データインバウンド
【訪日外国人数】2020年9月訪日客数、半年ぶりに1万人を超えるも、12カ月連続で前年同月割れ
2020.10.22
刈部 けい子日本政府観光局(JNTO)が10月21日に発表した2020年9月(推計値)の訪日外国人数は、前年同月比99.4%減の1万3700人だった。2020年3月以来、半年ぶりに1万人を超えたものの、12カ月連続で前年同月を下回った。
2020年1月から9月の訪日外国人数合計は397万3200人(前年同期比83.7%減)となった。
JNTOによると訪日外国人とは、法務省集計による外国人正規入国者から、日本を主たる居住国とする永住者等の外国人を除き、これに外国人一時上陸客等を加えた入国外国人旅行者を指す。駐在員やその家族、留学生等の入国者・再入国者は訪日外国人数に含まれるが、乗員上陸数は含まれない。
ちなみに7月の訪日客数(暫定値)は3782名で、そのうち418名が観光客だった。
レジデンストラック、ビジネストラックなどで国際的な人の往来は再開も
9月の訪日客で最も多かったのは中国の3000人、ついでベトナム2700人、韓国が1400人、タイが1000人だった。
日本政府はJNTOの重点22市場のうち、タイとベトナムとは7月29日から、台湾、マレーシアとは9月8日から、シンガポールとは9月30日から、韓国とは10月8日から駐在員などの長期滞在者を対象に双方向の往来の再開を認める「レジデンストラック」の受付を開始した。
また、シンガポールとは9月18日から、韓国とは10月8日から、原則90日以内の短期出張者用の「ビジネストラック」の受付も開始している。
さらに、10月1日からはビジネス上必要な人材等に加え、順次、留学、家族滞在等のその他の在留資格も対象とし、原則として全ての国・地域からの新規入国を許可したため、今後も入国者の増加傾向は続くと見られる。ただし、その数は限定的な範囲に留めるとされており、上陸拒否、検疫強化、査証の効力停止等の措置は継続される。
上記のように国際的な人の往来は段階的に再開されているものの、現在も日本は引き続き159の国と地域からの外国人の入国を「特段の事情」がない限り拒否している。JNTOの重点22市場はその対象となっており、日本への直行便は大幅な運休・減便で、観光客の入国は引き続きゼロに近い数字となっている。
各市場でも日本を含む海外への渡航禁止や渡航中止勧告が続いており、日本からの入国についてはPCR検査の受診や14日間の隔離が義務付けられている場合も多い。
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