インバウンド特集レポート
2019年も残すところあと1週間となりました。2019年、インバウンドで一番盛り上がったのは、9月20日から44日間にわたって開催されたラグビーワールドカップ日本大会だったのではないでしょうか。この期間は、ラグビー大国イギリスから特に多くの方が日本を訪れ、いつにもまして欧米圏からの観光客をよく目にしたように感じます。
ランキングにも東京オリンピック・パラリンピックを見据えた取り組みが入っており、2020年も観戦客を含めた多くのインバウンド客をお迎えしたいものです。 それでは、2019年にやまとごころ.jp読者の皆様が注目したニュースをアクセスランキング形式で紹介します。
(※タイトルをクリックすることで、各記事にアクセスできます)
1位
「2019年行くべきデスティネーション」で “SETOUCHI”が日本で唯一ランクイン! 欧米の有力旅行雑誌が相次ぎ発表
「ナショナル・ジオグラフィック・トラベラー」をはじめ、世界中の有力旅行雑誌の多くで「SETOUCHI」が魅力的な旅行先として評価された記事に注目が集まりました。せとうちは、芸術祭やしまなみ海道をはじめ、海や山など多くの魅力的なコンテンツを有する潜在力の高い地域ですが、高評価の原因は決してそれだけではありません。せとうちDMOによる継続的な認知度向上のための取り組みの結果であることを忘れてはなりません。
2位
インバウンド向けの交通系ICカード、Suicaとパスモが今秋導入へ
いよいよ来年開催となった東京オリンピック・パラリンピックに向けて、訪日外国人の日本旅行中の利便性を高める施策が様々な方面で行われています。一方で、観光庁「訪日外国人旅行者の受入環境整備に 関するアンケート」結果によると、訪日客の23.4%が「駅での切符やICカードの購入で困った」と回答しています。インバウンド向けの交通系ICカードの導入で訪日客の不満や不安を解消し、よりスムーズな旅が可能になれば、リピーター獲得にも効果がありそうです。
3位
世界の航空会社格付けランキング2019、総合1位はカタール航空 日本勢は全日空が3位に
「世界のベスト・エアライン」の最高位は5年連続でカタール航空でしたが、全日空(ANA)は「空港サービス」「ビジネスクラスの食事」「アジアのビジネスクラス」「航空会社スタッフ(日本部門)」「搭乗員(日本部門)」の5部門で最高位を獲得。日本航空(JAL)は、「エコノミークラス」と「エコノミークラスの座席」の2部門で1位に輝くなど、日本の航空会社のクオリティの高さは世界で認められました。
4位
訪日経験のある台湾人に聞いた、日本観光の大きな魅力とは?
日本ファンが多いといわれる台湾人。観光の目的1位は「風景・景色の観光」、2位が「飲食」、3位は「ショッピング」。満足度が高かったのは「清潔感」がトップで、以下順に「風景や景色」「グルメ」「治安」と続きます。意外なのは、「歌舞伎や相撲などの日本独自文化」「イベントや祭り」「寺社仏閣」などに対する満足度が10位以下となっていること。「外国人目線」を意識したマーケティング戦略の重要性を改めて考えさせられる記事です。
5位
在留外国人が訪日外国人にオススメする最新お土産ランキング2019年版が発表、お菓子や食器などがトップ5にランクイン
日本で暮らしている外国人ならではの視点が特に感じられるのは、2位にランクインした「箸」。「日本のお土産というのが一目でわかる」「色々なデザインがあって『カワイイ文化』を表していると思う」などの意見がありました。また5位にランクインした「大福・お餅」は、「冷蔵がいらないので持ち運びしやすい」「季節感もある桜餅が特にオススメ」など、日本人では思いつかない発想や深い知恵が見られました。海外を訪問する時のお土産としても参考になります。
6位
この冬、訪日外国人に人気の都市はどこ?ブッキング・ドットコムが発表
季節に関係なく東京、大阪、京都といったゴールデンルート上の有名観光地が人気ですが、エリア別ではそれぞれの特徴が見えます。東アジアでは移動距離が近い九州や沖縄の都市が人気。東南アジアのタイとシンガポールでは、札幌、高山、函館といった豪雪地帯の都市名がトップ10内に入ります。アメリカ、イギリス、フランスの欧米3か国のうち、特に長期滞在する傾向のあるフランスは、広島、奈良、日光など世界遺産を擁する都市に足を延ばしている様子が伺えます。
7位
