インタビュー
2009年に台湾で生まれたKdan Mobileは、クラウド上のソフトウェアを活用して、サブスクリプション型でユーザーに様々なサービスを提供するSaaS企業だ。中国や韓国、米国、英国、東南アジアなどグローバルに事業を展開し、アプリダウンロードは累計2億で、1200万以上のユーザーを持つ。日本でのサービス拡大に向け、同社は2023年3月に株式会社Kdan Japanを設立し、日本企業のデジタル化やDXに取り組んでいる。
特に、同社が提供する電子サイン(署名)サービス「DottedSign(ドットサイン)」は、PCやモバイルデバイスなどいつでもどこでも使えるため、中小企業でも導入しやすく、日本の観光事業者が長年抱えてきた「生産性の向上」という課題解決に繋がるポテンシャルを持っている。
同社が提供する電子署名サービスは、観光業界にどのような変化や価値をもたらすのか、株式会社Kdan Japanの代表を務める黄一桂氏に話を伺った。
▲お話を伺った株式会社Kdan Japan社長の黄氏(右)と、Kdan Mobile創業者兼(株)Kdan Japan代表取締役会長も務めるケニー氏(左)
電子署名サービス「ドットサイン」が観光事業者にもたらす6つのメリット
─はじめに、「ドットサイン」の概要と日本の観光事業者に推奨している背景についてお教えてください。
Kdanが提供するドットサインは、旅行業務を行ううえでも欠かせない電子署名のサービスです。日本の観光事業者には熱心な経営者も多いので、電子サインや電子署名に関する理解度は深いと思っています。というのも、すでに弊社以外でも電子署名サービスを提供している企業があるからです。私たちが電子サインの必要性を訴えなくとも、皆さんの中ですでに〝やらなくてはいけないこと〟としての認識があります。
─コロナ禍や、2021年にできたデジタル庁も含めた関連する法制度の改正などが日本社会を変えたともいえそうです。そうした中で、ドットサインがもつ優位性はどこにあるのでしょうか?
最初にお伝えしたいのは、私たちはグローバルな展開をしている企業だということ。そう聞くと〝黒船〟のように感じる方もいるかもしれませんが、そうではありません。近年のグローバルなITベンチャーやスタートアップの多くがそうであるように、相手のニーズに合わせたサポートを世界各地で行ってきました。みなさんの困りごとが解決するならば、〝黒子〟に徹することを厭いません。
─〝これ〟というやり方に固執せず、柔軟性を持っているということですね。もう少し具体的に教えてください。
セットアップの容易さというのは、我々の最大の強みです。たとえば利用できるデバイスとしては、モバイル、PC、タブレットなどどんなものにも対応しています。プラットフォームの種類も問いません。私たちはこの分野で長年の経験がありますから、様々な顧客のニーズがあることを知っています。ですから署名モードとしても、対面の署名で使うこと、リモートで署名すること、一般消費者向けのもの、事業者向けのものなど、あらゆる場面を想定しています。もちろん費用に関する訴求力も持っています。日本の観光事業者には小規模な会社も多いですが、彼らにはリーズナブルな価格でサービス提供ができます。
─観光事業者が電子署名や契約の導入で得られるメリットとして、御社では6つのメリットを挙げていますね。
1. BtoCにおける膨大な数になる取引でも従量課金なしで対応可能
2. 対面署名や署名依頼のリンク化などあらゆるニーズに対応可能
3. スマホなど普段使っているデバイスから契約作業のステータスを一元管理できる
4. 英語、中国語(繁体/簡体)、フランス語など多言語での対応ができる
5. 予約と契約の管理や検索が容易になる
6. 電子署名の受け取りや押印のために出社不要
ご紹介いただきありがとうございます。これらのメリットを体験していただくため、私たちは30日間の無料トライアルサービスも観光業界のみなさんに提供しています。このキャンペーンは6月30日まで行います。
署名・契約電子化で「コストカット」と「サービスの質向上への集中」を実現
─お客様が目の前にいる場面でも、リモートの場面でも便利になるというところをもう少し詳しく教えてください。台湾では、デジタル担当大臣のオードリー・タン氏を筆頭に、デジタル化が成功しているとして、日本で話題になりました。それでもやはり、目の前で電子署名をするニーズが台湾でも少なくないのでしょう?
