インバウンドコラム

全国500超の観光事例を4つのDXカテゴリに分類して紹介「改革・改善のための戦略デザイン 観光業DX」

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改革・改善のための戦略デザイン 観光業DX

著者:廣川 州伸

出版社:秀和システム

 

 

本書は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の活用事例と実行手順をまとめている、業界標準のDX指南書シリーズの観光業版である。

著者は、本書の中で、観光DXについてAX「地域との連携」、BX「地域ブランド活用」、CX「顧客体験価値」による変革を活かすツールであると説いている。

冒頭では、観光業DX推進の背景や、期待できる理由が説明されているほか、観光業DXの主な技術として「旅前、予約、交通、旅中、宿泊、遊戯、飲食、旅後」の8フェーズにおいて利用されるツールが表にまとめられている。

本書内の事例紹介は非常にボリュームがある。観光庁が発行する「with/after コロナ期における滞在コンテンツ造成のためのナレッジ集」で紹介されている全国500超のモデル事業の事例を、上述のAX「地域との連携」、BX「地域ブランド活用」、CX「顧客体験価値」のカテゴリ別に分類し、エリア別の分析や、地域事例のポイントを示している。そのため、本書を観光業のDX推進の手引きのように利用できる。

他にも、11名のDX業界専門家が登場する取材リポートがちりばめられており、盛りだくさんな内容。ここでは、観光分野以外のDX専門家が考える面白い提言もあるので、本編だけではなく、取材リポートにも注目だ。

戦略的なデザイン手法を身につけたいと考える観光関連事業者の経営者等には、ぜひ本書を手に取り、馴染みのあるエリアの事例などを読み解くなどして、自身の組織の観光DXデザインを検討していただきたい。

文:株式会社やまとごころ 竹花 駿平

 

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