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お好み焼きの千房、ムスリム対応店舗を道頓堀にオープン。国際ハラル牛や祈祷室で環境整備へ

2019.01.17

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訪日外国人客数が加速する中、イスラム圏からの訪日客も日々増加している。それを踏まえ、お好み焼専門店「千房」を経営する(株)千房ホールディングスが、イスラム教の教えに則って生活を送るムスリムが安心して大阪の食文化を楽しめる店舗「CHIBO Diversity道頓堀ビル店」を道頓堀にオープンする。

外国人観光客が日本で楽しむコンテンツとして、重要なのが日本食。しかし、宗教によっては食材などの制限があり、興味があっても楽しめないのが実情であった。このような現状を改善すべく、新店舗では、ムスリム専用の独自のガイドラインを設け、それに沿ったメニューを提供する。主力商品である「お好み焼」「焼きそば」に使用する食材は、ハラル認証付きのものを使用し、安心できる材料を使った調味料を導入する。また、豚肉を食べないイスラム教徒の間で関心が高い国産和牛も「国産ハラル牛」を使う。また、イスラム圏で親しまれている食材を取り入れ、日本食の要素を加えた「フュージョンメニュー」も用意、新しい食の可能性を追求していく。

ハラル対応店は、大阪観光のメッカである道頓堀の店舗の最上階に設置。イスラム教信者に欠かせない祈祷用の「祈祷室」のみならず、祈祷前に身体を清める行為「ウドゥ」を行える設備も完備した。ハラル対応の土産物も取り揃え、安心して買い物もできるように環境を整えた。

政府予測を上回るペースで急増する訪日客だが、今年開催されるG20サミット首脳会議とラグビーW杯、そして2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2021年のワールドマスターズゲーム2021関西、2025年の大阪万国博覧会の開催に伴い、来阪する訪日観光客の一層の増加も見込まれる。会期が迫る多くの国際的イベントを見据えて受け入れ態勢を整え、日本の食文化を多様な文化圏からの観光客に紹介していく考えだ。

(やまとごころ編集部)

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