データインバウンド
企業のインバウンド対応状況を調査。訪日客受け入れ過半数は前向きも、課題は「外国語対応」
2018.11.05
刈部 けい子日本政策金融公庫が行なった日本企業へのインバウンド対応に関するアンケート調査結果で、過半数の企業が、外国人観光客の受け入れに前向きの姿勢を示していることがわかった。
訪問面接による調査は2018年6月中旬に行われ、47都道府県の3,120企業(内訳は多い順に飲食業、美容業、理容業、クリーニング業、ホテル・旅館業、食肉・食鳥肉販売業、公衆浴場業、氷雪販売業、映画館)から回答を得たもの。
3割近くが外国人観光客の増加を実感、西日本エリアで増加の傾向大
1年前と比べて自店の属する地域で見かける外国人観光客の増減では、27.8%が増えたと回答し、前年調査を3.4ポイント上回った。地域別では北陸、北近畿、南近畿、四国、南九州で全国の割合を大きく上回った。
また、外国人観光客の「利用がある」と回答したのは37.2%で、前年調査を3.0ポイント上回った。業種別で「利用がある」の割合は、ホテル・旅館業、公衆浴場業、飲食業の順に高い。国籍・地域別では多い順に中国(65.5%)、韓国(53.1%)、台湾(45.0%)、アジア(中国、韓国、台湾、香港を除く/34.1%)、北米(29.2%)、ヨーロッパ(27.8%)、香港(22.8%)で、ヨーロッパを除くといずれも増えている。
外国人観光客の受け入れにより売上が「増えた」のは16.5%で、業種別で「増えた」と回答した割合は、ホテル・旅館業(23.6%) 、飲食業(17.9%)、食肉・食鳥肉販売業(14.3%)の順に高い。
外国人観光客の集客に取り組む企業は25%、Wi-Fi、多言語対応、決済など幅広く
外国人観光客の集客に向けた取り組みを「実施している」のは全体の25.8%で、ホテル・旅館業(70.6%)、公衆浴場業(40.7%)、飲食業(30.7%)の順に高い。
外国人観光客の集客に向けた具体的な取り組みで効果的なものとしては、「Wi-Fiなどインターネット接続環境の整備」「メニューや施設内の案内等の外国語表記の実施」「多言語でのパンフレット、コミュニケーションツールの作成」「クレジットカード決済の導入」が多かった。
今後の外国人観光客に対する方針では、「積極的に受け入れていきたい」「受け入れてもよい」の合計が56.9%となり、過半数が受け入れに前向きな回答をしている 。
その上で、課題をあげてもらうと、グラフのように「外国語対応」に関する課題が多くあがった。「できれば外国人を受け入れたくない」と回答した企業の受け入れたくない理由の1位が、「外国語がわからない、話せない(わかる、話せる人がいない)」だったこともあり、外国人観光客受け入れにおける語学対応の重要性が改めて浮き彫りになった。
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また、取り組み事例の中で「外国語対応」に絞って見ていくと、「メニューや食べ方などの案内を外国語で作成」「スマホの多言語アプリをダウンロードして活用」「多言語の館内案内を作成」「ホームページの多言語化」などを実施した企業が多かった。
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