データインバウンド

2026年5月訪日宿泊9%減の1451万人泊、地方部シェア1.9ポイント増の32.7%に。愛媛・茨城が4割超の伸び

印刷用ページを表示する



観光庁が発表した2026年5月の宿泊旅行統計(第二次速報)によると、外国人延べ宿泊者数は前年同月比9.0%減の1451万人泊となった。三大都市圏では11.5%減となった一方、地方部は3.4%減にとどまり、外国人宿泊者に占める地方部の構成比は32.7%まで上昇した。前年の高水準の反動による減少が続くなかでも、訪日客の地方分散は着実に進んでいる。

 

5月の外国人宿泊者数は9%減、全宿泊者の26.7%を占める

2026年5月の延べ宿泊者数は5429万人泊で前年同月比3.2%減となった。うち日本人延べ宿泊者数は3978万人泊(前年同月比0.9%減)、外国人延べ宿泊者数は1451万人泊(同9.0%減)だった。外国人宿泊者数は前年を下回る状況が続いているものの、延べ宿泊者全体に占める割合は26.7%となった。

なお、最新の2026年6月(第1次速報)では、外国人延べ宿泊者数は1251万人泊で前年同月比11.9%減となり、減少傾向が続いている。

延べ宿泊者数の推移2026年5月

延べ宿泊者数前年同月比の推移2026年5月

 

三大都市圏の減少目立つ、地方部の構成比は32.7%に上昇

地域別では、三大都市圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県)の外国人延べ宿泊者数は977万人泊で前年同月比11.5%減。一方、地方部は474万人泊で同3.4%減にとどまった。

外国人宿泊者全体に占める構成比は、三大都市圏が69.2%から67.3%へ低下したものの、地方部は30.8%から32.7%へ上昇した。都市部への集中が緩和され、地方への分散傾向が継続していることがうかがえる。

三代都市圏及び地方部における外国人延べ宿泊者数比較(2026年5月)

 

東京・大阪・京都は減少続く一方、神奈川で2桁増

都道府県別では、東京都が494万4510人泊で最多となったものの前年同月比9.8%減となった。大阪府は193万40人泊で16.8%減、京都府は150万1730人泊で15.9%減と、主要観光地で2桁の減少が続いた。

一方、神奈川県は46万3850人泊で17.1%増、埼玉県も23.9%増となるなど、一部の首都圏周辺では増加がみられた。沖縄県は77万9920人泊で2.2%減と前年並みを維持している。

2026年5月都道府県別外国人延べ宿泊者数

都道部県別外国人延べ宿泊者数(2026年5月[第2次速報])と前年同月比

 

愛媛が47.6%増で全国トップ、茨城は3カ月連続で高い伸び

外国人宿泊者数の増加率では、愛媛県が前年同月比47.6%増で全国トップとなった。続いて茨城県46.2%増、山口県33.8%増、青森県33.0%増、福井県30.3%増と地方県の伸びが目立った。

茨城県は3月に全国2位(57.4%増)、4月に全国1位(73.8%増)となっており、5月も全国2位となるなど、3カ月連続で全国トップクラスの伸びを維持した。地方部で継続的に高い伸びを示す地域として、その動向が注目される。

一方で、奈良県は27.9%減、愛知県20.4%減、大阪府16.8%減、香川県16.5%減、京都府15.9%減など、大都市圏や一部観光地では減少幅が大きかった。

2026年5月都道府県別外国人伸び率

 

米国が首位維持、中国は54%減。マレーシア・インドが伸長

国籍・地域別では、アメリカが172万1740人泊(前年同月比1.9%増)で首位となり、台湾169万8370人泊(同12.2%増)、韓国159万6820人泊(同5.7%増)、中国112万7660人泊(同53.8%減)、オーストラリア54万350人泊(同2.3%減)と続いた。上位5市場で全体の52.4%を占めた。

前年同月比では、マレーシアが41.1%増で最も高い伸びを示し、ロシア31.1%増、インド20.9%増、ベトナム16.2%増、台湾12.2%増などが続いた。一方、中国は53.8%減と大幅な減少が続いている。

▶︎国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数(2026年5月[第2次速報])

国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数(2026年5月[第2次速報])

 

【編集部コメント】

地方シェア拡大が示す訪日需要の変化

今回のデータは、外国人延べ宿泊者数が前年を下回る一方で、訪日宿泊需要が都市部から地方へ分散する流れが着実に進んでいることを示している。三大都市圏で減少幅が大きい一方、地方部は比較的堅調に推移し、宿泊シェアは32.7%まで拡大した。また、愛媛県や茨城県の継続的な伸び、マレーシアやインドなど新たな市場の存在感も、従来とは異なる需要の広がりを感じさせる。この数字を「全体が減った」と捉えるだけでは見えてこない変化もあるのではないだろうか。重要なのは、伸びている市場や地域の共通点を読み解き、自社や地域の戦略にどう活かすかである。数字の背景に目を向けることが、次の一手につながるヒントになるかもしれない。

(出典:観光庁、宿泊旅行統計調査2026年5月・第2次速報

 

▼関連記事はこちら
2026年5月の訪日客数は3.6%減、中国前年割れ続くも19市場が過去最高

最新のデータインバウンド