データインバウンド
2026年9月訪日客数5.0%減の310万人、航空券高騰や台風などの影響で多くの市場が前年割れ
2026.10.22
やまとごころ編集部日本政府観光局(JNTO)が発表した2026年9月の訪日外国人旅行者数(推計値)は310万3700人で、前年同月比5.0%減となった。8月の9.6%減からマイナス幅は縮小したものの、2カ月連続で前年同月を下回った。
中国市場が前年同月比44.5%減と大幅な減少を続ける一方、韓国やメキシコ、中東地域などは伸長。7市場で9月として過去最高を記録した。2025年も9月時点で累計数が3000万人を超えたが、2026年も1〜9月累計は3073万200人で、前年同期比2.9%減となったものの3000万人を超えている。


7市場で9月の過去最高を記録も、16市場で前年割れ
9月は愛知県で開催されたアジア競技大会に伴う選手や関係者の訪日があった一方、中東情勢による航空券価格の上昇や航空便の減便、台風による欠航などが影響し、多くの市場で訪日客数が前年同月を下回った。
こうしたなか、7市場(韓国、台湾、シンガポール、インド、メキシコ、ロシア、中東地域)では、9月として過去最高を記録した。特に中東地域は前年同月比27.0%増、韓国は同25.6%増と高い伸びを示した。一方、9月は23市場のうち16市場で前年割れが見られた。
市場別動向、韓国・台湾の訪日需要は堅調、航空券高騰で欧米など幅広い市場に影響
東アジアでは、韓国が84万2300人(前年同月比25.6%増)、台湾が59万5600人(同13.0%増)となり、いずれも9月として過去最高を記録した。韓国では秋夕(チュソク)連休や航空座席数の増加、台湾では4連休が需要を押し上げた。
一方、中国は43万800人(同44.5%減)だった。中秋節や国慶節の連休による需要はあったものの、中国政府による日本への渡航注意喚起や航空便の減便などが影響。香港も14万5000人(同3.0%減)と、クルーズ船寄港の減少や台風による欠航などで前年を下回った。
東南アジアでは、シンガポールが4万3000人(同6.2%増)となり、9月として過去最高を更新した。スクールホリデーやシンガポール〜那覇線の運航再開などが寄与した。インドも2万7600人(同8.7%増)となり、デリー〜成田線やムンバイ〜羽田線の新規就航などを背景に9月の過去最高を記録した。
一方、マレーシアは3万5300人(同19.5%減)、フィリピンは4万2800人(同17.1%減)、タイは4万4800人(同12.6%減)、ベトナムは4万5800人(同9.2%減)となった。航空便の減便や航空券価格の上昇に加え、一部市場では訪中旅行の継続的な人気などが影響した。

米豪市場では、メキシコが2万2300人(前年同月比13.0%増)となり、9月として過去最高を記録。9月中旬の祝日期間における旅行需要の高まりなどが寄与した。
一方、アメリカは21万7500人(同3.2%減)、オーストラリアは9万700人(同6.1%減)、カナダは4万9300人(同11.4%減)となった。中東情勢による航空券価格の上昇や台風による航空便の欠航などが影響したとみられている。
欧州市場では、ロシアが2万3700人(同11.9%増)となり、9月として過去最高を記録した。継続する訪日旅行人気に加え、クルーズ船の寄港などが寄与した。
一方、ドイツは4万6100人(同12.7%減)、イタリアは2万6100人(同9.7%減)、フランスは3万5700人(同8.0%減)、イギリスは4万5200人(同4.1%減)、スペインは2万3800人(同3.6%減)と、主要市場が軒並み前年割れとなった。中東情勢による航空券価格の上昇などが影響している。
北欧地域は1万6600人(同4.5%減)となった一方、中東地域は3万7700人(同27.0%増)と9月として過去最高を更新。中東ではイスラエルのユダヤ教の祝日や航空便の増便などが需要を押し上げた。
1〜9月累計3073万人、前年割れ続くも韓国・台湾・インドなどで高い伸び
2026年1〜9月累計の訪日客数は3073万200人で、前年同期比2.9%減となった。8月時点の2.7%減からマイナス幅がやや拡大したものの、前年に続き9月時点で3000万人を突破した。
市場別では、韓国が826万2700人(前年同期比21.6%増)、台湾が599万7600人(同19.1%増)となり、主要市場の中で高い伸びを示している。香港も196万3300人(同7.7%増)となった。
一方、中国は333万5500人で同55.5%減と、大幅な前年割れが続いている。
伸び率では、メキシコが同25.8%増、韓国が同21.6%増、ロシアが同20.5%増、台湾が同19.1%増、インドが同19.0%増、中東地域が同18.0%増と、他市場と比べて高い伸びを示した。

日本人出国者数148万人、2カ月連続の前年割れから回復し6.3%増
9月の日本人出国者数は148万1900人で、前年同月比6.3%増だった。2026年1〜9月累計では1120万6400人となり、前年同期比3.2%増。7月、8月と2カ月連続で前年を下回っていたが、9月は再び増加に転じた。累計でも前年を上回る水準を維持している。
【編集部コメント】
市場ごとに異なる訪日需要、航空アクセスと旅行コストの変化にも注目
9月の訪日客数は前年同月比5.0%減となったものの、8月の9.6%減からマイナス幅は縮小した。中国市場が44.5%減と大幅な落ち込みを続ける一方、韓国は25.6%増、中東地域は27.0%増と、市場ごとの動向には大きな差が見られる。
また、中東情勢による航空券価格の上昇や台風による欠航など、外部要因が幅広い市場に影響した点も見逃せない。訪日需要を捉えるうえでは、旅行意欲だけでなく、航空アクセスや旅行コストの変化も重要な判断材料となる。自治体やDMOにとっては、こうした市場ごとの変化を踏まえ、自地域の誘客戦略を見直す視点が求められる。
*JNTOによる訪日外国人とは、法務省集計による外国人正規入国者から、日本を主たる居住国とする永住者等の外国人を除き、これに外国人一時上陸客等を加えた入国外国人旅行者を指す。駐在員やその家族、留学生等の入国者・再入国者は訪日外国人数に含まれるが、乗員上陸数は含まれない
(出典:日本政府観光局 訪日外客数2026年9月推計値)
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