インバウンド特集レポート
2021年も残すところあと7日。日本では、1年を通して入国規制が敷かれ、訪日観光客もほぼゼロ、国内旅行や移動を控えた方も多かったのではないでしょうか。
一方で、世界を見渡せば、ワクチンが普及した国/地域の一部では、入国規制が緩和され、徐々に旅行需要も戻り始めています。また、前年には中止や延期に追い込まれた国際イベントも、各主催者が感染症対策をとるなど工夫を凝らした上で、開催されました。
観光/インバウンド業界はどのような1年だったのか、編集部がセレクトした今年最も注目された話題10選と共に、2021年を振り返ります。
1.「東京オリパラ」1年延期で無観客にて開催
コロナ禍で開催が危ぶまれた東京2020オリンピックパラリンピックが、1年遅れで開催されました。無観客かつ、選手やコーチ・関係者を隔離し、外部との接触を遮断するバブル方式が採用され、大規模クラスターの発生もなく無事に終了。閉会式での2024年パリ五輪への引継ぎ式も大いに盛り上がりました。セーヌ川で行われる開会式の演出にも、今から注目が集まっています。
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2.世界各国/地域で始まったトラベルバブル、再開と休止の攻防
豪州―ニュージーランド間での構想を皮切りに広がった「トラベルバブル」。2021年は特にサイパンやパラオなどのリゾート観光地と、シンガポールや韓国、台湾などでトラベルバブル構築が進みました。ただし、感染症拡大と共に休止となるなど、再開と休止が繰り返される1年でした。なお、日本でも韓国やベトナム、シンガポールなどと構想の話が報道されたものの、実際に導入されたのは、特定の国/地域との「ビジネストラック・レジデンストラック」でした(2021年1月14日より当面の間、休止中)。
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3.観光xDX、観光庁が本格的に支援
コロナ禍で3密回避が重視されるなか、一気に浸透したDX(デジタルトランスフォーメーション)。2021年には、観光庁がDXの技術開発へ支援を行うなど、官民連携での取り組みが進みました。
やまとごころ.jpでも、観光DX特集を組み、国の方針や民間の取り組み、海外事例など多様な視点で記事を展開しました。
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4.サステナブルツーリズムの機運、日本の地域でも高まる
3位のDXと同様に、コロナ禍で急速に注目を集めたのが「サステナブルツーリズム」。
オランダを拠点とする国際認証団体、グリーン・デスティネーションズが選ぶ、持続可能な「観光地」ストーリー100選に、2021年は、日本では過去最多の12地域が選ばれました。同団体が10月に開催する主催イベント「Green Destinations Days」では、100選に選出されたニセコ町がホストを務めるなど、世界からも注目を集めました。
どの地域のストーリーもとても魅力的なので、こちらからぜひご覧ください。
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5.全国でワーケーションモニターツアー開催、一方で実施率は低調
コロナ禍で観光客が激減する中、宿泊施設ではワーケーションプランが続々と登場、自治体主導のワーケーションモニターツアーも全国各地で見られました。ただし調査の結果、ワーケーション実施率は1割にも満たないこと、会社の制度などを利用しない隠れワーケーターが4割を超えるなど、普及していない実態も。また、全国各地でワーケーション関連商品が造成されたいま、他の地域との差別化も重要なテーマとなりました。
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6.コロナ禍初となる大型国際イベント、ドバイ万博開幕!
2021年10月1日、1年延期の末に「2020年ドバイ国際博覧会」が開幕。UAEでのワクチン接種率は9割超、早くに国境開放に踏み切ったこともあり、来場者の3割が外国人となりました。なお、日本は、12月11日に開催のジャパンデーにて、日本の伝統文化で来場者をもてなし、2025年開催の大阪・関西万博をPRしました。
ワクチン普及とともに、ワクチン接種証明やPCR陰性証明の提示で入国可能な国や地域も増えています。オミクロン株の拡大で予断を許さない状況であるものの、徐々に日常を取り戻す姿も見えました。
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7.欧州中心に大型イベント再開、実証実験も
ワクチン普及とともに、移動規制の解除や国境開放が進んだ欧米諸国。東京五輪に先んじて、6月に開幕した欧州サッカー選手権では、スタジアム内外でクラスター発生も報じられました。そんな欧州でいち早く行われたのは、イベントや観光再開に向けた大規模実験。音楽祭や世界選手権、国際会議など計37のイベントを対象としたイギリスの調査結果から、大型イベントは集団での感染症拡大にどの程度影響を与えるのか。以下の記事をご覧ください。
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8.2021年独身の日「エコ」への関心高まる
中国で1日で最大の消費が生まれることで有名な独身の日。例年、取引額は最高記録を更新、世界中のブランドが商品をそろえ、ECプラットフォームによる購買促進のキャンペーンが行われてきました。2021年は、「取引額」重視の施策から「持続可能な発展」を意識した施策へと変わり、環境問題にも配慮して展開。また、若者の間でも、本当に必要な物だけを買うという動きもみられるなど、いつもと違ったキャンペーンになりました。
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9.ワクチン接種の格差を利用 富裕層向け新ビジネス「ワクチンツアー」
2021年は、ワクチン接種が進むと同時に、先進国と途上国でのワクチン格差も問題視されましたが、その差を利用した新ビジネスも出現。米国やロシアなどでは「ワクチンツアー」が注目を集めたほか、早い段階でワクチン接種が進んだUAEでは、居住権を得て接種対象となるためにオフショア企業を設立するなど、世界では富裕層の動きが活発化しました。
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10.Go Toトラベル再開に向け議論高まる 国内ランオペは年間通じて苦境
2020年12月28日以降、Go Toトラベルは一時停止状態が続いていますが、2021年は各自治体が県民割を推進。年間通じて、マイクロツーリズムは活況の1年でした。変異株の懸念がありながらも、2022年早々には、Go Toトラベル再開という報道も聞かれました。
一方で、旅行会社によるGo Toトラベル不正受給疑惑が報道され、インバウンド需要に支えられてきた国内ランオペは依然として厳しい状況にあることも見えてきます。
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