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白馬スキー場観光客数、過去20年最高の80万人が来場。インバウンド利用者数2019年比で141%に

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スキー・スノーボードなどの冬季スポーツを楽しむため、世界中から観光客が訪れる長野県白馬村。2023ー24年の冬季シーズンは、海外からの渡航制限が4年ぶりに通常に戻ったこともあり、インバウンドを含め来客数が急増した。一般社団法人白馬村観光局が、2023年11月〜2024年2月の観光客入込み数や村内スキー場の利用者数データを分析した結果、前年と比べると123%、コロナ直前の2019−20シーズンと比べると121%と、過去20年で最高値を記録したことがわかった。コロナ禍の2020−21年シーズンは71万人まで急落し、その後2023年までは回復傾向はあったものの、コロナ前の観光客数を下回る状況が続いていた。

今季の海外旅行客が増えた要因としては、中華圏では2022年に北京冬季五輪があり、国策の影響も相まってスキー・スノーボード人口が増えたことが考えられる。渡航制限のあった国からの訪日客が自由に来日できるようになったことも、要因の一つとした。またコロナ禍中にパウダースノーなどの魅力をSNS等で世界に発信し続けたことも、効果的だったと分析している。

渡航制限が緩和された時点から、海外の旅行会社などに積極的な誘致を展開したことも有効に働いたとみている。国内観光客の誘致も、春〜秋のグリーンシーズンを「滑らなくても楽しめる白馬」として強化し、その効果は観光局への問い合わせ増加などから感じられたという。

年末年始、豪州のホリデー、中国の春節などの国際的な休暇シーズンを迎えるに当たって、地域事業者や住民が新しい飲食店や宿泊施設を開業。白馬村の2023年12月の観光客入り込み数は22万4000人と、2019ー20年と比べ1.1倍になった。2024年1月は41万6800人、2月は43万7900人という数を記録した。

白馬村内の4つのスキー場エリアも、昨シーズンと比較して115〜200%と利用者数が軒並み伸びている。インバウンド客のスキー場利用数は特に伸長し、昨シーズンと比べ256%、コロナ前と比べても141%となった。今シーズンは暖冬の影響で降雪量が少なく、平年並みであればもっと期待できたため、来年以降はより一層の集客が期待できるとみている。また3月に入って異例の降雪があり、下旬にも寒波予想があるため冬季シーズンの残り期間も、数値が伸びそうだという。

 

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