データインバウンド
2026年3月訪日宿泊4%減の1428万人泊 三大都市圏減少も鳥取・茨城など地方伸長
2026.06.01
やまとごころ編集部観光庁が発表した2026年3月の宿泊旅行統計(第二次速報)によると、外国人延べ宿泊者数は前年同月比3.6%減の1428万人泊となった。前年同月が高水準だった反動もあり減少に転じた一方で、地方部は3.2%増と伸びを維持し、三大都市圏は6.8%減となった。外国人宿泊者数は前年を下回ったものの、訪日客の訪問先の多様化は引き続き進んでいる。
外国人宿泊者数は3.6%減、2カ月ぶりに前年割れ
2026年3月の延べ宿泊者数は5441万人泊で前年同月比2.0%減となった。うち日本人延べ宿泊者数は4013万人泊(同1.4%減)、外国人延べ宿泊者数は1428万人泊(同3.6%減)だった。2月は外国人宿泊者数が前年同月比2.0%増とプラスを維持していたが、3月は再びマイナスに転じた。ただし、外国人宿泊者は全体の26.2%を占めており、宿泊需要を支える重要な市場である状況に変化はない。
なお、最新の2026年4月(第1次速報)では、全体の延べ宿泊者数は5063万人泊(前年同月比4.6%減)、外国人延べ宿泊者数は1573万人泊(同9.0%減)となっている。


三大都市圏は6.8%減、地方部は3.2%増で分散進む
地域別に見ると、三大都市圏(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・愛知県・京都府・大阪府・兵庫県)の外国人延べ宿泊者数は934万人泊で、前年同月比6.8%減となった。構成比も前年同月の67.7%から65.4%へ低下しており、主要都市への集中度は緩やかに低下している。
一方、地方部は494万人泊で前年同月比3.2%増となり、前年に続いて増加を維持した。構成比も32.3%から34.6%へ上昇しており、訪日客の地方分散が着実に進んでいることがうかがえる。三大都市圏の減少と地方部の増加という構図は、訪日需要の分散傾向が一時的な動きではなく、定着しつつあるとも解釈できる。

東京・大阪・京都は減少、長野や北海道は増加
都道府県別の外国人延べ宿泊者数では、東京都が466万人泊で最多だったものの、前年同月比9.3%減となった。大阪府も192万人泊で3.6%減、京都府は136万人泊で13.3%減と、主要観光地で減少が目立った。
一方で、長野県は24万人泊で21.6%増、北海道は103万人泊で11.0%増となった。また、三大都市圏では神奈川県が44万人泊で13.1%増と伸びを見せた。
結果として、三大都市圏(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・愛知県・京都府・大阪府・兵庫県)の外国人延べ宿泊者数は前年同月比6.8%減となった一方、地方部は3.2%増となり、地方分散の流れが緩やかに継続していることがうかがえる。


鳥取78%、茨城57%増と地方県が高成長、周遊化進む
伸び率でみると、地方部では引き続き高い成長がみられた。
外国人宿泊者数の増加率では、鳥取県が前年同月比78.5%増で全国トップとなった。続いて茨城県57.4%増、兵庫県56.7%増、長崎県54.4%増、福島県51.2%増、高知県45.8%増と続く。鳥取県は2月も95.4%増と全国で最も高い伸び率を示しており、3月も引き続き高い伸びを維持した。
こうした結果からは、訪日客の訪問先が主要都市だけでなく周辺地域や地方都市へ広がっている状況がうかがえる。

インドネシア52%増など、多様化する訪日需要
国・地域別の外国人延べ宿泊者数では、台湾が192万8190人泊(前年同月比27.2%増)で全体の15.4%を占め首位となった。続いてアメリカ168万9280人泊(同5.4%減)、韓国144万8570人泊(同5.6%増)、中国99万7320人泊(同52.6%減)、香港57万2660人泊(同2.1%増)の順となり、上位5市場で全体の53.1%を占めた。
前年同月比では、台湾が27.2%増、韓国が8.6%増と東アジア市場が堅調だった。一方、中国は日本渡航に対する注意喚起の影響などを背景に、52.6%減と大幅な減少が続いている。
また、インドネシアが52.5%増、マレーシアが36.5%増、ロシアが35.3%増、インドが21.1%増、カナダが15.1%増となるなど、東南アジアや欧米市場の一部で高い伸びがみられた。
中国市場の減少を他市場が補う構図が続くと同時に、訪日需要の多様化が進んでいる状況がうかがえる。
▶︎国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数(2026年3月[第2次速報])

【編集部コメント】
進む地方分散、その先をどう読むか
3月は外国人延べ宿泊者数が前年同月比で減少したものの、注目すべきは地方部が引き続きプラス成長を維持している点だ。三大都市圏の構成比が低下し、地方部の構成比が34.6%まで上昇したことは、訪日客の行動範囲が着実に広がっていることを示している。
また、台湾や韓国などの近距離市場に加え、インドネシアやマレーシアなど東南アジア市場、さらには欧米市場の一部でも伸びが見られた。訪日需要の多様化が進むなか、地方にとっては新たな市場を取り込む機会が広がっているといえるだろう。
今後は宿泊者数の増減だけでなく、「どの市場がどの地域を訪れているのか」という視点でデータを読み解くことが重要となる。自地域の強みと市場ニーズの接点を把握することが、次の誘客戦略を考えるヒントになりそうだ。
(出典:観光庁、宿泊旅行統計調査2026年3月・第2次速報)
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