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「LGBT+プライド2023」日本など30カ国で調査、人口の9%がLGBTQ+ 同性婚支持が多数派

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6月はプライド月間と呼ばれ、世界中でLGBTQ+の権利を啓発するための活動が行われている。今回は、プライド月間にちなんで、欧州のメディアで発表されているLGBTQ+に関するランキングを紹介する。

第一弾は、30カ国の成人を対象に行った調査報告書「LGBT+プライド2023」の内容を基に、世界及び各国のLGBTQ+への認識や理解、認知度や受容度などについて紹介する。

 

人口に占めるLGBTQ+の割合、30カ国の平均で9%

「LGBT+プライド2023」は、フランス・パリに本社を置く多国籍市場調査コンサルティング会社イプソスが行った調査結果をまとめたもの。調査は2023年2〜3月にかけて、日本を含む30カ国に住む75歳以下の成人2万2514人を対象に行った。

それによると、30カ国の成人全体の平均9%がLGBTQ+であると認識していること、また、世代間の差が大きいことがわかった。また、2021年の調査以降、LGBTQ+の認知度や可視性は向上しているが、地理的な差は大きいこと、同性カップルの結婚と養子縁組を認めることについて、調査対象のほとんどの国で多数が支持していることなども明らかになった。

調査対象30カ国の平均で、成人の3%がレズビアンまたはゲイ、4%がバイセクシャル、1%がパンセクシャルまたはオムニセクシャル(いずれも、全性愛)、1%がアセクシャル(他者に対して性的欲求・恋愛感情を抱かないこと)であると認識している。また、Z世代はミレニアル世代の約2倍、X世代とベビーブーマーの約4倍の割合でバイセクシャル、パンセクシャル/オムニセクシャル、アセクシャルであることを認めている。

ゲイまたはレズビアンであると回答した人の割合が最も多いのはスペイン(6%)、バイセクシャルであると回答した人の割合が最も多いのはブラジルとオランダ(ともに7%)。日本は、ゲイまたはレズビアン(1%未満)、バイセクシュアル(1%)と回答した人の割合が最も少ない国だった。

 

LGBTQ+の可視性は向上しているが、国により差も

2年前に行われた前回のLGBT+プライド調査から、LGBTQ+の人々の可視性は向上している。今回調査した30カ国の平均で見ると、「親戚、友人、職場の同僚にレズビアン/ゲイ/ホモセクシャルがいる」と答えた人の割合は、全成人の47%で2021年から5ポイント増、26%が「バイセクシュアルの人を知っている」と答え(同2ポイント増)、「トランスジェンダーの知り合いがいる」と答えた人は13%(同3ポイント増)、「ノンバイナリー、ジェンダー・ノンコンフォーミング、ジェンダー・フルイドの人を知っている」と回答したのは12%(同3ポイント増)だった。

LGBTQ+の可視性は国によって大きく異なる。親族、友人、職場の同僚にレズビアン/ゲイ、バイセクシャルがいることは、ラテンアメリカ、スペイン、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカで最も多く報告されている。またジェンダーの多様性は、英語圏全体、ブラジル、そして特にタイで最もよく見られる。

一方、LGBTQ+コミュニティの可視性は、日本、韓国、トルコ、ルーマニア、ハンガリー、ポーランドで最も低かった。

 

オランダ、ポルトガルでは8割が同性婚支持

下のグラフは同性婚に関する質問への回答結果だ。調査対象となった30カ国を平均すると、56%が「1.同性カップルの合法的な結婚を認めるべき」(青色)と答え、16%が「2.何らかの法的承認を得ることは認めるが結婚はすべきでない」(水色)と答えた。また、3.結婚も何らかの法的承認を得ることも認めるべきではない」(紫色)と答えたのは、14%だった。さらに「4.わからない」(灰色)と回答したのが14%いた。日本は38%が「1.認めるべき」と回答し、9%が「3.認めるべきではない」と回答している。

同性婚は、調査対象のうち同性婚を合法とする20カ国すべてで49%から80%の支持率があった。他の10カ国では、イタリアとタイで過半数が同性婚を支持し、トルコを除く他のすべての国で過半数が少なくとも何らかの形で同性カップルを法的に承認することを支持。同性カップルの法的認知に反対する人は、どの国でも回答者全体の3分の1以下だった。

▶︎同性婚についてどう思いますか?

青色:同性カップルの合法的な結婚を認めるべき
水色:何らかの法的承認を得ることは認めるが結婚はすべきでない
紫色:結婚も何らかの法的承認を得ることも認めるべきではない
灰色:わからない

(出典:Ipsos Global Advisor)

 

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