インタビュー

株式会社 転送コム 代表取締役社長 直井聖太氏

2012.11.27

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クールジャパンを世界へ。日本企業と海外をつなぐ。

世界中にいる「日本製品ファン」をどうやって「訪日旅行ファン」にするか!?
株式会社転送コムでは、2012年9月から観光庁と連携し、日本商品ファンに対する訪日旅行促進プロモーションを展開しています。さまざまな可能性を持つ海外配送サービスについて、代表取締役社長の直井聖太氏にお話をお聞きしました。

目次:
観光庁と連携した取り組み
転送コムの事業概要
日本商品のトレンド
今後の展望

観光庁と連携して取り組んでいる、訪日旅行促進プロモーションについてお聞かせください。

2012年9月から、日本の商品をインターネットで買っている弊社の海外のお客様に対して、訪日旅行の喚起と市場調査を行っています。具体的な内容としては、日本の商品を海外にお送りする際に、お祭りや紅葉など、四季折々の日本のよさが詰まったカレンダーを封入しています。カレンダーは3万部用意しており、キャンペーンは年内いっぱい続く予定です。また、海外の方々の興味を把握するために、日本に関するアンケートにお答えいただいています。

弊社のサービスは会員制ですので、会員の皆様に対して直接アピールすることができます。また、弊社のサイトは、日本語、英語、中国語の繁体字と簡体字、韓国語で運営をしており、約6割5分が外国人のお客様です。今は商品を買っていただいているお客様に、違う日本のよさをアピールすることで、日本に足を運んでもらおうという狙いがあります。
私どもにとっても、日本に興味を持って下さる方のベースが増えていかないと、サービスの市場が広がらないので、国益と私どもの考えていることが一致していると思います。

どのような経緯で転送コムを設立されたのでしょうか?

日本の商品を海外に販売したいという気持ちは以前からありました。そこで日本のネット通販会社が海外にどれだけの商品を送っているのか調べたのです。しかし、ほとんど対応されていらっしゃらないということがわかりました。その一方で、通販サイトには海外からのアクセスが一定数存在していたんですね。ニーズはあるけれども対応できていないという状況があったので、そこをどうにかつなげようと考えました。まずはシンプルにものを届けられるようにしようということで、2008年7月に転送サービスを始めました。

仕組みとしては、弊社に会員登録をしていただくと、お買い物専用の日本の住所が発行されます。これは、弊社の倉庫の住所にユーザー個別のIDがついたものです。お客様はその住所を使って通販サイトでお買い物をする。

通販サイトにすれば、国内に発送するだけなので、対応は国内のお客様と変わらない。あとは私どもがお受け取りして、お客様から海外送料を頂戴したうえで海外へ発送するというモデルです。到着した商品の情報はすべて弊社のマイページ上にアップされます。複数の会社から商品を購入された場合、マイページ上でまとめて送るという申請ができ、送料をかなり安く抑えることができます。5言語に対応できるカスタマーサポート体制を構築していますので、転送コムをご紹介いただければ、通販サイトは初期投資なしで海外のお客様に対応することができます。

 

現在人気があるのはどのような商品ですか?

弊社の外国人のお客様は、香港が一番多く、二番目が台湾です。またアメリカ、シンガポール、オーストラリアやカナダなど、世界84カ国の方々に広くご利用いただいています。

今は年間20億円ぐらいの商品をお送りしていますが、買っていただいているものは、ファッション系とホビー系が多いです。ファッション系は、原宿文化など日本独自のファッションに影響を受けている20代の方々に人気です。ホビー系で人気なのは、フィギュアですね。日本の伝統工芸品やゲームを買われる方もいます。そのほか、ベッドや電動自転車など、本当に色んなものが届きます。サイズの基本はEMSでお送りできる30kg以内ですが、超過した場合も他の物流手段でお送りしますので、解体の必要がないものであれば、何でも対応できます。食品はどうしても国によってお送りできないものが出てきてしまいますが、お菓子は非常に人気があります。最近は“こたつ”を買われる外国人もいらっしゃいます。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

転送コムの海外ユーザは世界で一番強く日本に関心を持っているユーザだと考えています。そういったユーザに対して、私たちは「これを買ってください」と特定の商品をプッシュすることはしていません。当たり前のことですが転送サービスとは、海外ユーザが日本の好きな商品を好きなときに購入頂くためのサービスです。その結果として海外ユーザが今、何に興味を持ってくれているのか「純粋なニーズ」が転送コムには蓄積されています。 今後はそういった情報を活用しながら、日本企業の皆様と海外ユーザとをつないでいきたいと思います。そのひとつが今回行った「日本のモノ」に興味のあるユーザに対して、「日本の旅」にも興味を持って頂くための取り組みです。今後はよりその精度を高めていき、訪日インバウンド業界の活性化に寄与して参りたいと思います。また、新サービスも構築中ですので、どうぞご期待ください。
株式会社 転送コム(http://www.tenso.com

取材:Kanako Morishita

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