インタビュー

実践!インバウンド 代表 小野秀一郎氏③

2008.10.10

印刷用ページを表示する


Q6. これまでの実績の中で成功事例がございましたらお教えください。

事例
クライアント: 志賀高原 ホテル白樺荘
内容:インバウンドの取り組みは3年ほど前まで全く行っていませんでしたが、ネット活用の導入をご提案し、英語サイト制作、SEO、SEM、予約サービスをまとめたパッケージサービスをお申し込みいただき、英語圏の旅行者市場への販売促進を進めました。信州・志賀高原のスキー場のふもとにあり、外国人にとってはアクセスが非常に不便な立地なのですが、現在では年間500人程度の外国人がこのホテルに宿泊しています。平日に集客できて、しかも値下げ無しなので単価の維持に役立っているとのコメントをいただいております。畳の部屋・温泉・浴衣など宿泊中はほとんど日本の様式を体験できることと、世界的にも珍しい野生の猿の温泉地(地獄谷野猿公苑)に近いことを英語サイトで情報発信をしています。約半分はアジア系ですが、英語で予約を入れてきます。オーストラリアだけでなく、ノルウェー・フィンランド・ロシアからも予約が入ります。またメールのやり取りだけで、手間とコストのかかるカードギャランティをしないでもほぼ全ての方が予定通り宿泊していただいているそうです。

事例
クライアント:飛騨高山 桑谷屋  

内容:以前から外国語のホームページを持っており、プロモーションのお手伝いをさせていただいています。以前はあまりアクセスがなかったのですが、少しずつ予約が増えるようになりました。高山市内でも不況の影響に次いで、今年の5,6月は豚インフルエンザでお客様が減っているところが多いのですが、桑谷屋さんではむしろ予約問合せが増えているとのことです。理由としては訪日外国人が減った時でも、むやみに広告コストをカットせず、継続的に販売促進を行ったため、逆にネット市場で知名度が高まったからではないかと思います。

事例
クライアント:箱根湯本 かっぱ天国旅館 
内容:箱根湯本の駅前でロケーションが非常に良かったので、弊社が正規代理店として受託しているヨーロッパの宿泊予約サイト「ホステルワールド」(ホステルワールドへの申請方法についてはこちら) に加盟申請の代行手続きを行い、 、ロケーションの良さのアピールと写真の掲載の仕方の工夫や予約のヘルプサポートを行いました。その結果、安定的に毎月20組前後の予約が入るようになりました。また、この旅館は50~60代のスタッフしかおらず、英語対応は全くできません。そのため、予約ページにも「館内での対応は日本語のみ」と記載しています。事前に記載しておいた方が宿側も構える必要がなく、またそれを見て来るお客様も理解した上で来られるので、言葉のトラブルもあまりほとんどありません。

 

Q7. まだインバウンドに取り組んでいないホテル・旅館様へ一言お願いいたします。

インバウンドは非常にニーズがあり、これからも海外からネットで予約をする外国人の旅行者数は増えていくと思います。まずは難しいことを考えずに、できる範囲で全力でやっていきましょう。また、訪日外国人は日本の伝統的な旅館が好きだから、ホテルにはあまり泊まりたがらないのではと思っているホテル様もいらっしゃるかもしれませんが、決してそうではありません。もちろん旅館に泊まりたいと思う外国人は多いですが、リピータの方や日本への個人旅行が初めての方は、ホテルの需要の方がむしろ大きいかもしれません。そのため、ホテル様にも十分ニーズはあります。 もし少しでもやってみたいと思ったら、まずはご相談ください。インバウンドにはチャンスがたくさんあると思います。あと、多言語ホームページを制作しましょう、という業者さんが多くなったとクライアント旅館さんから聞いております。例えば自社サイトを4つの言語に増やしたらそのまま お客さんが4倍に増えることはまず無いので、業者さんの営業トークに注意していただきたいですね。(笑)

 

Q8. 今後の抱負をお聞かせください。

まずは取引をさせていただいている施設様に、より質の高いサービスを提供していきたいと思います。弊社のポリシーは「早くて、安くて、満足度の高いサービス」を提供することで、さらに磨きをかけていきたいと思います。また、観光地を活性化するお手伝いもしたいと考えています。もっと満足度を上げられるところがたくさんあると思っていますし、そういったサポートも今後力を入れてやっていきたいと思っています。住んでよし、訪れてよし、とはよく言ったもので、実践!インバウンドとしては、外国人を地方・温泉地へネット経由で連れていくことで、地元住民の誇りを喚起できるようになりたいです。

また、これは個人としていずれ時間があればやりたいと思うのですが、日本の原風景を体験できるような場所を作りたいと思っています。例えば、古民家を再生し、その中で滞在者が電気も携帯電話も使わずに(笑)、日本の生活を体験できるようにしたり、農村と里山に自然と人が集まれるような環境があると、非常に面白いと思います。日本の古きよき風景が残る場を作りたいと思います。

実践!インバウンド 

ネットで外国人旅行者を集客【インバウンドにっぽん】 

インタビューのご協力、誠にありがとうございました。

 

最新のインタビュー