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JNTO、記者発表会で2010年のJNTO事業等を説明

2010.02.01

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出典:やまとごころ.jp

1月25日、日本政府観光局(JNTO)の記者発表会が開かれ、2009年の訪日外客数(推計値)の発表および2010年のJNTOの事業等に関する説明が行われた。

■2009年推計値 訪日外客数679万人(前年比 -18.7%)
2009年は世界的な「景気後退」、「円高」、「新型インフルエンザの流行」の影響で、訪日外客数が前年の835万人から156万人減り679万人にとどまった。これは、前年比-18.7%で、2桁の落ち込みとなったのは、プラザ合意による円高以来23年振り。

なかでも、訪日市場の上位1、2位を占める韓国、台湾からの訪日客の減少が目立つ。韓国からの09年の訪日客は、159万人で前年比79.6万人(33.4%)の減少、台湾は102万人、前年比36.6万人(26.3%)の減少で、この2カ国だけで合計116万人が減少、これは訪日客全体の減少の74.4%に相当する。

中国からの訪日客は増加
こうした状況の下で、唯一中国からの訪日客が増加した。訪日客数3年連続第3位の中国からの09年の訪日客は100万人を超え、前年比6千人(0.6%)増加、そのシェアも12.0%から14.8%に拡大。

2009年は観光客が大きく減少
目的別の訪日外客数では、08年9月のリーマン・ショック後しばらくは商用客の減少が目
立ったものの、09年は商用客よりも観光客に大きな減少が見られた。

手堅い欧州からの訪日観光客
そうした中で、2009年1月から10月の訪日観光客数(暫定値)を前年の同期間と国別に比較すると、中国、ベトナムとともに、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スイス、オーストリアからの訪日観光客に増加が見られる。商用客が減少したにも拘らず、観光客が増加した背景には、西ヨーロッパでの日本文化への高まりがあると考えられる。

訪日外客数は、2008年8月から2009年10月まで15ヶ月連続で前年同月比の減少が続いたが、2009年11月以降は韓国、豪州からの観光客の増加などにより増加に転じている。
また、新政権の発足とともに観光戦略が重視され、ビシット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の予算が従来の3倍に増えた。

■国際会議海外キーパーソン招請事業(Meet Japan 2010)と国際会議支援セミナー
2010年をJapan MICE Yearとして国際会議誘致を進める観光庁の取り組みを受け、JNTOは
下記の事業およびセミナーを実施する。
1. 国際会議海外キーパーソン招請事業(Meet Japan 2010):2009年2月末~3月上旬実施
日本での会議開催を検討中の国際学会本部等の幹部12名を招請し、開催受け入れを希望する国際会議観光都市(千葉、神戸、松江、岐阜、松本)の視察や金沢城での歓迎レセプションなどを行なう。
2. 国際会議支援セミナー:3月9日 於 京王プラザホテル
国際会議の誘致を計画中、あるいは既に国際会議を主催することが決定している国内の大学教授や学会・協会関係者などを対象としたセミナー。「YOKOSO!JAPAN大使」に任命された国際会議コンサルタントの川島久男氏の講演が行なわれる。

■訪日個人旅行者が日本で買いたいもの~「日本茶」が初の第1位に!
JNTOの外国人向け総合観光案内所ツーリスト・インフォメーション・センターが昨年夏から秋にかけて同案内所を訪れた外国人旅行者443人へのアンケート調査を実施した。

このうち、日本滞在中に購入したいものを5つまで選んでもらった結果、1位「日本茶」、2位「(デジタル)カメラ」、3位「着物・ゆかた」となった。日本茶は不況の中で、手ごろな価格がお土産として人気を集めたものと考えら、「日本の菓子」「和風室内装飾品」の人気も上昇した。一方、購入したいものを1つに絞った場合には「着物・ゆかた」がトップ。
なお、アンケートの回答者の9割弱がヨーロッパ、北米、オセアニアに居住しており、年齢は30代が最多であった。

アンケートの主な結果は以下の通り。
訪日前後の他の訪問国の有無:2割以上が「有り」
韓国への訪問が最多、2位はシンガポール
最も関心のある体験(5つまで選択):「日本料理を食べる」が3年連続1位
「旅館滞在」、「ハイキング、登山、サイクリング」、「美術館、博物館、アートギャラリー」が上昇
日本旅行中の通信手段:3割強が(ノート)パソコン持参
訪日旅行の動機づけとなった情報:「知人、友人からの口コミ情報」が4割強で1位

■「英語版・エヴァンゲリヲン箱根補完マップ」「クールジャパン・ポスター:箱根」を制作
日本のアニメ文化は新たな日本観光の魅力となっている。そこで、JNTOはアニメ文化を発信し、人気アニメ、エヴァンゲリヲンの舞台である箱根への関心を高めるため、(財)箱根町観光協会と共同で、キャラクターおよび画像を使用したパンフレット「英語版・エヴァンゲリヲン箱根補完マップ」とポスター「クールジャパン・ポスター:箱根」を作成した。エヴァンゲリヲンは1995年の日本でのテレビ放映以来海外でもテレビ放映され、多くのファンを抱えている。

英語版マップはJNTOの海外事務所および国内の外国人観光案内所で2月1日より観光を目的とする外国人に対してのみ配布。また、ポスターは、観光施設および展示会等での活用を目的としており、個人への提供は行なわれない。

記者発表会に出席して
昨年の訪日外客数は大きく減少したものの、回復の兆しが見え始めてきた。経済情勢をはじめとする環境変化によって、訪日客のニーズにも如実に変化が現れることがアンケート結果からもうかがえた。

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