インタビュー

株式会社サンリオエンターテイメント海外営業部 海外営業課 方洪氏

2012.05.27

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キティちゃんに会いに世界から訪れる!震災後の新戦略とは?

東京のサンリオピューロランドと大分のハーモニーランドを運営する株式会社サンリオエンターテイメント。テーマパークのオープンから20周年を迎えた現在、さらなる成長のために国内だけではなく海外からの集客にも力を入れています。海外営業部の方洪さんに、サンリオ独自のインバウンドの取り組みについてお話を伺いました。

目次:
サンリオピューロランドは外国人にも人気
キャラクターによる海外へのプロモーション
外国人観光客を受け入れる際の工夫
FIT需要と東南アジアマーケットが今後のカギ

サンリオピューロランドとはどのような施設なのでしょうか?

サンリオピューロランドはサンリオが急成長した約20年前、「心と心のコミュニケーションがとれる場所を作りたい」という社長の思いをうけてオープンした日本初の大型室内テーマパークです。サンリオには現在約200のキャラクターがいますが、ピューロランドのメインはその中の人気キャラクターによるショーです。ダンサーには中国人のスタッフもいて、国際色も豊になってきました。

国内のお客様は主に家族でいらっしゃる方が多いです。海外のお客様は家族連れのツアーや団体のほかに、キティちゃんが好きな若い女性がFITでいらっしゃいます。

ピューロランド内のショップでは、サンリオのグッズやピューロランド限定のオリジナル商品を海外よりも安い値段で販売しており、お客様にはお買い物を楽しんでいただいています。海外のお客様には、ぬいぐるみやスマートフォンのケース、携帯ストラップなどの小物が人気ですね。あと、帰国後のお土産としてお菓子も売れていますし、made in Japanのキャラクター商品も人気です。

海外向けのプロモーションについてお聞かせください。

私の海外営業部での仕事は、海外のお客様の集客・誘致とショーやキャラクターなどのコンテンツを海外に売っていくことです。
海外のプロモーションは、まずキャラクターの商品を売り出すことからはじめます。キャラクターの認知度が上がると、そのキャラクターと実際に会えるピューロランドの宣伝もしやすくなるんですね。

私たちは海外からお客様を呼ぶだけではなく、商品をいつでも外に持っていけるので、インバウンドはやりやすいかもしれません。

最近では2011年の夏に上海でショーを10公演やりました。2014年には中国の安吉にキティのテーマパークがオープンしますし、今年10月にはマレーシアのジョホール州にある家族向けのデパートに、サンリオのグッズ売り場とエンターテインメントを提供する場所をオープンします。ヨーロッパにはキティのカフェ、台湾にはキティのグッズを揃えた病院やホテル、写真館などがあります。

他にも海外の施設からいろいろなオファーをいただいており、今後もこのようなキャラクターの空間ビジネスを進めていきたいと思っています。

会社としてインバウンドに力を入れはじめたのは10年ほど前からで、震災前はピューロランドの年間約100万人の入場者の10%ぐらいを海外からのお客様が占めていました。当時一番多かったのは台湾で、香港、シンガポール、中国、タイと続いていました。

去年の震災の影響は大きく、海外からのお客様は一時期ゼロに近くなりました。現在海外のお客様が一番多いのは台湾で、2位はインドネシア、その次がタイ、中国と変化していきました。
放射能に対する懸念が強いシンガポールと香港は大分減りましたね。

台湾が強い理由は、現地に支社もありますし、割と早い時期からライセンスのビジネスを展開してきた結果が出ていると思います。
東南アジアの方々はテーマパークが好きなので、日本のテーマパークをめぐるツアーの中にピューロランドも入れていただくような営業をしています。

中国は今年の夏は団体のお客様が多かったのですが、政治問題に影響されやすい国なので、まだ近いうちはあまり期待できないんじゃないかという不安もあります。

外国人観光客を受け入れる際に何か工夫している点はありますか?

団体でいらっしゃった場合は、団体ブースで人数分のピューロランド限定非売品タオルを渡しています。
また、今年の7月からはFITのお客様に向けて、通常の料金より安い入場券とパスポートの販売をスタートしました。お客様がキャンペーンのチラシを持って来場された場合には、値引きのほかに限定タオルを無料で差し上げています。

 

ピューロランドは6つの劇場があるショーがメインのテーマパークですが、ショーは日本語なので、言葉の問題で楽しさが伝わらなかったりすると残念です。現在、改善策としてショーと同時に字幕を流しています。また、お客様が入場される際に、ガイドマップとパンフレットに加え、毎日のショーのスケジュールが書いてある紙をお渡ししています。劇場のパンフレットには物語の要約が中国語で書いてあるので、大体の内容はわかるようになっています。

 

ピューロランドは再入場可能です。家族でいらっしゃった場合、例えばお父様には1回入場していただいて、お子様と奥様が中で遊んでいる間に一旦外に出てもらっても構いません。「多言語の多摩センタータウンガイド」では、海外のお客様が好きな100円ショップや三越などの周辺施設の紹介をしています。

 

今後、特に力を入れていきたい部分についてお聞かせください。

全体的にFITが非常に伸びてきていますので、今後さらにFITを取り込むための戦略を立てているところです。
『facebook』などのメディアを通じてFIT向けのキャンペーンを一般のお客様に発信して、エージェントを使わなくてもピューロランドに来ていただけるようにしたいです。

また、今までは台湾、香港、中国に力を入れてきましたが、今の状況を見ていると、東南アジアの伸びが今後一番期待できると考えています。今後は宣伝物も東南アジア各国バージョンを作り、積極的にプロモーションをしていきたいと思います。

「幸せとは愛することを知ること」という理念のもとに、「ありがとうと言える楽しいコミュニケーションの場」をクリエイティブに提供することを目標に、その発展に今後も努めていきます。

サンリオピューロランド
http://www.puroland.jp/

取材:Kanako Morishita

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