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2020年の旅行市場見通しを発表、訪日客数は前年比7.9%増の3430万人と推計
2019.12.25
JTBは20日、2020年の旅行市場の見通しを発表した。国内旅行人数は前年比0.5%増の2億8632万人、海外旅行人数は前年比4%増で2080万人、訪日外国人旅行者数は前年比7.9%増の3430万人と推計した。
2020年の訪日旅行は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(東京2020大会)開催による波及効果、中国やインドのビザ発給要件が緩和されたことや日本路線の増便により、中国やアジア新興国からの旅行者数が増加する見込みと予測。東京2020大会開催による訪日外国人旅行者の飛躍的な増加が期待されるが、ラグビーW杯よりも期間が短いこと、東京周辺が主な会場であることから限定的とみている。経済が成熟した国の首都開催だった2012年のロンドン大会を例にすると、前年比0.9%の増加(英国国家統計局)に留まっており、爆発的な増加は考えにくいとした。
宿泊施設に目を向けると、2020年は日本には足りないといわれていたラグジュアリーホテルが続々と開業する。同時にゲストハウスや民泊などの利用も好調なことから、宿泊施設の多様化が一層進むとみている。また、リピーターの増加に伴い、より地方へ足を延ばすインバウンド客が増えると予測。受け入れる地域も量から質への転換が図られると指摘している。アドベンチャーツーリズムやエコツーリズムなど、日本の豊かな自然を活かした付加価値の高い体験が注目されそうだ。
1年間の全体的な見通しは、消費増税の影響が残り、レジャー費への支出が停滞傾向であるものの、東京2020大会開催に伴う精神的な高揚感なども手伝って年後半には回復に向かうとした。7月から9月にかけて開催される東京2020大会では、観戦を目的とした旅行者や大会関係者が集中し、大会期間中は宿泊料金の高騰や交通機関の混雑などが予想される。また、大会前後に4連休が2回あることから、従来なら旧盆前後にピークを迎える運賃や宿泊費も夏休み期間全体に長引くと予想。一方で2019年に10連休だったゴールデンウィークが2020年は5連休となるため、前年より動きは鈍くなりそうだ。
その他、レジャーや旅行の場面において、AIや5Gなどの最新のデジタル技術を使ったサービスや機器の広がりが期待されている。高画質な動画の配信や多視点による試合観戦、ARやVRなどによる新しい楽しみ方など、五輪を契機に急速に拡大する可能性を示唆。また、休暇と業務を合わせたワーケーション、ブリージャーなど柔軟な旅行スタイルも注目される。2019年には働き方改革関連法が施行され、すべての企業で5日間以上の有給休暇が義務化された。政府は「2020年に有給取得率70%」の目標を掲げており、休暇が取りやすい環境が広がれば旅行需要にもつながりそうだ。
2020年の海外旅行については、羽田空港における国際線発着枠の増加が後押しとなり、初の2000万人を突破するかが注目される。
(やまとごころ編集部)
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