データインバウンド
2026年8月訪日客数9.6%減の309万人、中国市場の低迷や台風による欠航も14市場で8月の過去最高
2026.09.17
やまとごころ編集部日本政府観光局(JNTO)が発表した2026年8月の訪日外国人旅行者数(推計値)は309万8900人で、前年同月比9.6%減となった。7月は4カ月ぶりに前年同月を上回ったものの、8月は再び前年割れとなった。
中国市場が前年同月比59.0%減と大幅な減少を続ける一方、韓国や台湾、香港などは伸長。14市場で8月として過去最高を記録し、このうちイタリアとスペインは単月として過去最高を更新した。2026年1〜8月累計は2762万6300人で、前年同期比2.7%減となった。


14市場が8月として過去最高、イタリア・スペインは単月最高を更新
8月は東南アジアを中心に訪日需要が落ち着く時期である一方、東アジアや欧米豪、中東では夏季休暇や祝日に合わせた旅行需要の高まりが見られた。航空便の減便や台風による欠航などの影響もあり、市場によって明暗が分かれた。
14市場(韓国、台湾、香港、マレーシア、インドネシア、インド、米国、メキシコ、フランス、イタリア、スペイン、ロシア、北欧地域、中東地域)では、8月として過去最高を記録した。
一方、中国は41万8000人で前年同月比59.0%減となった。中国政府による日本への渡航注意喚起や航空便の減便などが影響し、引き続き訪日客数全体を押し下げた。
市場別動向、中国59%減の一方、メキシコ37%増、韓国29%増など各市場で明暗
東アジアでは、韓国が85万500人(前年同月比28.7%増)、台湾が66万6000人(同7.3%増)、香港が24万7300人(同9.4%増)となり、いずれも8月として過去最高を記録した。台風による航空便への影響などがあったものの、スクールホリデーや航空座席数の増加、継続する訪日旅行人気などが需要を押し上げた。
一方、中国は41万8000人(同59.0%減)だった。スクールホリデーによる需要はあったものの、日本への渡航注意喚起や航空便の減便などの影響を受けている。

東南アジアでは、マレーシアが2万6000人(同23.0%増)、インドネシアが3万2500人(同3.4%増)、インドが1万9500人(同4.7%増)となり、いずれも8月として過去最高を更新した。マレーシアでは、夏場は訪日需要が落ち着く時期であるものの、スクールホリデーや祝日などが需要を押し上げた。シンガポールも2万1600人(同5.3%増)と前年を上回った。
一方、フィリピンは3万9100人(同11.6%減)、タイは3万2200人(同9.3%減)、ベトナムは5万6600人(同7.5%減)となった。フィリピンとタイでは航空便の減少・減便、ベトナムとタイでは訪中旅行の継続的な人気などが影響した。
米豪市場では、アメリカが19万7400人(前年同月比1.5%増)、メキシコが1万8600人(同37.0%増)となり、いずれも8月として過去最高を記録した。
一方、オーストラリアは3万8200人(同7.4%減)、カナダは5万600人(同1.8%減)と前年を下回った。オーストラリアでは、現地の物価上昇などによる海外旅行の抑制が影響したとみられる。
欧州市場では、イタリアが4万7300人(同15.1%増)、スペインが3万6500人(同14.1%増)となり、いずれも単月として過去最高を更新した。スクールホリデーやバカンスシーズンに加え、スペインではマドリード〜成田線の増便などが寄与。また、フランスは4万300人(同8.4%増)、ロシアは1万4400人(同10.4%増)となり、ともに8月として過去最高を記録した。
一方、ドイツは3万3700人(同5.5%減)、イギリスは3万6600人(同0.2%減)となった。ドイツでは、一部の州でスクールホリデーが2025年より早く終了したことなどが影響したとみられる。
北欧地域は9400人(同3.9%増)、中東地域は2万2900人(同24.8%増)となり、ともに8月として過去最高を更新。中東では、一部路線での航空便の再開や増便、スクールホリデーなどが需要を押し上げた。
1〜8月累計2763万人、2.7%減とマイナス幅拡大も韓国・インドなど4市場で2割超増
2026年1〜8月累計の訪日客数は2762万6300人で、前年同期比2.7%減となった。7月時点の1.7%減からマイナス幅が拡大した。
市場別では、韓国が742万300人(前年同期比21.2%増)、台湾が540万2000人(同19.8%増)となり、主要市場の中で引き続き高い伸びを示している。香港も181万8300人(同8.7%増)となった。
一方、中国は290万4600人で同56.7%減と大幅な前年割れが続いている。
伸び率では、メキシコが同28.0%増、ロシアが同22.1%増、韓国が同21.2%増、インドが同20.2%増、台湾が同19.8%増と高い伸びを示した。

日本人出国者数159万人、8月は3.6%減も累計では2.8%増を維持
8月の日本人出国者数は158万8600人で、前年同月比3.6%減となった。2026年1〜8月累計では972万4500人となり、前年同期比2.8%増だった。
単月では7月に続いて前年を下回ったものの、累計では前年を上回る水準を維持している。
【編集部コメント】
総数の増減だけでは見えない、訪日市場の現在地
訪日客数が前年同月比9.6%減となった一方、14市場で8月の過去最高を記録した点に注目したい。中国市場の59.0%減が全体を押し下げる一方、韓国は28.7%増、メキシコは37.0%増と、市場ごとの動きは大きく異なる。
今後の誘客戦略を考えるうえでは、全国の総数だけでなく、地域ごとの国・地域別の宿泊実績や消費動向を重ねて読み解く視点が欠かせない。市場の変化を捉え、誘客ターゲットやプロモーションの優先順位を見直す契機としたい。
*JNTOによる訪日外国人とは、法務省集計による外国人正規入国者から、日本を主たる居住国とする永住者等の外国人を除き、これに外国人一時上陸客等を加えた入国外国人旅行者を指す。駐在員やその家族、留学生等の入国者・再入国者は訪日外国人数に含まれるが、乗員上陸数は含まれない
(出典:日本政府観光局 訪日外客数2026年8月推計値)
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