日〜11日。対象者600名の内訳は、男性288人、女性362人で、18〜40歳が8割以上を占める。テンセント社提供のアプリ「WeChat」のアンケート機能を利用して調査が行われた。

行列が原因で購入を諦めた人、半数以上に

日本旅行の際に免税店で商品購入をしたことがあるか、と聞くと、「ある」が全体の67.5%となった。男女比で見ると、男性41.0%、女性59.0%で女性が多い。続いて購入の際、レジなどの待ち時間が長く購入を諦めたことがあるか、と尋ねると、「ある」が54.8%で半数以上に。男女比は同じくらいという結果になった。

免税店で購入を諦めた場合にとる次の行動を聞いたところ、「一旦並ぶのをやめ、店内で他の商品を見ながら様子を見、空いていたら並ぶ」が全体の40.2%で一番多かった。男女別の結果でも男性38.7%、女性41.2%でそれぞれ多数を占めている。「違う時間帯に同じ店で買う」と回答した人も合わせると全体の54.3%が、行列が短くなった時に希望の店舗で買い物をするようだ。しかし、「買うのを諦めて他店で買う」も28.5%存在し、3割弱の人が行列を理由に他店に流れてしまうこともわかった。

空港の免税店では「時間」との戦い

レジの行列でどのくらい待てるかについて、昼間、夜間、帰国時の空港の3つのシーンに分けて質問したところ、昼間と夜間の回答に大きな差はなく、4割近くの人が10分より長くは待てないと回答した。「20分以内」は待てると回答した人は、昼間と夜間どちらも21%前後、「30分以内」は待てるとの回答も26〜28%ほどだった。

帰国時の空港では、許容時間が短くなり、「待てない」〜「10分以内」は54.2%と半数以上を占める。「20分以内」の回答も加えると全体の75.5%となり、行列に20分待てない人が多数を占めることがわかった。

購入時の行列が長く、購入を諦めた場所について聞くと「羽田空港」が30.2%でトップに。次いで「百貨店」27.7%、「スーパー」26.5%、「成田空港」23.8%、「関西国際空港」が17.5%、「新千歳空港」が16.5%と続いた。

 

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