インバウンドニュース
検索数から分かる春節の動向を調査。台湾・香港は「雪」目当て、韓国は?
2019.01.21
中国・台湾・香港・韓国における冬期休暇にもあたる12月〜2月の春節(旧正月)における日本の旅先検索動向を(株)アウンコンサルティングが調査した。
訪日客の都道府県別訪問ランキングでは、どの国も1位が大阪府となった。韓国は2位に福岡県がランクイン、それ以外の地域では東京都が2位となった。メジャーな観光地がランクインしている中国と比較すると、台湾・香港・韓国では九州の人気が高く、韓国では5位以内に「福岡県」「大分県」が入っている。韓国から九州への去年の訪日者数を見ると、訪日韓国客全体の30%を占めており、LCCの新規就航などにより個人旅行枠が拡大したことが要因と考えられる。
台湾と香港に共通して見られた傾向は、一部の日本の観光地が日本語で検索されていることが挙げられる。検索数で多いのは「軍艦島」「石垣島」「明治神宮」など。漢字と繁体字の文字形が類似しており、同じ意味と理解できることが起因しているようだ。一方、三重県「なばなの里」のようにひらがなが多い名称は、繁体字で検索されている。
調査対象時期が12月~2月と日本の冬の時期にあたるため、検索動向からから冬に何を楽しみたいか見えてきた。例えば、土地柄雪が降る韓国からの訪日客は、温泉好きということもあってか温暖な九州に集まり、熊本県「黒川温泉」や大分県「別府温泉」など、温泉地への関心が高い。逆に雪のない台湾・香港からの訪日客は、北海道「小樽運河」や長野県「地獄谷野猿公苑」、岐阜県「白川郷」などの検索数が多い。
過去3年間で検索数が増加した観光地は「小樽運河」で、台湾で3倍、香港で4倍に。台湾では、20年ぶりに、ロケ地が小樽の日本映画「Love Letter」が放映されたことも影響していると考えられる。韓国からの検索数では大分県「由布院温泉」、熊本県「黒川温泉」などが伸びている。また、三重県「なばなの里」もゴールデンルートから近いと紹介されたこと、秋から初夏にイルミネーション点灯があることなどから、関心が高まっているようだ。
2019年の春節は2月4日から2月12日まで。訪日プロモーションには、対象国の文化が反映する旅先傾向を理解した上での施策が必要となりそうだ。
(やまとごころ編集部)
編集部おすすめ関連記事:
関連インバウンドニュース
2024.10.07
Z世代の最新旅行動向を世界33カ国で調査。AIへの信頼度や、SNS利用について世界と日本の差が明らかに
2024.10.03
大手旅行雑誌で日本が「世界で最も魅力的な国」に、米国版・英国版でダブル受賞。東京 最も魅力的な大都市に
2024.10.01
旅の相互交流で地域活性化に繋げる、旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン2024」開催
2024.09.26
中国の2024年大型連休「国慶節」の旅行消費調査、4割弱が日本旅行を予定。日本で一番人気のエリアは?
2024.09.18
台湾・アメリカの訪日客「旅ナカ」体験情報から、次の日本旅行で行ってみたい場所が明らかに
2024.09.10
2023年最大の観光市場はアメリカ、今後10年で大きな成長を遂げる国は?―世界旅行ツーリズム協議会
2024.08.28
富裕層旅行者のウェルネスへのニーズ調査、8割が日本の「Jウェルネス」へ期待。文化・精神的な体験への興味も
2024.08.20
中国の若者のトレンド、小紅書ユーザーの検索から分析、旅行では「小さな町」「博物館訪問」などが急増