インバウンドコラム
著者:杉本 興運(編集)、磯野 巧(編集)
出版社:ナカニシヤ出版
本書では、若者の地方誘客や定着を考える際に「若者に選ばれる地域になる」という目線が必要との考えに基づき、大都市を軸に展開する観光・レジャーを、若者に特化した視点から捉え直し、大都市の観光的な魅力を探り、まとめている。
序章では、調査分析により「若者の余暇時間の使い方に関する生活様式や価値観の変化」が若者の旅行離れ現象に繋がっている可能性が高いと指摘しており、以降続く3部15章の中で、若者の集まる「東京から学ぶ」という観点でデータや事例を紹介している。
1部では、独自のweb調査や人流ビッグデータ分析等によって、今の若者の特徴を「余暇生活」「文化消費」「情報行動」の3つの視点で解説。
2部では、アニメ、キャンプ、スポーツ、クラフトビール等のニューツーリズムや、海外の若者を対象とした教育旅行にフォーカスしてその特性を分析、紹介。
3部では、大久保×韓流、渋谷×学生ボランティア、ナイトライフ×音楽、東京湾×ナイトクルーズ、都市公園×子どもの遊び空間、の事例から、地域が若者を取り入れるまでの受容基盤やその過程等を紹介。
読み終えると、訪日客も若者も同じく「わが国の観光において次の世代を担う存在」であることが改めて理解できる。
地域で若者を誘客したいと考える方は、本書から、大都市を訪れる訪日客の地方への誘客や、若者ターゲットのペルソナ設計などのヒントに活用してほしい。
文:株式会社やまとごころ 竹花 駿平
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