データインバウンド

2026年2月訪日宿泊2%増の1404万人泊 台湾・韓国伸長、東アジア需要増で地方分散強まる

印刷用ページを表示する



観光庁が発表した2026年2月の宿泊旅行統計(第二次速報)によると、外国人延べ宿泊者数は前年同月比2.0%増の1404万人泊となり、同15.3%減だった1月から小幅ながらプラスに転じた。三大都市圏が前年を下回る一方、地方部は7.8%増と伸び、台湾・韓国など近距離市場の存在感も高まっている。1月に見られた「総量減少」と「訪問先の多様化」の流れは、2月には地方分散の動きとしてより強く表れた。

 

2月の宿泊者数は減少幅縮小、春節で東アジア需要が地方分散を後押し

日本人を含む宿泊者全体は4765万人泊(前年同月比0.6%減)で、1月(同7.0%減)から減少幅は縮小した。日本人延べ宿泊者数も3362万人泊(同1.6%減)と、1月(同3.3%減)から減少幅が縮小している。外国人需要が全体を支える構造は続く中、2月は旧正月(春節)の影響で東アジアを中心に需要が高まったことから、地方部の伸びが1月以上に顕著となった。訪問先の分散傾向は、こうした需要の動きの中で一段と強まっている。

なお、最新の2026年3月(第1次速報)では、全体で5546万人泊(前年同月比0.1%減)、そのうち外国人延べ宿泊者数は1508万人泊(同1.8%増)となっている。

 

東京・大阪・京都は減少、地方は7.8%増と明暗分かれる

今回の結果で最も象徴的なのは、宿泊市場における地域間の動きの違いである。都市部の伸び悩みに対し、地方部の伸長という傾向が一段と強まった。

宿泊統計202602

都道府県別の外国人宿泊者数では、東京都(427万人泊)が最大規模を維持しているものの、前年同月比では0.3%減と微減。大阪府(189万人泊)も0.5%減、北海道(168万人泊)は3.7%減と、主要観光地はいずれも前年を下回った。特に京都府は93万人泊で9.8%減と落ち込みが目立つ。

一方で、福岡県は70万人泊で15.8%増、長野県は42万人泊で14.4%増と、一定規模を持つ地方都市で着実な伸びが確認された。

結果として、三大都市圏(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・愛知県・京都府・大阪府・兵庫県)全体では外国人宿泊者数が前年同月比1.7%減となったのに対し、地方部は7.8%増と大きく伸びており、需要の分散傾向が一段と鮮明になった。

宿泊統計202602

 

鳥取95%増など高成長が続出、地方の伸び率が一段と拡大

伸び率で見ると、地方部の高成長はこれまでも見られてきたが、2月はその伸びが一段と大きくなっている。鳥取県は前年同月比95.4%増とほぼ倍増、高知県も81.8%増、鹿児島県が77.4%増、佐賀県が76.8%増と、70%を超える高い伸びが複数の県で確認された。

こうした背景には、旧正月(春節)による訪日需要の増加がある。特に台湾や韓国など近距離市場からの旅行者増加により、広域周遊や地方訪問が進んだ可能性が高い。これまで見られてきた地方志向の動きが、需要増加と重なることで、伸び率としてより強く表れたとみられる。

 

台湾・韓国が増加、中国は40%減と明暗分かれる

国籍別の動向を見ると、台湾からの宿泊者数は前年同月比41.4%増、韓国も25.4%増と東アジア市場が全体を牽引した。一方で中国は40.4%減と大きく落ち込み、1月に続き減少が続いている。

さらに、カナダが49.6%増、英国が39.5%増、ベトナムが103.4%増と、欧米および東南アジアの一部市場も伸びを見せている。こうした動きから、特定市場への依存度が相対的に低下しつつあり、国籍構成の変化が進みつつある状況がうかがえる。

▶︎国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数(2026年2月[第2次速報])

宿泊統計202602

 

【編集部コメント】

宿泊統計に見る需要の変化

今回の注目は、宿泊数の微増そのものではなく、需要の現れ方である。三大都市圏が減少する一方、地方は7.8%増と伸び、台湾・韓国を中心とした需要の高まりがその動きを後押しした。1月に見られた訪問先の分散傾向は、2月にはより強い形で表れている。こうした動きが一時的なものにとどまるのか、継続的な変化となるのかを見極める視点が、今後の戦略において重要となる。

(出典:観光庁、宿泊旅行統計調査2026年2月・第2次速報

最新のデータインバウンド