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2026年3月の訪日客361万人 累計1000万人越え。桜需要で欧米・東南アジア伸長、中東は3割減

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日本政府観光局(JNTO)が発表した2026年3月の訪日外国人旅行者数(推計値)は361万8900人。前年同月(2025年3月)比3.5%増となり、3月として過去最高を更新した。

1月は前年同月比マイナス、2月は回復基調となったが、3月は桜シーズン需要などを背景に増加が続いた。1〜3月の累計は1068万3500人で、前年同期比1.4%増となり、2年連続で1000万人を突破した。

26年3月訪日外国人数推移

26年3月_訪日外客数 月別推移(2017年〜2026年)

 

桜シーズンとスクールホリデーが需要を押し上げ、3月として過去最高を更新

3月は例年、桜シーズンの始まりにより訪日需要が高まる時期にあたるうえ、2026年は4月のイースターに伴うスクールホリデーが3月後半に重なった。それらの影響で、東アジアでは韓国と台湾、東南アジアではベトナム、マレーシア、欧米豪ではアメリカ、イギリスなどで旅行需要が拡大した。

また、アメリカ、ベトナム、イギリスなど7市場で単月過去最高を更新したほか、韓国、台湾、マレーシアなど13市場で3月として過去最高を記録した。

 

市場別動向、中国減少が続く一方、メキシコ69.7%増など長距離市場が好調

市場別にみると、東アジアでは韓国が79万5600人(前年同月比15.0%増)と好調だ。これは、航空便の増便や新規就航(釜山~静岡間)が寄与しているとみられる。

台湾も65万3300人(同24.9%増)と高い伸びを示し、スポーツイベントや航空便の拡充などが需要を後押しした。香港も21万6300人(同3.8%増)と増加し、イースター休暇のスクールホリデーに合わせた3月下旬の需要拡大が寄与した。

一方、中国は29万1600人(同55.9%減)と大幅減が続いた。訪日需要が落ち着く時期であることに加え、中国政府による渡航注意喚起や航空便の減便が影響したとみられる。

26年3月の訪日外国人数(単月)

東南アジアでは、マレーシア(7万6600人、同44.2%増)、ベトナム(9万2000人、同43.5%増)、インドネシア(8万2800人、同36.6%増)などが大きく伸長し、マレーシアは3月として過去最高を更新、ベトナムとインドネシアでは単月として過去最高を記録した。断食明け休暇やスクールホリデー、航空便の増便が背景にある。

欧米市場では、アメリカが37万5900人(同9.7%増)、カナダが7万9900人(同17.4%増)、イギリスが7万200人(同20.7%増)と堅調に推移。イースター休暇に合わせた旅行需要の高まりや増便などが寄与し、いずれの市場も単月として過去最高を記録した。

伸び率で見ると、メキシコが同69.7%増と好調だった。また、スペイン(同36.3%増)やドイツ(同21.7%増)、イタリア(同23.6%増)など欧州主要市場も軒並み増加し、長距離市場の回復・拡大が続いている。

一方、中東地域は1万6700人(同30.6%減)と減少し、地域情勢や航空便の影響が見られた。

 

累計訪日客数1068万人、1.4%増で1000万人突破も伸びは緩やか

2026年1〜3月の累計訪日客数は1068万3500人で、前年同期比1.4%増となった。3月単月では過去最高を更新したものの、年初の減少を補う形で、全体としては緩やかな増加にとどまっている。

26年3月の訪日外国人数(累計)

市場別では、韓国(305万8100人、同22.0%増)や台湾(204万1500人、同25.7%増)が引き続き全体をけん引。一方、中国は107万3500人(同54.6%減)と大幅減が続いている。

その他の市場では、メキシコ(同59.8%増)、ロシア(同40.0%増)、北欧市場(同32.0%増)、スペイン(同27.2%増)など、長距離市場の伸びが目立っている。

 

日本人出国者数151万人、6.7%増で回復続くも先行きは不透明

2026年3月の日本人出国者数は151万9000人で、前年同月比6.7%増となった。足元では回復基調が続く一方、地域情勢の影響など不確実性も残り、今後の動向は注視が必要だ。

 

【編集部コメント】

季節需要と市場構造の変化をどう捉えるか

3月は桜シーズンとスクールホリデーが重なり、訪日需要が大きく伸びた。一方で、中国市場の減少は依然として続いている。韓国・台湾といった近距離市場に加え、欧州やメキシコなど中長距離市場の伸長が全体を支えている点は、今後の市場戦略を考えるうえで重要な示唆となる。

季節要因による需要の波を前提としながら、安定的に取り込める市場の見極めや、自社に適したターゲットの再設計を考える余地もありそうだ。多様化する来訪者に対応する受け入れ体制についても、改めて見直してみてもよいかもしれない。

*JNTOによる訪日外国人とは、法務省集計による外国人正規入国者から、日本を主たる居住国とする永住者等の外国人を除き、これに外国人一時上陸客等を加えた入国外国人旅行者を指す。駐在員やその家族、留学生等の入国者・再入国者は訪日外国人数に含まれるが、乗員上陸数は含まれない

(出典:日本政府観光局 訪日外客数2026年3月推計値

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