データインバウンド
2026年4-6月期のインバウンド消費額は2兆5096億円、第2四半期で過去最高 米国が最大市場に
2026.07.17
やまとごころ編集部観光庁が公表した2026年4-6月期の「インバウンド消費動向調査(1次速報)」によると、この期間のインバウンド消費額は前年同期比0.2%増の2兆5096億円だった。一般客1人当たり旅行支出も前年同期を上回り、費目別構成にも変化がみられた。
インバウンド消費額は前年並み、1人当たり旅行支出は24万円台に回復
2026年4-6月期のインバウンド消費額は2兆5096億円で、前年同期比では0.2%の微増だが、2026年1-3月期に続き、第2四半期としても過去最高となった。また、1人当たり旅行支出は2026年1-3月期の22.1万円から24.4万円へ上昇しており、旅行者1人当たりの消費額が拡大したことが分かる。

米国が最大市場に、中国は約5割減で3位へ
2026年4-6月期のインバウンド消費額を国・地域別にみると、米国が3848億円(構成比15.3%)で最も多く、台湾が3639億円(同14.5%)、中国が2592億円(同10.3%)、韓国が2589億円(同10.3%)、香港が1452億円(同5.8%)と続いた。
前年同期と比べると、米国は8.5%増、台湾は27.9%増と堅調に伸びた一方、中国は48.8%減と大幅に減少した。前年同期は中国が5064億円で首位だったが、今回は米国が最大の消費市場となり、台湾も中国を上回った。
市場構成の変化が進む中、北米市場や台湾市場の存在感が高まる一方、中国市場は依然として上位を占めるものの、消費額は大きく減少する結果となった。

宿泊費が4割近く占める一方、飲食費や買物代の割合が上昇
費目別のインバウンド消費額をみると、宿泊費が9278億円で全体の37.0%を占め、最も大きな支出項目となった。次いで、買物代が6731億円(26.8%)、飲食費が5454億円(21.7%)と続いた。
前年同期と比較すると、宿泊費の構成比は38.5%から37.0%へ低下した一方、飲食費は21.0%から21.7%、娯楽等サービス費は4.1%から4.3%、買物代は26.1%から26.8%へそれぞれ上昇した。
宿泊費がインバウンド消費の中心である構図に変わりはないものの、飲食や体験、買物への支出割合は前年より高まっており、旅行中の消費が宿泊以外にも広がっていることがうかがえる。

市場ごとに異なる消費傾向、米国は宿泊費・台湾は買物代が最多
国・地域別に費目別の旅行消費額をみると、市場ごとに消費の特徴が異なることが分かる。
消費額首位の米国は、宿泊費が1607億円と最も多く、飲食費804億円、買物代761億円と続いた。台湾は買物代が1268億円と宿泊費(1176億円)を上回った。また、中国も買物代が1030億円と最も多く、消費額全体が減少した中でも、買物が主要な支出項目となった。
韓国は宿泊費802億円、買物代746億円、飲食費728億円と比較的バランスの取れた支出構成となっている。香港も宿泊費と買物代がともに460億円台となり、両費目が消費を支えている。
市場によって宿泊や飲食を中心に消費する地域と、買物の割合が高い地域に分かれており、地域特性に応じた商品造成や販促施策が引き続き重要といえそうだ。

1人当たり旅行支出は24万4457円、メキシコが50万円超で最高
一般客の1人当たり旅行支出は24万4457円となり、前年同期比3.3%増となった。
国・地域別では、メキシコが51万4925円で最も高く、中東が48万2836円、英国が45万6493円と続いた。米国は37万8547円、オーストラリアは42万6949円となり、長距離市場ほど1人当たり旅行支出が高い傾向がみられる。
一方、韓国は9万9542円と最も低い水準だったが、訪日客数の多さから旅行消費額全体では上位を占めた。
また、前年同期比ではロシアが39.8%増、インドネシアが34.4%増と大きく伸びた一方、ベトナムは28.0%減、イタリアが8.2%減となるなど、市場ごとに増減の傾向は分かれた。

英国は宿泊・飲食費、ロシアは買物代が突出
次に、国・地域別の1人当たり費目別旅行支出(全目的)を、平均宿泊数(全体平均は8.7泊)とともにみてみよう。英国(14.1泊)は宿泊費と飲食費がそれぞれ21万7781円、10万6005円で最も高かった。また、メキシコ(13.6泊)は交通費と娯楽等サービス費がそれぞれ5万9310円、3万3366円と最高額となった。
買物代ではロシア(10.8泊)が15万184円と最も高く、中国(11.2泊)も10万5914円と10万円を超えた。一方、米国(10.6泊)は宿泊費、飲食費、買物代のいずれも高い水準で、支出が特定の費目に偏らないことが特徴だ。

観光・レジャー目的でも長距離市場の高い消費水準が続く
観光・レジャー目的の一般客に限定した1人当たり旅行支出をみると、メキシコが51万1867円と最も高く、中東が50万8394円、英国が49万6886円と50万円前後の高い水準となった。米国も38万8985円、オーストラリアは43万263円となり、長距離市場の消費額の高さが目立つ。
費目別では、英国が宿泊費23万9312円、飲食費11万3646円で、ロシアが買物代15万1241円で支出が最も多かった。一方、韓国や台湾など近距離市場は旅行支出全体では長距離市場を下回るものの、訪日客数の多さからインバウンド消費を支える重要な市場となっている。

宿泊費が1泊当たり支出の約4割を占める
インバウンド消費額トップ5市場(中国、韓国、台湾、香港、米国)の1人1泊当たりの旅行支出をみると、全目的(観光・レジャー+業務渡航なども含む)での平均は2万8222円となった。内訳は宿泊費が1万446円で最も多く、次いで買物代7553円、飲食費6135円となった。宿泊費が全体の約4割を占めており、1泊当たりの支出でも宿泊費がインバウンド消費の中心となっている。市場別では、トップ5市場では香港が最も高かった。
また、観光・レジャー目的に絞ると、平均は3万4058円と全目的の平均より約6000円高く、韓国を除く4市場が平均を上回った。

【編集部コメント】
中国減少でも過去最高を維持、市場構成の変化に注目
過去最高の消費額を維持した一方で、最大市場は中国から米国へと入れ替わった。中国の消費額が大きく減少する中でも、全体の消費水準を維持したことは、訪日市場の裾野が広がりつつあることを示す一つのサインとも受け取れる。今回の順位変動が一時的なものなのか、それとも市場構成の変化を映すものなのか。今後の動向を継続して見極めることが重要になりそうだ。
(出典:観光庁 インバウンド消費動向調査 2026年4-6月期の調査結果/1次速報)
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