はい。いくらデジタル社会が進行しようとも、自分の意思決定を証明する行為はなくなっていません。これは台湾でも同じです。顔認証や指紋認証などで代替できる本人確認とは異なり、署名のプロセスではお客様にアクションをしてもらう必要があります。だからこそ、電子署名などで便利にすること、なるべくシームレスにすることが大事なのです。
─もちろん顧客側の体験の質が向上するだけでなく、観光事業者側の生産性向上や効率化などにも寄与しますよね。
もちろんです。日本の観光業界は人材不足が叫ばれて久しいと聞きます。そのような中、経営者やマネージャーの皆さんは大量の業務に終われ、常に忙しい状態です。電子署名によって大幅に業務効率を上げることができますので、観光業にとって〝一丁目一番地〟ともいえるサービスの質の向上に力を費やせるようになるでしょう。もちろん無駄なコストもカットできます。
ヒューマンエラーのリスク最小化、デジタルの知見なしでも使いやすい
─ただ、電子化によって改ざんのリスクなど、セキュリティ面で不安に思う観光事業者も少なくなさそうです。
そうした皆さんの不安も理解できます。これまで紙を使って管理してきた場合、どのように電子署名を管理し、安全面を確保すればいいのかわからない方もいらっしゃいます。これは我々の強みであるとも思いますが、世界基準のほとんどのセキュリティ認証を取得済みです。たとえば情報セキュリティマネジメントシステムで最も取得が難しいISO27001も取得しています。もちろん私たちは、全世界で2億以上のダウンロードや、1200万以上のユーザーを抱えていますので、これらの過去の実績から「安心安全なサービスです」と訴えることもできますが、それよりも先ほどお伝えしたような第三者からの認証のほうが、客観的な信頼性をお伝えできると考えています。
─実は、アナログな紙で管理するほうが紛失してしまうリスクは高い面もありそうです。それに対してデジタルで管理すれば、過去の編集履歴なども残せるという意味では、改ざんのリスクも含めて安全ですよね。
署名契約のプロセスやデータ管理においての最大のリスクはヒューマンエラーですから、これを防ぐにはいかに効率がよく、使いやすいものにするかがカギを握ります。冒頭にも申し上げたとおり、この部分は我々の最大の強みでありますので、デジタルに関する知見があまりない観光事業者の方は、弊社のサービスを活用すると、多大な効果を感じられるのではないでしょうか。
─自分たちでエンジニアを雇って電子署名ツールを開発するという考え方もあるかもしれませんが、そのようなことは一部の大企業にしかできないですよね。
おっしゃるとおりだと思います。ただ、仮にエンジニアがいる事業者であっても、私たちと連携・協力することで、より効率的な業務プロセスに進化することができると考えています。なぜなら現在のシステムのなかに、弊社のサービスを組み込むことが難しくないからです。決してこれまで培ってきた、そして馴染み深いシステムを捨てて、すべてをイチから作り直さなければいけないわけではありません。冒頭で〝柔軟である〟と言っていただきましたが、そういう意味合いも持つと思います。
─お話を伺って感じたのは、電子署名が日本の観光事業者におけるDX化の第一歩にもなるのではないかということです。
はい。もちろん我々はドットサインという電子署名サービスだけでなく、日本の観光事業者のみなさんのデジタル化を支援する様々なソリューションも提供しています。いずれにしても私たちは様々な形で情報発信をしていますので、少しでもご興味を持っていただけた方は、そちらも見てみてくださいね。ありがとうございました!
▶会社概要
会社名:株式会社Kdan Japan
所在地:東京都千代田区神田美土代町9-7 千代田21ビルディング9階
設立日:2023年3月
資本金:5,000万円
代表者:代表取締役会長 ケニー・スー(Kenny Su)
公式HP:https://www.kdanmobile.com/ja/
▶Kdan Mobileについて
世界的なSaaS企業であるKdan Mobileは、台湾に本社を置き、中国、米国、日本、韓国などで事業を展開している。ビジネスとクリエイティブ制作の現場における生産性・創造性向上を目的とした電子契約サービス「DottedSign(ドットサイン)」やPDFドキュメント編集アプリ「Document 365」、クリエイティブ制作アプリ「Creativity 365」、クラウドサービス「Kdan Cloud」などを提供。全世界で累計2億以上のアプリがダウンロードされ、1,200万人のユーザーを抱える。
Kdan Mobileのサービスを通じて、ユーザーはいつでもどこでも各種のデバイスで膨大な署名タスクの管理、マルチメディアコンテンツの生成、アイデアの共有が可能になり、コミュニケーションとコラボレーションをより効率的に行えるようになる。
・会社概要はこちら
・電子契約サービス「ドットサイン」はこちら
設⽴:2009年3月
代表者:創業者兼CEO ケニー・スー(Kenny Su)
事業内容:電子契約サービス「DottedSign(ドットサイン)」と業務効率化ツール「Kdan PDF Reader」(PDFリーダー)の運営、SDK・APIなどの関連技術サポート、SaaSサービス・アプリの開発
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