データインバウンド
2022年版国際会議開催件数、3年ぶりに発表。 国別トップはアメリカ、都市別トップはウィーン
2023.05.29
やまとごころ編集部ICCA(国際会議協会)が2022年の世界の国際会議開催件数を発表した。前回のランキングから2年の空白があるが、ICCAは2022年末に会議の85%が対面式で開催されているのを確認し、通常のランキング形式に戻すと決定した。
世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの感染拡大による「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」宣言を5月初めに終了すると発表したばかりで、今回のランキング発表は国際会議にとって平穏な日々が戻ってきたことを示す形になる。
ランキングは国・地域別と都市別に分かれており、いずれもコロナ禍における渡航規制が早めに解除された欧米の国や都市が上位を占めた。国別で2019年に8位だった日本は12位に後退。都市別で東京は10位から41位に後退した。
2022年に世界で開催された国際会議の総数は約9000件で、過去最高を更新した2019年の1万3254件には及ばないものの、順調に回復していると言えるだろう。
国別1位は21回連続でアメリカ
開催国・地域ランキングでは、2019年まで20年間不動のアメリカが2022年も1位をキープした。開催件数は2019年の934件から690件と3割弱の減少となっている。
2位以下では、前回トップ10のうち7カ国は圏内を維持し、スペイン、イタリアは前回2位のドイツを退けて、2、3位に浮上。また、中国(2019年7位→26位)と日本がトップ10圏外に落ちたのに対し、ベルギーとカナダがそれぞれ14位と11位から9位、10位にランクアップした。ちなみに2019年の日本の開催件数は527だったので、2022年は6割弱の減少だった。
都市別でアジア勢後退、東京は41位
都市別ランキングではオーストリアのウィーンが162件開催でトップ。次いでポルトガルのリスボンが前回に続き2位を維持し、2019年1位だったパリは3位に後退した。以下4位から11位ダブリン、12位コペンハーゲンまで欧州が続き、13位がアジアトップのシンガポール(2019年7位)、18位タイ(同15位)がアジア2位のソウルだった。
前回10位(アジア2位)だった東京はヨーテボリと同位の41位に後退。開催件数も2019年の131件から39件に減少した。そのほか、日本の都市でランクに入ったのは下の表の通りだ。
ICCA統計の国際会議の基準は少なくとも3カ国以上での会議持ち回り、50名以上の参加者、定期的開催等、厳しいものとなっているが、世界全体の国際会議開催状況を把握する統計として注目されている。
なお、現時点で確認されている2023年の開催件数は多い順に、アメリカ(782件)、イタリア(574件)、スペイン(565件)、ドイツ(537件)、フランス(509件)、イギリス(500件)、日本(359件)となっている。
*ICCA(International Congress and Convention Association)本部がアムステルダムにある非営利の業界団体で、国際会議の開催状況を収集・発信している。世界約100カ国、 約1100の業界団体が所属している。
最新のデータインバウンド
-
2025年4月の訪日客数、桜・イースター需要で単月過去最高を更新。400万人に迫る勢い (2025.05.22)
-
宿泊費・航空券の割安感が日本人気を後押し、2025年夏のアメリカ市場旅行トレンド調査 (2025.05.19)
-
世代で分かれる訪日行動傾向 若年層は体験や持続可能性を重視 ーDBJ・JTBF調査 (2025.05.15)
-
2025年中国人旅行トレンド 労働節に海外渡航急増、日本は安定の人気。中東関心高まる (2025.05.12)
-
サステナブルな旅、関心度は9割超。地域への配慮が新常識にー2025年ブッキング・ドットコム調査 (2025.05.08)
-
2025年2月の外国人宿泊者数1376万人。スノー需要引き続き好調。香川、福井で伸び率増 (2025.05.01)
-
訪日客が一番困ったことは? 「なし」が5割。「混雑」など新たな課題もー観光庁 (2025.04.28)
-
2025年世界の空港ランキング、首位シンガポール・チャンギ空港はじめアジア勢に高い評価 (2025.04.24)
-
2025年1-3月インバウンド消費2.27兆円 中国が最多、2期連続2兆円超え (2025.04.21)