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ミシュランガイド東京2023 星付き200軒、新規掲載55軒。「美食都市」としての強さ見せる

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毎年11月末から12月初旬に発表される『ミシュランガイド東京』。16周年を迎えた今回は、例年より少し早い2022年1118日に『ミシュランガイド東京2023』が発売された。

 

星付きレストラン数1位の東京、2位のパリ大きく引き離す

掲載されたのは星付き店200軒(前年より3軒減)にビブグルマンが222軒(同7軒減)の合計422軒で 、新規掲載されたのは星付き店が17、ビブグルマンが38で、両者合わせて55軒だった。

星付き店の内訳は三つ星が12、二つ星が2軒減り39、一つ星は1軒減って149だった。総数は減ったものの、合計数はもちろん三つ星レストランの数でも引き続き、美食の本家パリを上回っている。

三つ星のレストランの顔ぶれは前回と同じで、初回から16年連続して三つ星がついたのは、日本料理の「かんだ」、フランス料理の「カンテサンス」と「ジョエル・ロブション」だった。カテゴリーは日本料理が6軒、フランス料理が4軒、寿司が1軒、中国料理が1軒となっている。

なお、下の図にあるように、東京に続き、星つきレストラン数2位のパリは、前年より9軒増やして118軒だった。また、前年5位だった香港は、前回より2軒増えたものの、ニューヨークが5軒増やしたため、香港を抜いて5位に浮上した。

 

二つ星には2022年新規開店の店も

日本の二つ星レストランでは、新たに1軒が一つ星からランクアップ、1軒が新規掲載となった。一つ星からのランクアップはフランス料理の「セザン」、新規掲載は西麻布に4月にオープンしたばかりの日本料理の「明寂」だった。こちらは昆布と鰹節など出汁に頼らない料理が特徴で、野菜と塩と水だけの「水煮」はその象徴という。

一つ星の数は前年より1軒減ったが、新たに星付き店となったのが、日本料理、フランス料理、寿司など16軒あった。

 

サステナブルな取り組み評価の「グリーンスター」12軒

また、2020年から導入されたサステナブルな取り組みを評価するグリーンスターに選ばれた日本のレストランは12軒(前年より2軒減)となり、内訳は 三つ星2軒、二つ星4軒、一つ星5軒、ビブグルマン1軒だった。

三つ星は「カンテサンス」と「レフェルヴェソンス」。二つ星では「世界のベストレストラン50」にアジア最高位となる20位に入った日本料理の「傳」や45位だった「NARISAWA」と、「クローニー」「フロリレージュ」が選ばれた。一つ星は「シンシア」「ラチュレ」「ヌー トウキョウ」「ファロ」「ラペ」、ビブグルマンは「マ・キュイジーヌ」だった。

例えば一つ星で選ばれたイタリア料理の「ファロ」では、ヴィーガンコースも用意。能田耕太郎シェフは自然との調和を料理哲学とし、ヴィーガンは食べるだけで地球に貢献ができると語る。

 

ミシュラン新規掲載55軒の東京、美食の都としての競争力の高さ示す

前回のミシュランガイド2022と同時に新設された「メンターシェフアワード」と「サービスアワード」が、今回も発表された。前者は、後世の育成に注力し、業界の発展に貢献する料理人・シェフを称える賞で、「神楽坂 石かわ」の石川秀樹氏が受賞。後者は優れた接客を行うスタッフに贈られる賞で、「傳」の長谷川えみ氏が受賞した。

ミシュランガイドのインターナショナルディレクターのグウェンダル・プレネック氏は、「今回も東京のダイニングシーンは多様な料理カテゴリーと多くの星付きレストラン、新規掲載店で彩られています。今回新規掲載となった55軒の店は競争力のある東京のダイナミックな躍動を映しています。一方で、サステナブル・ガストロノミーに熱心に取り組む飲食店・レストランを評価するミシュラングリーンスターの店舗はその取り組みを継続し、チーム、生産者と志を共にし、料理にメッセージを乗せて私たちに届けてくれます」と話した。

ミシュランの星の数が証明する美食の都「東京」。個人の訪日旅行が解禁されたことで、日本での食事を楽しみに東京を訪れるインバウンド客もまた増えることだろう。

 

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