データインバウンド

2025年の外国人宿泊は1.8億人泊で過去最高水準、地方部は前年比19.1%増で都市部より好調

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観光庁は7月6日に、2025年の宿泊旅行統計調査の年間確定値を公表した。日本人・外国人を合わせた延べ宿泊者数は6億6111万人泊となり、このうち外国人は前年比9.4%増の1億7992万人泊となった。地方部では前年比19.1%増と三大都市圏を大きく上回る伸びを示し、インバウンド需要の地方分散が一段と進んでいることが明らかになった。

 

インバウンド宿泊は1億7992万人泊、全体に占める割合は27.2%へ拡大

2025年もインバウンドの勢いは継続しており、外国人延べ宿泊者数は1億7992万人泊に達した。前年比9.4%増、2019年比では55.6%増と大幅なプラスを維持している。これにより、延べ宿泊者全体に占める外国人宿泊者の割合は27.2%にまで上昇し、宿泊市場におけるインバウンド需要の存在感がさらに高まっている。

一方、日本人延べ宿泊者数は4億8118万人泊(前年比2.7%減、2019年比0.2%増)と、前年をやや下回る結果となった。

宿泊統計2025年間

宿泊統計2025年間

 

地方部が前年比19.1%増と大幅伸長、三大都市圏を大きく上回る伸び率

今回の調査結果で目立ったのは、地方部における外国人宿泊者の増加だ。「東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫」の8都府県からなる「三大都市圏」の外国人延べ宿泊者数は1億1936万人泊で前年比5.1%増だったのに対し、それ以外の道県である「地方部」は6056万人泊と、前年比19.1%増の大幅な伸びを記録した。

地方部の宿泊者数は都市部を上回る伸びとなり、インバウンド需要の地方への広がりが統計上でも確認された。

宿泊統計2025年間

 

宿泊者数は東京・大阪・京都がトップ3、続く北海道、沖縄は大きく伸ばす

都道府県別の外国人延べ宿泊者数において、最も多かったのは東京都(6011万5730人泊)で、次いで大阪府(2451万7740人泊)、京都府(1829万1230人泊)と例年通りゴールデンルートが上位を占めた。また、続く北海道と沖縄県は3割前後の大きな伸びを示している。

宿泊統計2025年間

宿泊統計2025年間

 

鳥取・新潟など地方が高成長、航空路線の拡充が追い風

前年比の「伸び率」に注目すると、1位は72.0%増の鳥取県で、以下新潟県(+60.6%)、三重県(+57.7%)、富山県(54.5%)まで、5割以上の伸びを示し、全体的に地方部の伸び率の高さが目立つ。なお、延べ宿泊者数トップ10にも入っているのは沖縄県だけだった。

全国トップの伸び率を記録した鳥取県では、米子空港のソウル便の再開・増便や台湾便の運航拡大など、国際路線の充実が追い風となった。加えて、チャーター便の誘致や海外向けプロモーションなど継続的な誘客施策も奏功し、外国人宿泊者数の増加につながった。また、「名探偵コナン」の聖地として知られる青山剛昌ふるさと館には海外からの来館者も増えており、コンテンツを目的とした訪問も需要を後押ししたとみられる。

宿泊統計2025年間

 

中国がシェア1位を維持 、米国はコロナ前比2.3倍

国籍(出身地)別の外国人延べ宿泊者数(従業者数10人以上の施設調査ベース)では、1位が中国(3036万人泊、シェア19.7%)、2位が台湾(1997万人泊、シェア12.9%)、3位が韓国(1773万人泊、シェア11.5%)となった。上位5カ国・地域(中国、台湾、韓国、米国、香港)で全体の約59.6%を占めている。

1位の中国は、2025年11月以降に訪日客数、宿泊者数とも減少傾向となったものの、年間では3036万人泊で首位を維持した。一方、4位の米国(1722万人泊)は前年比18.9%増、2019年比では136.6%増(2.3倍以上)と大きく伸びた。2025年は米国からの年間訪日客数も前年比21.4%増と好調で、宿泊需要の拡大につながったと考えられる。アジア圏に加え、欧米市場の存在感も一段と高まっている。

なお、前年比ではロシアが104.4%増と最も高い伸びを示したほか、多くの国・地域で宿泊者数が前年を上回り、訪日需要の拡大が幅広い市場で進んでいる。

宿泊統計2025年間 宿泊統計2025年間

 

【編集部コメント】

「地方分散」の先に見えてきた地域ごとの差

地方部でインバウンド需要が伸びている流れは、ここ数年続いている。その前提に立つと、今回注目したいのは「地方が伸びた」ことではなく、地域ごとに伸びる要因がより多様になっている点である。鳥取県では航空路線の拡充とコンテンツが追い風となり、北海道や沖縄県も高い伸びを維持した。また、国籍別では中国市場が回復する一方、米国市場も大きく伸長するなど、需要の構成にも変化が見られる。地方誘客が次の段階に入った今、重要なのは成功事例をそのまま真似ることではなく、自地域の強みと相性の良い市場を見極める視点ではないだろうか。
(出典:観光庁 宿泊旅行統計調査 2025年・年間値[確定値]

 

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