ロンリープラネットがお薦め旅行先を選ぶ「Best in Travel 2020」地域編で東北が世界第3位に
「豊かな自然、祭りなどの文化遺産、食の魅力と親身なおもてなしに溢れ、東京2020オリンピック・パラリンピックで日本を訪れるアドベンチャー好きの旅行者に最適な新しい旅の地」と高い評価を得た東北地方。東京からのアクセスの良さ、震災後の目覚ましい復興力による観光地やインフラの充実なども高得点の決め手となりました。2016年からJNTOが行ってきたグローバルメディアへの集中的なキャンペーンも奏功しました。
8位
トリップアドバイザー世界の人気観光地ランキング2019を発表、1位はロンドン、日本の1位は6年連続で東京に
このランキングは、トリップアドバイザー上で旅行者が高く評価した観光都市・島をランキング化したもので、観光施設・宿泊施設・レストランの口コミの量、評価、予約関心度などに基づき、いわゆる「口コミ」による順位付けになります。やはり「東京」は、日本でもっとも旅行者に支持されています。また国内のランキングには名古屋が初登場し、広島がリバイバルでランクインを遂げています。オリンピックイヤーである来年のランキングが楽しみです。
9位
欧州の富裕層が最も訪れたい旅行先に日本が選出、豪州などを抑えて受賞
スペインで開催された富裕旅行商談会「The Essence of Luxury Travel」で、日本が最も訪れたい旅行先に選ばれました。贅沢な旅行の目的地として欧米を中心とした富裕層から日本に関心が集まっており、今回の受賞につながったということです。富裕層が旅行に求めるコンセプトは、一生に一度の体験や本物体験で、費用は惜しまないと言われています。JNTOでは今後も日本各地の観光業、旅行業者と連携しながら、様々な観光資源の魅力を強力に発信していきます。
10位
来阪するインバウンド客に向けて、G20大阪サミット開催に伴う交通規制など周知徹底。関空などでカード配布へ
2019年G20大阪サミット関西推進協力協議会では、広範囲での厳重な保全対策と交通規制が予想されることから、期間中に来阪するインバウンド観光客の混乱を避けるため「インバウンド向けG20情報提供カード」を作成し、関西国際空港で配布しました。携帯しやすい名刺サイズのカード表に英語・中国語繁体字・韓国語で、交通規制、観光情報、防災情報などの関係機関ホームページにスマートフォンから容易にアクセスできるQRコードを掲載しました。
読者の皆様の興味関心を元に、2019年に注目を集めた記事を紹介することで、今年のトレンドや注目のトピックスが見えてきたのではないでしょうか。これからも皆様のお役に立つインバウンドニュースをお届けいたしますので、2020年もやまとごころjpをよろしくお願いいたします。
最新のインバウンド特集レポート
【万博特集】食の多様性で高まる日本の魅力、海外ゲストをもてなす上で大切な心構えとは? (2025.02.14)
人口1200人 鶴岡市手向地区が挑む、出羽三山の山岳信仰を活かした持続可能な地域づくり (2025.02.07)
【万博特集】MICEの持つ可能性とは?MICEの基本から諸外国の成功事例、最新動向まで徹底解説 (2025.01.31)
サステナブルツーリズムを目指し、観光庁「持続可能な観光推進モデル事業」で変わる日本各地の地域づくり (2025.01.30)
2025年のインバウンド市場はどうなる? アジアから欧米豪中東まで11市場 12人の専門家が徹底予測 (2025.01.30)
20〜30代FIT層急増、ムスリム対応が成長のカギ。2025年のマレーシア訪日市場 (2024.12.25)
消費力が高いメキシコ市場、2025年の地方誘致は建築・アート・マインドフルネスなど特別な体験がカギ (2024.12.25)
2025年の訪日消費拡大と地方誘致のカギに、米国市場が注目する6つの新トレンド (2024.12.24)
リピーター増と共にローカル志向高まる中東市場、2025年 旅行者に選ばれるための重要なポイントとは? (2024.12.23)
完璧な事前の準備よりオープンな心で対応を、2025年拡大する豪州市場の地方受け入れに必要なこと (2024.12.20)
地域体験を求めるFIT急増、2025年シンガポール市場獲得に向けて地方ができることとは? (2024.12.19)
まだ見ぬ景色を求めて地方を旅するタイ市場、2025年は二次交通が地方誘致のカギに (2024.12.18)