インバウンドコラム

海外旅行メディアも試行錯誤、それぞれの立場での「今できること」を尊重する

2020.04.20

清水 陽子

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私が日々チェックしている海外旅行関連メディアはこれまで、読者にいかに魅力的なバケーションのアイディアを提供するかがテーマでした。ここ最近は、今読むべき旅行本や映画の紹介記事がトレンドで、「いかに自宅をお気に入りのホテル風にするか」や「旅行の写真を自宅に飾るクリエイティブな方法5選」など、「Stay Home」と「旅行」 の相反する題材に試行錯誤している様子が伺えます。Wanderlustは、「少し明るくなれる19の旅行関連ニュース」という記事を掲載しました。その中から、パンデミックが起ったからこそのニュースの概要をいくつかご紹介します。

・二酸化炭素の排出量が驚異的に減っている。世界中で飛行機が欠航し、車や公共交通機関が必要最低限に減らされているため。

・ベネチアが未だかつてないほど美しく清潔である。常に旅行先として大人気のベネチアが、今は、食糧品の買い物をする人と犬の散歩の人しか見かけない。白鳥も気持ちよさそうに泳ぎ、きっと微笑んでさえいる。

・大気汚染の減少で、インドの景色がよくなっている。インドでロックダウンが始まってから、大気汚染のレベルが大幅に減少している。北インドに住む人々の報告によると、大気汚染の影響で30年以上その姿を隠していた、雪を被ったヒマラヤ山脈を、200km先から眺めることができる。

・このパンデミックは、野生動物の取引を行った事による結果だと目されていて、中国を含む各国が野生動物の取引と消費に規制をかけ始めた。野生動物にとって良いニュース。

・アムステルダムやなどオーバーツーリズムに苦しんでいた、世界の有名な観光地に静寂が訪れた。踏みつけられ続けた森が再生し、サンゴ礁が回復し、歩行者によって侵食の危機にある砂丘もしばし休憩中。この時間を、天然資源を守る手段と、今後の訪問者数を監視するルールや規制を整備することに使えるといいのだが。

他には、バーチャルツアーやライブ配信が盛んに行われていることも挙げられ、最後は「未来の旅行の計画は、今、立てることができる」と希望に満ちた”ニュース”で、締め括られています。

コロナ後の世界がどうなっているのか、観光客はどう動くのか、そもそも今後の観光旅行はどうあるべきなのか、誰にもわからないのが現状です。入国制限、自粛に休業要請。身動きが取れない業種がいくつもあります。私自身、訪日旅行手配業を生業としているので、コロナショックの真只中ですが、今は心身健康で過ごすことに集中しようと思っています。
そして、今の事態は、旅行業界の危機であることには間違いありませんが、人類の一大事でもあるので、助ける側にも回ってみます。世界には、常に貧困状態にいる人々がいます。紛争や迫害の最中にいる人々もいます。そこにもウィルスの脅威は迫っていて、いくつかの機関が寄付を募っています。例えば3000円で家に石鹸やタオルがない地域の家族に手洗いキットを配布できたり、25000円で数カ所の簡易手洗い場をできたりすると言います。
国境なき医師団でも寄付を受け付けており、「例えば5000円で 医療用フェイスシールド3点を提供できます。」とのこと。身近なところでは、日本赤十字が4月7日に「緊急事態宣言下でも献血は必要です」というリリースを出しました。外出自粛により、輸血用の血液が不足する恐れがあるとのことで、献血の協力を呼びかけています。

「今は自分のことで精一杯」という焦りに一瞬蓋をして、様々な立場でコロナと戦う人に想いを巡らせ、手を差し伸べる側になってみるのもいいものですね。誰かの役に立つことで、少し気持ちがしゃんとします。ありがたいことに、純粋な善意からの人助けも、私のように政府の給付金の行方が気になって仕方がない情けなさをごまかすような人助けも、規模が大きくても小さくても、その行為は等しく誰かを助けます。

 

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