データインバウンド
2024年1月 世界の航空需要99.6%まで回復、国際線は北米 国内線は中国が伸びを牽引
2024.03.12
やまとごころ編集部IATA(国際航空運送協会)によると、2024年1月の世界の航空需要(総RPK*)は前年同月比で16.6%増となり、2019年の水準まではあと0.4%に迫った。
国際線RPKはパンデミック前の95.7%まで回復、国内線RPKは2019年同月比6.7%増となった。中でも中国は、同15%増と大きく回復を見せている。
(*RPK:有償旅客が搭乗して飛行した総距離=revenue passenger kilometers:有償旅客数×輸送距離)
アフリカの国際線、初めて2019年水準を超える
新年を迎え、国際線RPKの成長率は引き続き順調に推移、北米、中東、アフリカでは2019年の水準を上回った。北米はこれで10カ月連続でプラスとなり、国際線の回復を牽引している。アフリカはパンデミック後、初めて2019年同月比を超えた。
アジア太平洋地域の国際線RPKは2019年同月比16.3%減で、回復という点では他の地域に遅れをとってはいるものの、前年同月比では45.4%増と大きく回復している。なお、欧州と中南米はマイナスに転じたものの、パンデミック前とほぼ同水準で推移した。
国際線の主要ルートでは、北米と欧州間のRPKが2019年同月比6.5%増と、13カ月間連続で2019年の水準を超えている。アジア太平洋と他地域を結ぶルートは回復が遅れているが、中国からの利用が多いアジアー中東路線などはパンデミック以前のレベルを超えている。
春節を控え、中国国内線に勢い
モニター市場の国内線RPKは国によって多様な展開を示した。中国の国内線RKPは2019年同月比で15.0%増となり、回復をリード。春節を控えた旅行需要が旺盛であったためで、春節本番の2月も引き続き輸送量の増加が見込まれる。中国では2023年より座席数が増加を続けており、これはワイドボディ機の使用頻度が増えたことを反映している。
ついで好調なのがアメリカで2019年同月比5.9%を記録。インドは2019年同月比3.3%増と堅調に推移している。日本については、経済情勢と景況感に関連して輸送量が減少していたが、1月は2019年同月比4.3%減まで回復している。ブラジルもパンデミック前の水準まであと少しだが、オーストラリアの1月は不調で、2019年同月比12.7%減となった。
IATA事務局長はネットゼロに向け各国政府の役割を強調
IATA事務局長のウィリー・ウォルシュはこの結果を受け、「2024年は、経済的・地政学的な不確実性にもかかわらず、力強いスタートを切った。世界中で選挙が行われ、史上最も忙しい選挙の年と言われる今年、各国政府は自国経済の繁栄を築こうとする中で、航空を成長の手がかりとすることが重要だ。増税や厳しい規制は、繁栄への逆風となる。我々は、航空会社がコストを削減し、効率を向上させ、2050年までのネットゼロ排出を実現するための政策を各国政府に求めていく」と述べた。
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