データインバウンド
2023年3月世界の航空需要 2019年比9割に迫る、国内線はコロナ前超えも。完全回復目前に
2023.05.11
やまとごころ編集部IATA(国際航空運送協会)によると、2023年3月の世界の航空需要は引き続き強い伸びを示したことがわかった。
3月の総RPK*は前年同月比52.4%増となり、パンデミック前の2019年同月比では88.0%まで回復している。国際線RPKは、パンデミック前の81.6%まで戻り、すべての市場で健全な成長を示した。また、国内線RPKはパンデミック前の水準を1.1%下回っただけで、ほぼ回復したと言えるだろう。
(*RPK:有償旅客が搭乗して飛行した総距離=revenue passenger kilometers:有償旅客数×輸送距離)
アジア太平洋地域が引き続き国際線の伸びを牽引
3月の国際線RPKは2月より3.5ポイント改善し、2019年の水準を18.4%下回る程度まで改善した。特に中国が牽引するアジア太平洋地域の伸びは顕著で、2022年3月が2019年同月比16.8%だったのに対し、2023年3月は同64.4%まで回復している。
欧州地域の国際線RPKは2019年同月比13.7%減で、伸びは鈍化したものの安定している。北米と中南米はそれぞれ2019年同月比96.9%と84.3%まで回復しており、特に欧州と北米を結ぶ路線はパンデミック前を超え、欧州と中南米の路線もほぼ2019年の水準まで戻った。
また、北米に次いで回復率の高い中東地域は2019年同月比92.5%で、それに伴い、欧州と中東を結ぶ路線も9割程度まで回復した。アフリカ地域も同88.8%まで回復している。
インド国内線はパンデミック前を10%超える
3月の国内線RPKは、2019年同月比で1.1%減となり、2月に続いて好調を維持。地域別では、欧州や中南米でパンデミック前のレベルを大きく超えている。アジアもこの3カ月で急ピッチで回復しており、前年同月から倍増し、2019年の水準をわずか4%下回るだけになった。
国別では、ここで取り上げた市場の中で唯一インドが2019年同月を上回る数字を記録した。また、日本、中国、オーストラリアもパンデミック前の水準にあとわずかと迫り、特に中国は1月以降、大きく改善している。
春節時期に一気に増加した世界の航空券の販売数だが、国内線の予約は増加を続け、4月中旬には全世界で2019年の水準を20%上回った。これは前述の通り、中国の水際対策緩和以降の加速度的な伸びを反映しているもので、完全な回復ももうそこまできていると言えるだろう。
夏のホリデーシーズンまで強い成長が続く
IATA事務局長のウィリー・ウォルシュはこの結果を受け、「第1四半期の航空需要は好調に推移した。国内線は数カ月前からパンデミック前の水準に近づいている。また、国内線・国際線ともに航空券の売れ行きが好調で、北半球の夏の旅行シーズンのピークまで強い成長が続くことを示唆している」と話した。
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