データインバウンド
2025年台湾観光統計、出国者数1894万人で過去最多 訪日673万人に拡大
2026.04.28
やまとごころ編集部2025年の台湾観光市場は、インバウンド(訪台客)とアウトバウンド(出国者)の双方が歴史的な成長を遂げた1年となった。特にアウトバウンドはコロナ前の水準を大きく塗り替え、過去最高を更新。日本との往来も、質・量ともに新たな段階に入っている。
訪台旅行者数857万人に回復、日本が2年ぶり最大市場に復帰
台湾交通部観光署(MOTC)が発表した「2025年観光統計資料(確定値)」によると、2025年の訪台外客数(インバウンド)は延べ857万4547人となり、前年比約9%増となった。2019年(1186万人)比では約72%の回復水準にある。

市場別では、日本からの訪台客が148万3176人(構成比17.3%)となり、前年2位から首位に回復。2024年に最大市場だった香港・マカオを上回り、再び最大市場となった。
また、韓国が3位を維持し、欧米では米国が最大市場。東南アジアではフィリピンの伸びが目立った。

日本市場の回復には、航空供給の正常化が大きく寄与している。台北路線に加え、高雄・台中など地方路線の復便が進み、訪問先の分散やリピーター需要の取り込みが進展した。
また、観光署は、個人旅行者向けに5000台湾ドル(約2.5万円相当)分の電子マネーや宿泊割引券を付与する抽選キャンペーン「Taiwan the Lucky Land」を継続。人数の回復に加え、滞在価値や消費単価の向上を重視する政策が進められている。
台湾からの出国1894万人で過去最多、日本が3割超で最大渡航先
2025年の台湾人出国者数は、前年比12.4%増の1894万4436人に達し、2019年(1710万人)を大きく上回り、過去最多を記録した。延べ出国者数は総人口(約2340万人)の約8割に匹敵する驚異的な水準に達しており、台湾の海外旅行需要の強さを示している。

渡航先別では、日本が673万8017人(構成比35.6%)で圧倒的首位。延べ出国者の約3人に1人が日本を訪れている計算である。2019年の訪日台湾人(約489万人)と比較すると約37%増と大幅に拡大しており、円安や地方路線の拡充、リピーターによる地方周遊の定着が背景にある。
以下、中国大陸(323万7511人)、香港・マカオ(219万3705人)、韓国、ベトナムと続き、日本への集中度の高さが際立つ構造となっている。

訪日消費1.2兆円規模に拡大、台湾は主要市場として定着
経済面でも台湾市場の存在感は一段と高まっている。
同統計および関連データによると、2025年の訪日台湾人による日本国内消費額は約1兆2110億円規模に達した。これは日本のインバウンド消費において中国(約2兆円)に次ぐ主要市場の一つであり、地方経済を含めた観光需要を支える重要な柱となっている。
この勢いは2026年に入りさらに加速している。観光庁の2026年第1四半期(1-3月期)統計によれば、台湾の旅行消費額は3000億円を超え、市場別で1位となった。日中間の政治的な緊張に伴い、一度は回復傾向にあった中国市場が再び停滞を余儀なくされるなか、台湾がその空白を埋める形で存在感を高めた。
一方、台湾の国際観光収入も約110億米ドル(推計)を突破する見込みであり、2024年の実績(約100億ドル)を上回る勢いだ。台湾当局は、高付加価値市場の開拓やMICE客の誘致に注力しており、単なる「人数の回復」から「滞在の質と消費額の拡大」への転換を鮮明にしている。
【編集部コメント】
日台観光は量から質へ、双方向で構造転換が進行
2025年の台湾観光統計は、単なる回復ではなく「構造変化」の進行を示している。
アウトバウンドでは、日本が圧倒的な地位を維持し、延べベースで3分の1以上を占める他国と比較しても突出した依存度の高い関係が続いている。一方でインバウンドでは、日本市場が再び最大となり、双方向の往来が強化された。訪日台湾人の消費額が1兆円規模に達している点からも、台湾市場は日本にとって極めて重要な存在となっている。単なる訪問者ではなく、地方観光や体験消費を支える持続的な需要層としての役割が拡大している。
今後は、地方誘客や高付加価値旅行の促進を軸に、「量」から「質」への転換が日台双方でさらに進むとみられる。
出典:台湾交通部観光署(MOTC)「2025年観光統計資料(確定値)」 (参照:Tourism Statistics Database)
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