データインバウンド
2026年4月訪日客数5.5%減の369万人、イースター期ずれで欧豪減少も韓国・台湾は好調。累計1400万人突破
2026.05.21
やまとごころ編集部日本政府観光局(JNTO)が発表した2026年4月の訪日外国人旅行者数(推計値)は369万2200人となり、前年同月比5.5%減だった。ただ、2026年の中では単月最高を記録し、1〜4月の累計数は1437万5800人と、2年連続で1400万人を突破した。


4月訪日客数、桜シーズン追い風もイースター期ずれで市場ごとに差
4月は桜シーズンによる需要拡大が続いた一方、前年は4月に集中していたイースター休暇需要が、2026年は3月下旬〜4月上旬に分散した影響もあり、欧州を中心に前年割れとなる市場も目立った。
韓国、台湾、ベトナムなど9市場で4月として過去最高を記録し、フランスでは単月過去最高を更新した。
市場別動向、韓国・台湾・東南アジアは好調、欧州・豪州は休暇分散で減少
市場別にみると、東アジアでは韓国が87万8600人(前年同月比21.7%増)と好調で、釜山〜下地島線の新規就航や仁川〜成田線、仙台線の増便などが寄与した。4月として過去最高を更新している。
台湾も64万3500人(同19.7%増)と伸長した。福岡線や成田線の増便、富山へのチャーター便運航、4連休需要などが押し上げ要因となった。こちらも4月として過去最高を記録した。
一方、中国は33万700人(同56.8%減)と大幅減が続いた。訪日需要が落ち着く時期に加え、中国政府による渡航注意喚起や航空便減便の影響が引き続き背景にあるとみられる。
香港も22万6000人(同14.3%減)と減少傾向だった。前年同月比で航空座席数が減少したことに加え、イースター休暇需要が3月下旬に前倒しされた影響が出た。

東南アジア市場では、ベトナムが7万6000人(同18.6%増)、マレーシアが6万400人(同18.1%増)と堅調に推移し、いずれも4月として過去最高を更新した。ベトナムではハノイ〜静岡線の新規就航、マレーシアでは関西直行便増加などが需要を支えた。
インドは、デリー〜羽田線やムンバイ〜成田線の増便、新規就航などを背景に、4万1900人(同12.2%増)と4月として過去最高を記録した。シンガポールも、羽田線の増便や祝日需要が寄与し、6万2900人(同4.8%増)と4月として過去最高となった。タイも、旧正月「ソンクラン」や、バンコク〜仙台線の復便などの影響で16万4800人(同4.0%増)と増加した。
一方、フィリピンは8万8400人(同2.8%減)、インドネシアは6万2200人(同1.3%増)と横ばい、ないしは微減にとどまった。断食明け休暇需要が3月にずれた影響とみられる。
米豪市場では、アメリカが33万人(同0.8%増)と堅調に推移し、4月として過去最高を更新。継続する訪日人気が下支えした。一方、イースター休暇の期ずれの影響で、オーストラリアは10万2500人(同11.1%減)、カナダは7万300人(同3.2%減)、メキシコは2万1200人(同2.7%減)と減少した。
欧州では、フランスが、スクールホリデー需要などを背景に、5万9200人(同3.7%増)と単月過去最高を記録した。ロシアは、クルーズ船寄港や経由便多様化などを背景に、2万5800人(同11.4%増)と4月として過去最高を更新した。
一方で、欧州でもイースター休暇の期ずれの影響を受けた市場では減少が目立った。イギリスは5万9900人(同13.8%減)、ドイツは4万8500人(同15.2%減)、イタリアは3万人(同34.2%減)、スペインは1万9000人(同21.6%減)となった。
中東地域は、中東情勢による航空便の運休・減便などの影響が続いており、2万2300人(同21.4%減)となった。
1〜4月累計1437万人、中国減少響き前年同期比0.5%減
2026年1〜4月の累計訪日客数は1437万5800人で、前年同期比0.5%減となった。韓国や台湾などが好調を維持する一方、中国市場の大幅減少などが影響し、累計では前年同期をわずかに下回った。

市場別では、韓国が393万6700人(同22.0%増)、台湾が268万5000人(同24.2%増)と引き続き全体をけん引した。一方、中国は140万4300人(同55.1%減)と大幅減が続いている。
その他の市場では、伸び率で見ると、メキシコ(同35.5%増)やロシア(同27.4%増)などが堅調に推移している。
日本人出国者数は8.4%増、海外旅行需要回復も不透明要素残る
また、日本人出国者数は4月が104万2100人で前年同月比8.4%増、1〜4月累計では472万7000人(同5.6%増)となった。回復傾向は続いているものの、国際情勢や航空供給の変動など不透明要素も残る。
【編集部コメント】
イースター需要の分散で「前年割れ」でも高水準維持
今回はイースター休暇の時期ずれによる需要分散の影響が大きく、単純な前年同月比では実態を測りにくい月となった。実際、韓国や台湾など近距離市場は引き続き高水準を維持しており、訪日需要そのものは底堅い。
一方で、中国市場の大幅減少が累計全体を押し下げる構図は変わっていない。航空供給や外交・安全情報など外部要因による変動リスクも改めて浮き彫りになった。
今後は、単月の前年比だけでなく、航空座席供給や祝日配置を含めた需要構造の変化を踏まえ、市場別の安定性を見極める視点が重要になりそうだ。
*JNTOによる訪日外国人とは、法務省集計による外国人正規入国者から、日本を主たる居住国とする永住者等の外国人を除き、これに外国人一時上陸客等を加えた入国外国人旅行者を指す。駐在員やその家族、留学生等の入国者・再入国者は訪日外国人数に含まれるが、乗員上陸数は含まれない
(出典:日本政府観光局 訪日外客数2026年4月推計値)
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