データインバウンド
生活費の高い都市ランキング2021年版発表、世界一お金のかかる都市はどこ 日本の都市の順位は?
2022.01.07
イギリスのザ・エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)による、世界一お金のかかる(生活費の高い)都市のランキング2021年版が発表された。日本の都市では2020年5位タイの大阪が10位に入った。なお、2012年まで、このランキングで世界一物価の高い街だった東京は、最近はトップ10圏外にあり、2021年は13位だった。
トップはイスラエル第2の都市テルアヴィヴ
このランキングは5大陸の173の都市について、交通費や家賃、食費、シャンプーや化粧品などの生活用品等、200以上の商品、サービスの価格を調べて、ニューヨークを基準(WCOL指数100)に生活費を比較したものだ。
2021年の世界で最も生活費の高い都市の1位は、イスラエルの人口第2位の都市であるテルアヴィヴ(同106)だった。地中海に面し、経済とIT産業の中心地として知られる同地が、2020年の5位タイからパリやシンガポールを押しのけて初めてトップに立った理由の一つとして、同国の通貨シェケルの対米ドル相場の高騰が指摘されるほか、食料品や交通費の値上がりが目立った。
2020年にチューリッヒ、香港とともに1位だったパリは1つ順位を下げてシンガポールと2位タイ。他にスイスが2都市、アメリカが2都市、アジアでは香港(5位)、大阪(10位)がトップ10に顔を揃えた。そのほか、お隣のソウルは12位、東京は13位だった。
最もランクを下げたのはイタリアのローマで、32位から48位にダウン。食品や衣料品の価格が急落しているためだ。一方、最もランクを上げたのはイランの首都テヘランだった。米国の制裁で物資の供給が滞り、輸入品の価格が上昇するなどで、79位から29位に上がった。
最も生活費の安い都市は2020年と変わらず、内戦が長引くシリアの首都ダマスカスだった。
全世界的に交通費が値上がり
2019年暮れからの2年間、コロナ禍で世界の主要都市の物価は上昇しており、商品やサービスの価格は前年より3.5%値上がりした。コロナ前の2019年(2.8%)の上昇率を上回り、この5年間で最もインフレ率が高い。なかでもコスト上昇が最も大きかったのは交通費だった。公共交通機関の運賃は安定しているものの、日本でも話題になっているように原油価格の高騰で、無鉛ガソリンは平均21%も値上がりしている。
同ランキングの担当責任者ウパサナ・ダット氏はプレスリリースで、「2022年は賃金上昇に伴い、多くの都市で生活費のさらなる上昇が予想される。ただし、中央銀行はインフレ抑制のため慎重に金利を引き上げることも期待している。そのため、物価上昇は今年の水準から緩和されるだろう」と述べた。
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