インバウンド特集レポート
2018年も残すところあとわずかとなりました。2018年は、1月4日に旅行業法の改正と通訳案内士法の施行から幕開けしたインバウンド業界。旅行業法の改正では、国内旅行の交通手段や宿などの手配業務を行うランドオペレーターに対し「旅行サービス手配業」として登録を義務付けたほか、通訳案内士法の施行では、国家資格保有者に限定されていた有料での通訳ガイドを自由化しました。また、6月15日には、住宅関連事業者法(民泊新法)が施行され、民泊が正式に認められるなど、インバウンドに関わる各種業法が施行された1年でした。
そんななかで、やまとごころjpの読者の皆様が注目したニュースを、アクセスランキング形式でご紹介します。
※タイトルをクリックすることで、各記事にアクセスできるようになっています。
1位
訪日外国人に人気の体験ランキング発表、キーワードは「日常体験」「多様化」
当記事は、過去5年以内に、観光目的で訪日したことがある韓国・中国・米国・インド・ドイツ国籍の方を対象に行ったアンケート結果をまとめたものです。アンケート結果からは、国籍によって、訪日旅行の目的や期待することが多種多様なのが分かります。例えば、韓国では、リフレッシュや温泉、都市公園や繁華街の散策など、日本人と同じような旅のスタイル、また日本人の日常を楽しんでいます。一方で、今後体験したいことでは、秘境訪問や、祭りなどが人気で、ニーズの多様化が進んでいることも分かりました。
2位
外国人が求める「食」の傾向が明らかに。訪日外国人が予約した日本の飲食店ランキング発表
訪日客の期待が最も高いのは「日本食」を味わうことですが、実際に人気の飲食店とはどのような場所なのでしょうか。全世界でレストラン予約サイトを運営するオープンテーブルが、飲食店に行ったアンケートをもとにランキングを発表しました。ランキングには、懐石料理やすし、てんぷらなど典型的な日本食レストランだけでなく、アメリカ料理、イタリア料理なども入っていました。これらのお店に共通することは、いったい何なのでしょうか。
3位
地方自治体によるインバウンド向け地域PR動画が相次ぎヒット
毎年、各企業や自治体が試行錯誤を続けるインバウンド向け施策ですが、なかでも、今年注目を集めたプロモーション施策の一つに「動画」があります。
このニュースでは、2つの動画を紹介。1つ目は、神聖な空気が漂う島根県「出雲」の魅力を紹介する動画で、公開から2週間で540万回、4カ月で1,200万回視聴されました。もう1つは、のどかな田園風景や豊かな食といった風光明媚な宮崎県小林市の魅力を紹介する動画。来年開催されるラグビーワールドカップに訪れるインバウンド客を視野に製作し、英・仏・豪・香港に動画を展開、3カ月で430万回視聴されました。小林市によると、視聴動向などの収集したデータをマーケティングに活用するとのこと。
視聴者の興味をそそる動画を制作することも大切ですが、施策を通じて得た示唆を次の取り組みにいかせるかどうかも、大切なポイントです。
4位
トリップアドバイザー「外国人に人気の日本の体験・ツアー2018」ランキング発表 日本を深く味わう体験が複数ランクイン
「モノ」から「コト」への動きが加速し、体験型観光が人気を集めていることをうけて、今年から新たに発表を始めた、外国人に人気の日本の体験・ツアーランキング。2位には、フクロウと触れ合うことが出来るカフェ「フクロウカフェ」がランクイン。昨年は、同じようにフクロウと触れ合えるカフェ「アウルの森」も当サイトにて紹介しています。
また、トップ15中3位、7位、12位と3つランクインしたのは「料理教室」。2013年に世界遺産に登録され世界中で話題の日本食。食べるだけでなく作ることへの関心の高まりが見て取れる結果になりました。これ以外にも、観光地巡りやサイクリングツアーなど、様々な体験コンテンツがランクインしています。
5位
JNTO、新たに10のインバウンド重点市場設定へ。相次ぐ災害で訪日客数に危機感も —第20回インバウンド振興フォーラム
2018年9月6日、JNTO主催のインバウンド振興フォーラムが東京で開催されました。くしくも、2日前の9月4日は、台風21号の影響で関西国際空港の連絡橋にタンカーが激突、また、同日の午前3時過ぎには北海道胆振東部地震が発生しました。また、6月には最大震度6弱の大阪北部地震が発生、7月に発生した豪雨では瀬戸内海を中心に土砂災害など甚大な被害を引き起こすなど、2018年を表す漢字が「災」となったように、災害に見舞われた1年でした。そういったなかでも、12月18日には、訪日客数3000万人を突破し、今年は3100万人程度で推移する見込みとも言われ、順調に訪日客数は増加しています。2年後の2020年までに訪日客数4000万人を達成するために、JNTOは、既存の20市場以外にも、成長が見込める10市場を重点市場と設定して、市場調査やプロモーションに積極的に取り組んでいく予定です。
6位
トリップアドバイザー「外国人に人気の日本のホテルと旅館2018」発表。両部門で1位を独占した企業とは?!
当記事は、12月14日に公開しましたが、非常に多くの方に読んでいただき、わずか1週間ほどで年間6位にランクインしました。2014年から開始した当ランキングは今年で5年目。初登場で1位に輝いたのは、ホテル部門、旅館部門ともに星野リゾートが運営する宿泊施設でした。両施設に共通しているのは、「行き届いたサービス」と「滞在中の快適な時間」を提供していることです。
なお、昨年発表の「外国人に人気のホテルと旅館2017」の旅館部門で1位を取った京都の旅館の取り組みを取材して掲載しました。まだお読みでない方は一度ご覧ください。
7位
英語圏人気ユーチューバーが日本の居酒屋ツアーを紹介 1週間で20万回超再生
日本の食文化などを紹介した動画で人気を集めるインフルエンサーの在日カナダ人夫婦。訪日外国人観光客向けのツアーで、彼らが日本の居酒屋を楽しむ様子がYoutubeに公開され、大きな反響を呼びました。
夜間に楽しめるアクティビティの少なさが訪日客の不満の種の一つとなっており、夜のコンテンツ開発がせかされるなか、日本の居酒屋をはしごするツアーが生まれています。当サイトでも、新宿や西荻窪、新宿区荒木町で開催されている飲食店を回るツアーについて紹介しているので、参考にしてみてください。
8位
観光庁「楽しい国 日本」の実現に向けて提言を公表 ナイトタイムやモーニングタイムの有効活用など目指す
政府が掲げる、2020年までに訪日旅行消費額8兆円という目標達成には、モノからコトへと移行する訪日客のニーズを踏まえた体験コンテンツの更なる充実が欠かせません。観光庁は今後、温泉やお祭りといったその地域に根差しているコンテンツを活用したり、現在有効活用されていない、朝や夜の時間帯でのコンテンツの充実などに力を入れていくとしました。更に、スポーツ観戦を訪日客に開放していくこと、それに必要なチケット購入や代金支払いの円滑化に取り組む方針も打ち出しました。
9位
中国人観光客に人気! 訪日花見ツアー予約が前年比6割増
観光庁の消費動向調査によると、次回訪日時に「四季の体験」をしたいと考える人は、30%を占めます。特に年間を通して気温が変わらないタイでは、タイの休暇ソンクラーンに合わせて桜を見に訪日する人が増えると言われています。そんな桜のシーズンは、訪日数トップの市場中国からも人気です。中国系のあるOTA(オンライントラベルエージェント)によると、今年の花見ツアーの予約状況は前年比6割増と大きく伸びました。人気エリアは東京、京都、大阪、福岡といった有名どころでしたが、三重や奈良でも、桜シーズンの訪日客誘致に取り組みました。
10位
100均での訪日客人気商品ランキング発表! 中国人はキャラクターグッズ、アメリカ人は和雑貨好き?!
日本で当たり前となった100円均一ショップは、外国人にも人気です。訪日客が多いエリアのお店では、和柄やキャラクター関連のグッズが、入り口の目立つ位置に並んでいるのを目にしますが、実際に売れている商品はどのようなものでしょうか。
外国人にも人気の原宿の100円均一ダイソーでの売れ筋を元に、訪日客に人気商品ランキングを発表しました。はたしてその結果は?!
読者の皆様の興味関心を元に、今年注目を集めた記事を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。今年のトレンドや注目のトピックスが見えてきたのではないでしょうか。
これからも皆様のお役に立つインバウンドニュースをお届けいたしますので、2019年もやまとごころjpをよろしくお願いいたします。
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